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    すいか寄りの召

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    すいか寄りの召

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    【kmt*杏千】
    雨が降る度思い出す

    香り高い沈丁花さえも匂いを潜める春の雨だった。

     ザーザーと横殴りに吹き付ける飛雨の中に兄上の姿を見付けた。
     傘も差さず、羽織も纏わず、殆ど肌着のような姿で庭に佇む濡れた背中。

    「え……?」

     初めは目の錯覚だと思った。けれど、何度目蓋を摩ってもその姿は消えて無くならない。
     ひっきりなしに降り注ぐ雨粒以外は静止画のような光景だった。もう既にしとどに濡れているにも関わらず、兄上は微動だにしなかった。水を吸って重くなった着物が肌に張り付いて、見ている方が呼吸を忘れてしまいそうなのに。

    「兄上……」

     耐えられなくなって、傘を差し出した。
     俺の声は兄上みたいには通らないから、呼び掛けた声は掻き消されてしまったのかもしれない。兄上は無言で、暫くはこちらを振り返ってくれることもなかった。
     それから四半刻が過ぎただろうか。兄上の背の高さまで傘を翳し続けた手も悴んでそろそろ限界を迎える頃だった。突然、自分の手よりももっと冷たい指が伸びてきて、俺が取り落としかけた傘の柄を奪っていったのだ。

    「わ、……」
    「すまない、千寿郎。世話をかけたな」

     上から降ってきた穏やかな声に顔を上げると、前髪から雨の雫を垂らした兄上が自分を見て静かに微笑んでいた。先までは幽鬼のような雰囲気さえ漂わせていたその体が、今は急激に人の温もりを取り戻していくようで、安堵した俺の目からは意図せずボロボロと大粒の涙が溢れ出した。

    「千寿郎」
    「、ごめんなさい……兄上、なんでもないんです、これは……」
    「いや、俺が悪いんだ。俺が――――」
    「え……?」

     兄上はそれ以上は何も語らず、ただ涙が止まるまで俺の頭を撫で続けてくれていた。

    「大丈夫、です……もう落ち着きました。……ごめんなさい」
    「いや、謝らないでくれ。……傘を差し続けて手が冷えただろう。お湯を沸かそうか」
    「あっ、それなら俺より兄上の方が! さっきも手が冷たかったです、し……」
    「今は俺よりお前の方が冷たいだろう?」

     そう言って俺の頬に触れてきた兄上の掌は確かに温かくて、先の指の冷たさがまるで自分の気のせいだったのではないかと思うほど。でも、そうは言われても、兄上の着物がびしょ濡れなことには変わりない。

    「今は温かくても、そのままではいずれ風邪を引いてしまいますっ。お湯を使うのは兄上が先です!」
    「む、俺はこの程度で風邪を引く気は無いのだが……あぁ、ならば一緒に入ってしまえば問題ないな!」
    「えぇ?!」
    「俺も久しぶりにお前の背中を流したいしな」
    「もう、湯槽が狭くなりますよ……」

     未だ篠突く雨の中、狭い一張りの傘の下でそんなふうに戯れ合いながら二人は家の中に戻っていった。

     あの頃、俺はまだ幼くてきっと沢山のものを見落としてきたのだろう。
     今になって思えば、あの日の兄上の目と鼻の赤さは、あれは多分雨の冷たさのせいなんかじゃなくて、

    (俺は兄上が泣いているところを見たことがないと思っていた。もうずっと長いこと。けれどそれは……)

     今でも雨が降ると庭に貴方の後ろ姿を探してしまう。
     あの日の貴方よりも歳を重ねた今の自分ならば、あの日の涙ごと貴方を抱きしめてあげられたのに、と。
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    すいか寄りの召

    DOODLE【kmt*twitter小噺詰】
    CPは杏千のみ あとはいろいろ

    🔥先生「すまん! 採点の時に弟の握ってくれたおにぎりのご飯粒を落として答案用紙にシミが出来てしまった。許してくれるか?」

    許す👍️✨
    【こういうシチュエーションが好き】

    🔥「せんじゅろ、おはよう!!」(襖スパァァァン)
    🧹「へ?! 兄上!?」(裸なう)
    🔥「む、着替え中だったか。……」
    🧹「あ、あの……早く襖を閉めてもらえますか……」
    🔥「ああ、そうだな」(襖パタン)
    🧹「?? 兄上はどうして部屋の中に?」

     🧹の身支度を後ろでじっくり観察する🔥

    🧹(????)





