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    3iiRo27

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    ritk版深夜の60分一発勝負
    第二十六回 お題:「青春七五三」「お風呂」
    類視点 両想い
    30分オーバーしました

    #類司
    Ruikasa
    #ワンドロ

    前を歩く司くんについていくように、住宅街を歩いていく。

    普段は歩いてる間もショーの演出や脚本の話で盛り上がっているけれど、今日はお互いに無言だ。
    しかも、前を歩いているから見えていないだろうと本人は思ってるけれど、見えている耳は真っ赤だ。
    斯く言う僕も、顔が赤い自信があるけれど。



    何故、こうなってしまったのか。
    それは、数時間前に遡る。




    ----------------




    司くんとお付き合いを初めて、早数ヶ月。
    TPOを弁えて、なるべくやることは全部家の中になってしまったけれど、それでも僕たちは、恋愛初心者かと言われるくらいには、とても順序よく事を進めていた。

    手を繋ぐ。抱きしめ合う。イチャイチャする。キスをする。

    どれも僕に取って、そして司くんにとっても初めてで。
    お互いどきどきしながら、時には勘違いしたりすれ違ったり、喧嘩もしながら、幸せを積み重ねていった。




    そんな、ある日。
    次の日はショーの練習も学校もお休みだから、よかったら僕の家に、と言いかけた僕の口を手で塞いで、司くんは言った。


    「…よかったら、その。オレの家に、泊まりにこないか?……家に、誰もいない、から」



    普段の声量からは想像もできないくらい小さな声で、顔を真っ赤に染めて告げられたその言葉に、司くんの赤さが写ったんじゃないかというくらい、僕も顔を赤くした。

    時には僕の家、時には司くんの家と、止まることは既に何回かあるが、家に誰もいないのは初めてだ。
    司くんの反応も加味すると。…これは、期待してしまってもいいのだろうか。
    先に、進んでもいいということなのだろうか。




    そんなことを考えていたものだから、向かっている間、ずっと何も喋れなくて。
    司くんも僕の緊張が伝わっているのか、何も言わなくて。

    結局無言のまま、司くんの家に到着してしまった。







    「……類」

    司くんからの声かけに思わずびくりと反応してしまったが、取り繕うように「なんだい?」と返事を返した。



    「鞄を置いて、財布だけ持ってくれないか?夕飯の買い物に行こう」
    「え、買い物?…夕飯、僕たちで作るのかい?」
    「ああ、たまには自分達で作れと言われてしまってな。2人の夕飯分はもらっているから、あとは各々好きなお菓子でも変えればと思ってな」

    照れくさそうににっかりと笑う司くんに、僕もいつもの調子が戻ってきた感じがした。
    わかったよ、と微笑み返し、鞄から財布を取り出す。


    エコバッグを持って振り向いた司くんは本当に僕の奥さんのようで。
    それを伝えたら、顔を真っ赤にしてぽかぽかと殴ってきた。

    その、あまり力の入っていないパンチに思わず笑いながら、2人でスーパーに向かった。





    ----------------



    夕飯も食べ終わり、流し台をお借りして食器を洗う。
    野菜を入れる・入れないの押し問答も発生したりもしたが、どうにか折り合いをつけてメニューが決まった。

    メニューが決まって材料も買えたのはいいものの、結局あまり料理に慣れていない僕は司くんのアシストしかできず、ほとんど司くんの手で作ってもらってしまった。
    せめてもと、食べた食器の洗い物を立候補し、次々と洗っていく。

    ふと、不思議なメロディが流れたので顔を上げると、何やらスイッチから軽快なメロディが流れていた。



    「司くん?何か鳴っているようなんだけれど」
    「ん?鳴っている?………ああ!これはお風呂が沸いたという合図だな」


    そういえば、ご飯を作る前にお風呂掃除をしていたような気がする。
    「もう少しで食器も洗い終わるし、入る順番を決めて…………司くん?」

    順番を決めを提案しながら司くんの方に向くと、今日お泊りに誘った時のように顔を真っ赤に染めていた。

    「あー……………あの、な。類」
    「……???うん、どうかしたのかい?」











    「…………一緒に、お風呂に入らないか?」

    「…………………………えっ?」










    ----------------





    司くんの家のお風呂は、正直かなり大きい。足は広げられないとはいえ、2人で入っても問題ないくらいだ。
    問題点としては2人も入ってしまったら湯船から湯が溢れるかもしれないという点だったけれど、初めから2人で入るつもりだったのか、湯船に溜まったお湯は想定していたよりもずっと少なかった。

