社長やってる轟炎司×探偵やってる鷹見啓悟 ヤクザみたいだと思った。
デカくてごつくてやたら高級そうなスーツ。そして泣く子も黙りそうな強面が応接室のソファに座りこちらを睨むように見ている。
「お待たせ致しました。所長の鷹見です。よろしくお願いします」
俺はにこやかに名刺を差し出し本題に入った。
轟炎司。大きな会社の代表取締役社長。別れた奥さんの新しい彼氏の素性を調査して欲しいとのことで、俺の探偵事務所にやってきた。
紹介者は昔のバイトの先輩のキドウさん。今はこの轟さんの秘書をやっているらしい。そこそこ世話になった顔見知りからの紹介だから受けたけど、正直気乗りはしないな。
人を近づけさせない苛烈で傲慢なオーラ。俺の説明を聞いてる間、こんな若造で大丈夫か? と顔に書いて隠しもしない。
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