世論曰く──イルミネーションはただのLEDの集合であると言う男は嫌われるらしい。
しかし、かくいう自分は”そちら側”の人間だった。正確にはあの飾り付けの魅力がいまいちピンとこない。何万個の光の粒がだとか、幻想的だとか、その他の魅力、何某、エトセトラ。世間的には華やかに盛り立ててはいるが、シーズンが来れば爛々と輝き始める駅前は人が増えて歩き辛くなるし、顔を上げれば鮮やかな蛍光色が無遠慮に目に刺さる。ここまでつらつらと皮肉を述べてみたが、要するに俺はクリスマスがそこまで好きじゃない。
学生時代からも祭事への興味関心はどちらかと言えば薄い方だった。手伝えと声をかけられれば言われるままに手を貸して、解散の号がかかればさっさと帰る。そんな絵に描いたような外野が自分だった。
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