    お互いに身体の汚れをシャワーで軽く流し、湯船に浸かる。
    司くんは浸かる前に「ちょっと待っててくれ」と言って、何やら白いボールのようなものを持ってきた。

    「………??なんだい、それ?」
    「これはな…」


    言いながら、それを湯船に落とす。
    すると、それはしゅわしゅわと発泡しだし、みるみる湯船は白く染まっていった。

    「…ああ、入浴剤かい?」
    「そうだ!母さんの貰い物なんだが、疲労回復の他にも美容にもいいらしくてな!ただ効果時間は割と短めだから、類と一緒に入ればいいんじゃないかと思ってな」
    「なるほどね」


    二人でゆっくりと湯船に浸かる。
    調整された湯がみるみる上がっていき、ちょうど僕たちの肩くらいまで上昇した。

    「うん、とても気持ちがいいね」
    「そうだろうそうだろう!母さんがわざわざ用意してくれたからな!」


    司くんは自慢げに胸を張ってそう言うと、打って変わって少しだけ顔を赤くしながら、「実はな、」と切り出した。


    「実は、今日誘ったのは。…類が、その。想像している理由も、そうだが。他にも、理由があってな」
    「??そうなのかい?」
    「ああ。……類は、青春七五三という言葉を知ってるか?」

    聞きなれない単語に、僕は首を傾げる。知らないよな、と苦笑しながら、司くんは教えてくれた。



    「オレも知ったのはつい最近なんだけどな。
    本来の七五三に10を足した年齢。…13歳、15歳、17歳の人へ。これからの人生に対して、励ましのエールを贈る日、なんだそうだ」
    「へえ…初めて知ったよ」
    「オレも、母さんに教えてもらうまで、知らなかったんだ。……それで、な」


    司くんは、湯船の中で体制を変え、僕と向かい合うように座り直した。
    顔を赤くしながら僕を見つめるその姿は、あまりに色っぽくて。つい、ドキッとしてしまう。










    「……その…もしよかったら、家を空けるよと……提案されて、な…」

    「……………えっ」


    司くんの口から出てきた言葉に、僕の思考は止まってしまった。







    家を空けると、提案。

    それも、司くんの親の方から。




    「…ええと、司くんは……僕たちの関係、ご両親に…」
    「いや、全く伝えてないぞ…」
    「だ、だよね…?なら、なんで…」
    「ただ、その……母さん曰く………」







    「…オレが、あまりにもわかりやすい、と………」
    「…あー…」

    「それで、司へのエール代わりに、お手伝いするよ、と…」






    納得しかなかった。

    本当に良い親の下で育ったからであろう。司くんは本当に、嘘がつけない。
    きっと親に突っつかれて、一生懸命嘘をついたつもりなんだろうけれど、バレバレだったんだろう。
    そこで気付いたとはいえ、それを受け入れているのは、流石司くんのご両親、といったところだろうか。









    「それから」


    司くんから続いた言葉に、思わず司くんの方を向く。
    司くんは僕を見つめて、とても嬉しそうに、言った。












    「類も……息子同然なんだから。類にも、エールを送りたい、と。」




    「……………っ!!」
    「っわ!る、類…!」


    その言葉を聞いて、思わず司くんを抱きしめた。
    ばしゃりと大きな音がして、司くんもびっくりした様子だったけれど、すぐに背中に手が回る。



    僕たちの関係を、認めてくれただけじゃなく。
    僕たちの、次の関係性へ踏み出すエールまで、贈ってくれるなんて。





    嗚呼。
    嬉しいなんて言葉じゃ足りないくらいの感情が、溢れてきた。




    「……そろそろ、逆上せちゃうね」
    「そう、だな」
    「上がったら、さ」







    「僕に司くんを、沢山愛させてね?」



    「…望むところだ」





    どちらともなく、キスをする。

    大好きな人の、大切な人からエールをもらって。
    僕らはその日、新たな一歩を歩んだ。
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    類のガレージにてショーの打合せをしていた2人。
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    自分がいるのに玩具などを使おうとしていた🎈にふつふつと嫉妬した🌟は検証と称して………

    毎度の事ながら本編8割えろいことしてます。
    サンプル内含め🎈🌟共に汚喘ぎや🎈が🌟にお○ほで攻められるといった表現なども含まれますので、いつもより🌟優位🎈よわよわ要素が強めになっております。
    苦手な方はご注意を。

    本編中は淫語もたくさんなので相変わらず何でも許せる方向けです。

    正式なお知らせ・お取り置きについてはまた開催日近づきましたら行います。

    pass
    18↑?
    yes/no

    余談
    今回体調不良もあり進捗が鈍かったのですが、無事にえちかわ🎈🌟を今回も仕上げました!!!
    色んな🌟の表情がかけてとても楽しかったです。

    大天才小粒まめさんとの合同誌、すごく恐れ多いのですがよろしくお願い致します!
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