大好きを「 」に。それは、2月ももう終わろうとしている、ある日のことだった。
「……よし、カレールーも買ったし、帰るとするか。……む?」
材料が足りないとの連絡が来て、スーパーに立ち寄った帰り。
行きの時は通らなかった通路に、一際華やかな棚があった。
「これは……ホワイトデー、か?」
よくよく見ると、そこには「ホワイトデー特集」と書かれていた。
飴玉が沢山詰まった入れ物やクッキーの詰め合わせ、マドレーヌにマカロンといったものまで選り取り見取り、とてもカラフルな棚となっていた。
「確か、3月14日は練習日だったな。今度デパートにでも言って、皆のを見繕わねばな」
バレンタインの日は、えむも寧々もお菓子を用意してくれた。
かくいうオレも、昔はあげることはできてももらうことができないと悲しむ咲希のために、オレの方から用意してあげていたこともあり、しっかり用意していた。
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