紫陽花の頃カルデア内の1室。マスターのマイルームに1人のサーヴァントが訪ねて来ていた。
アルターエゴ蘆屋道満である。
『マスター、本日の甘味をお持ちしましたので一服するとしましょう』
「やったー!おやつだ♪おやつ~♪」
まだ何処かあどけなさの残る少女、藤丸立香が嬉々として道満を招き入れる。
「早速お茶を用意するね」
『いやはや、マスター手ずから従者への施しなど畏れ多い。拙僧に任せてお座りくだされ』
「んむぅ、手伝うのに~」
立香がやや不満そうにしながらも道満の持ってきた甘味に目を向ける。そこには小さな花たちが集まりまるで花束にも似た淡き赤紫と青紫の色合いをした花の形を模した菓子が置かれていた。
「わ!可愛い!紫陽花だね」
『はい。紫陽花の季節でもありますし丁度良いかと』
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