地獄へようこそ世界には二種類の人間がいる。
光の中で輝かしい未来を抱き歩める者。
闇の中で閉ざされた未来を憎み彷徨う者。
半端者などいない。光の導きに恵まれた時点で、闇を覗き込んだ時点で、どちらかに区分されるのだ。
だから両者の人間は互いが互いに染まる事を恐れて接点を持とうとしない。
もし、それが破られた時は。
混沌の禍が数多の命を喰い殺すだろう。
「はぁっ、はぁっ!」
「ルーくん!こっちだ!」
「っうん!」
深夜の住宅街を二人の男が駆け抜けていく。一人は白手袋と緑の服と青いオーバーオール、もう一人は白手袋とワイシャツに緑のネクタイと白衣を身に着けていた。二人は息を切らして疾走しながら、多数の怒声を聞きつけて慌てて廃墟ビルの一部屋へ隠れる。すればそこへを足音を踏み鳴らしながら数人の輩達がやってきた。
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