颯麗+寿なりチャ武相颯真 : 「寿くん、……時間だから。休憩、入ろう」
寿敬一 : 「あ、ハイ!颯真さんもですか?」
武相颯真 : 「ん、そう。……自販機、寄る?」
寿敬一 : 「へへ、やった。そうですね~喉乾きました」
武相颯真 : 「……お疲れ。なんでも、選んでいいよ」
寿敬一 : 「え?いいんですか?ありがとうございます!じゃあコーラで」
武相颯真 : 「ん」
寿敬一 : 「ありがとうございます!颯真さんは何飲むんすか」
武相颯真 : 「あー……コーヒー、かな」
寿敬一 : 「わ、カッケー。俺、コーヒーあんま飲まないんですよね」
武相颯真 : 「……まあ、あんまりイメージないかもね、寿くんには」
寿敬一 : 「はは、そうかもしれないですね。まあ嫌いじゃないですけど」
武相颯真 : 「若いのに偉いね」
KP : ~休憩室~
麗麗一郎 : 「ごきげんよう、二人とも!お疲れ様!」
寿敬一 : 「あ、社長!お疲れ様です!」
武相颯真 : 「麗一郎さん、来てたんスね」
麗麗一郎 : 「昨日日本に帰ってきたからね、せっかくだからお土産を渡しに来たのだよ」
寿敬一 : 「へえ、海外行ってたんですか!いいなー、どこ行かれたんです?」
麗麗一郎 : 「今回はフランスだね、だからお菓子を買ってきたよ、甘いものは平気かな?」
寿敬一 : 「え、俺もいいんですか?甘い物、好きです!」
武相颯真 : 「……先選んでいいよ」
寿敬一 : 「いいんですか?じゃあこれで。ありがとうございます、社長」
麗麗一郎 : 「かまわないとも!このカヌレを買った店も非常に内装が美しくてね!ぜひ現地のあの香りや雰囲気を味わってもらいたいものだ!」
武相颯真 : 「……あんま聞かなくていいよ、長いから」
寿敬一 : 「ははは。カヌレ売ってるフランスの店なんて、余程おしゃれなんでしょうねえ。……また絵の取引とかですか?」
麗麗一郎 : 「うむ、そうだね。フランスにもよく取引をする画家の方がいて……非常に素晴らしい宗教画を描く人だよ。寿くんは天使の絵は好きかな?」
寿敬一 : 「へ?天使の絵……天使……??……チョコボールのくちばしについてるやつしか知らないっす」
麗麗一郎 : 「ははは!いいね、まだまだ初めてがたくさん待っているわけだ。素晴らしいことだよ」
寿敬一 : 「素晴らしいこと?そういう捉え方かあ、へへ。ここ来てからも初めてのこと色々あって、ホント、楽しいです」
麗麗一郎 : 「それはよかった!僕らも鼻が高いというものだね、颯真くん!」
武相颯真 : 「まあ、そスね」
寿敬一 : 「俺、美術館って行ったことなくて。毎日眺めちゃいますもん。センスめちゃくちゃいいですよね」
麗麗一郎 : 「そうだろうそうだろう!僕が厳選してあつめた作品たちなのだよ!どれも美しく見えるよう額縁にもこだわってあるのだよ!」
寿敬一 : 「額縁まで全然気づかなかった……!社長の芸術への情熱、流石ですね。後で額も見てみよっと!」
武相颯真 : 「寿くんが聞いてくれるからって話しすぎスよ、麗一郎さん」
麗麗一郎 : 「あ!す、すまないね、話が長くなるのは僕の悪い癖なんだ」
寿敬一 : 「え?むしろもっと聞きたいくらいですよ!俺学がないんで、たくさん知識つけたいし……何より俺、社長の話おもしろくて超好きです!」
麗麗一郎 : 「寿くん……!君はいい子だね、素晴らしいよ!そうやって人の話に耳を傾けられるのは才能だね!」
麗麗一郎 : 「颯真くんだってひとりの時はよく話を聞いてくれるのに、誰かいるとすぐ僕を叱るのだよ、とうかと思うがね!」
武相颯真 : 「え、あ、いや」
武相颯真 : 「……その、だって」
麗麗一郎 : 「寿くんを見習ってほしいものだね!」
武相颯真 : 「……」
寿敬一 : 「えー、そうなんですか?颯真さんも社長の話好きなら、別にいいじゃないですか」
武相颯真 : 「……そうなんだけど、や、その」
寿敬一 : 「……」
寿敬一 : 「……ふーん……」
寿敬一 : 「あー、もしかして人の話集中して聞きたいタイプですか?ありますよね、込み入った話は一対一の方がしやすいみたいな……」
麗麗一郎 : 「?そうなのかい?」
武相颯真 : 「…………………ばか」
寿くんを軽く小突く
麗麗一郎 : 「?」
寿敬一 : 「……すみません。ふふ。お二人は知り合って長いんですか」
麗麗一郎 : 「うん?僕たちかね?そうだな……特別長くもないけど、2年くらいかな?」
