【後編】キューピッド合戦~あるいはクソデカピーポポくんの功罪 実を言うと、バーソロミューの元には頻繁にキューピッドが出張してきていた。理由はそう、メカクレに出会ったからだ。
素敵なメカクレに出会えばキューピッドによってハートが射抜かれる。当然だ、メカクレなのだから……などというよく分からん理由でキューピッドに射抜かれ慣れている(?)はずだったが、彼――パーシヴァルに出会った瞬間は、何かが違った。
矢じゃなくて槍で射抜かれたような衝撃だったとか、そういう違いではない。強いて言えば、心臓の鼓動の動きが違ったのだ。
パーシヴァルからの賛辞の言葉を受けて、あの事件が起きた日の光景がフラッシュバックした。心臓は忙しなく跳ね続け、頬は熱を孕み手で顔を覆っても隠せないほど紅潮する。メカクレを前にした際の興奮で起きる動悸・息切れとは違う症状が出た……まさか、いや、そんな馬鹿な。
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