    【ハァハァ……せ、千寿郎くんの疚しい物ってな、なんだい???(モブ作者)】

    🧹<疚しいものが隠してあるときの部屋に兄上が湯たんぽとか持ってきてくれるの控えめに言って地獄

    🧹<ベッドメイキングとかしてくれなくていいですから!!

    🧹<ひっ……ベッドの下覗かないでー!!!

    🧹<あっあっ、その箱の中は見ちゃいやぁ……!!

    🧹<ベッドメイキングラブとかふざけてるんですか……ち、ちょっと……!





    【テスト作成合宿なんてないかな……ないよな……】

    『出来たー!!!』
    💎「まあ、俺と冨岡はテストプレイしただけだけどな」
    🍃「定期試験をゲーム感覚にするのやめろォ」
    🌊「……もう頭が回らない」
    🐍「作ってい 1076

    すいか寄りの召

    MOURNING【kmt*杏千】
    支部に投稿した(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14525846)の続きの書きかけのようなもの。途中まで書いたけど、これは前のを読んでくれた方々に自由に続きを想像してもらった方が生きると思ったので、供養。
    正午、起床してキッチンに向かうと、そこにはまだ兄上が目を覚ました形跡はなかった。やっぱり宇髄さんの言う通り、兄上は二日酔いになっているのだろうか。それとも、単純に疲れて眠り込んでいるだけなのか。
     両親もまだ帰ってはいなかった。ただ、こちらは帰宅するのは早くても今日の夕方と聞いているから別に不思議なことではない。そう大丈夫、時間はちゃんと進んでいるのだ。あと数時間もすれば両親は帰ってくるし、自分も、そして兄上もきっと笑顔でそれを迎え入れるだろう。自分たちの関係はこれからも何も変わらず、何も、変わらず。

    「……っ、……」

     やっぱり無理だった。
     ぼぅっとしていると否が応にも、昨夜の出来事が頭を過ぎって、心の内側がぐちゃぐちゃに掻き乱されてしまう。あの熱くて生々しい、兄上の手と舌の感触が肌の上に蘇って。自分では意識して触れたこともない場所を舌で擦られて、感情の整理も出来ないまま声を上げてしまった。それも、自分でも聞いたことのないような鼻にかかった声をしていた。その声を聞いた瞬間、兄上の口の端が笑うように上げられたのを見てしまった。あれは一体どんな気持ちだったんだろう。触れられた場所か 3267

    すいか寄りの召

    DOODLE【kmt*杏千】
    謎設定 後半急に駆け足になるじゃん
    ゲームでスキル発動するときに急に告白してくるやつ偶にいるよねっていう話だったんですけど、なんだこれ。なんだこれ。
    某テニスの3DSのゲームみたいに背中が9つのブロックに分かれてて、3つだけタッチ出来るから、勘でキャラのイイトコを突け!みたいなトチくr(ゲームがkmtでも出たらいいのにな。嫌か。
    俺の兄上がゲームのキャラクターに抜擢された。それも所謂乙女ゲームというジャンルの作品らしい。
     え、実在の人間がどうして乙女ゲームのキャラクターに?
     そう問う声もあるだろう。だけど、落ち着いて聞いてほしい。それは俺が一番知りたい疑問ですよ。
     ただもうリリースされてしまったものはしょうがないので、俺はウォッチリストの通知が来た瞬間にダウンロードしました。あ、今更ですがこれはアプリゲームです。課金は計画的にいきましょう。
     ゲームの内容としてはストーリーと、あとリズムゲームの要素があるみたいですね。一部のストーリーはこのリズムゲームで一定のスコアを出さないと解放されないみたいです。
     とにかく、説明を読み込むよりもまずは一回やってみましょうか。チュートリアルですね。兄上はメインキャラクターの一人ということになっているので、チュートリアルでも使わせてもらえるみたいです。兄上を使う、なんて恐れ多い気もしますがここはゲームということでどうか一つよろしくお願いします兄上!
     あ、音楽が始まりました。画面の横に出てるゲージが満タンになるとスキルが自動的に発動されるらしいけど――――あ、貯まりそう 5443

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