武相颯真 : 「そスね、東京来たのが24の時なんで、そっからちょっとあってから……ス」
寿敬一 : 「あ、そういえば岡山出身って言ってましたね。24かあ……俺もその頃には、ここみたいな都会で働けたらいいな~」
武相颯真 : 「……まだ時間あるし、寿くんならできるよ」
麗麗一郎 : 「うむ!気持ちがあれば叶うとも!」
寿敬一 : 「へへ、ありがとうございます!ホント、人に恵まれたなあ」
武相颯真 : 「……」
寿くんをわしわし撫でる
寿敬一 : 「わ、ちょ。なんですか急に………」
武相颯真 : 「別に」
麗麗一郎 : 「ふふ、仲が良くてよろしい!」
寿敬一 : 「もう。ガキじゃないんですから」
麗麗一郎 : 「うんうん、そうだね」
寿敬一 : 「社長まで……颯真さんって長男ですよね。聞いたことないですけど、そんな気がします」
武相颯真 : 「ん?うん。弟が二人」
寿敬一 : 「やっぱり。人の頭って、そう撫でるもんじゃないですよー。兄弟仲いいってことでしょうけど」
武相颯真 : 「……そんなもん?」
寿敬一 : 「そんなもんです。……そうですよね社長?」
麗麗一郎 : 「うん?まあでもスキンシップを取るのはいいことじゃないか!」
麗麗一郎 : 「私は撫でられたことないけどね?颯真くん?」
武相颯真 : 「や、当たり前スよ」
麗麗一郎 : 「む!」
寿敬一 : 「え?社長撫でられたいんですか?」
麗麗一郎 : 「……だ、だめかな?」
寿敬一 : 「いや、全然だめじゃないですけど、なんか意外だなーって。ねえ颯真さん」
武相颯真 : 「意外っつーか……まあ、そスね、変わってるスね」
麗麗一郎 : 「そ、そうか……まあ、颯真くんよりずっと年上だしな……」
寿敬一 : 「じゃあ俺が撫でましょうか?はは、なーんて………」
麗麗一郎 : 「はは、優しいね!寿くんのことなら僕が撫でてあげるとも!」
寿くんをなでる!
寿敬一 : 「ちょっ……なんでそうなるんですか。もう……」
麗麗一郎 : 「ふふ、照屋さんだね!」
寿敬一 : 「そりゃ照れますってば。……物心ついてから初めて撫でられたかも」
武相颯真 : 「……そうなんだ?」
寿敬一 : 「親とほとんど顔合わせなかったし、兄弟もいないんで。多分」
武相颯真 : 「……そう」
寿敬一 : 「でもなんか、こうされると、兄貴ができたみたいで嬉しいですね。へへ」
武相颯真 : 「……寿くんがそれでいいなら、いいよ」
麗麗一郎 : 「がんばって過ごしてきたのだね。素晴らしいよ、美しい子だね」
寿敬一 : 「美しい子買いかぶりすぎですって、それは。……でも、ありがとうございます」
麗麗一郎 : 「まさか!僕の審美眼に曇りなどないよ!ははは!」
武相颯真 : 「そスね」
寿敬一 : 「ホント、ここ来てよかったです。……あと一週間かあ……」
麗麗一郎 : 「もうそんなにか、寂しくなるね」
寿敬一 : 「あくまで短期ですからね……住みも愛知じゃ、なかなか会いに行けないですし」
武相颯真 : 「愛知か、確かに……」
麗麗一郎 : 「こら!確かになんて言わないのだよ。もし仕事で行くことがあれば食事に行こう、きっとね」
寿敬一 : 「……!ありがとうございます!嬉しいです。俺もまた募集があれば、すぐ飛んで行きますよ」
武相颯真 : 「……待ってる」
寿敬一 : 「……絶対、絶対行きますね!気に入った絵も、他に見たい絵もたくさんありますし」
麗麗一郎 : 「本当かい!?それは嬉しいよ、今回の展にも素晴らしい絵を集めたが、世の中にはもちろん!もっともっとたくさんの素晴らしい絵画があってだね!」
武相颯真 : 「あー……、もう、あんまり刺激しないで、寿くん」
寿敬一 : 「ははは。愛知でももっと聞かせてくださいね。気に入った絵の作者のこと、もっと勉強してきますから」
麗麗一郎 : 「寿くん……!!感動したよ、ありがとう!ぜひ君が気に入った絵の話をいつか聞いてみたいよ!」
寿敬一 : 「ええ、是非!ヒョウヅ……レイヤさん?って人の作品好きなんで、もっと好きなの無いか、探してみようかなって」
武相颯真 : 「……じゃあ、そろそろ、休憩終わりなんで」
麗麗一郎 : 「もうそんな時間かね。お邪魔してしまったね、残りもがんばって」
寿敬一 : 「はーい。社長、ありがとうございました。じゃあ、失礼します!」
武相颯真 : 「お疲れス」
麗麗一郎 : 「うむ、ごきげんよう」