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    T_ShioSag_N

    @T_ShioSag_N
    気ままに、二次作品書く時ある。(ポケモン)
    別でpixivにもある。そっちはほぼサトセレ。
    本格的に小説書くための別アカあり。

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    POIPOI 24

    T_ShioSag_N

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    ルサ、結婚式ネタ…というより、プロポーズが主。
    わたしが書くやつ、いつもプロポーズの方が長くなって、式が短めになるのはなぜだ笑 今回、オマケあり。

    この場でボクがもう一度ここはホウエン地方。暖かい気候が覆い、どことなくのんびりと過ごせそうなところ。
    そんなのどかな日。このホウエン地方の危機を救った2人はある場所へと訪れ、いや、久方ぶりに迷い込んだ。
    「ルビー、ここって」
    「うん、ここはマボロシ島だ」
    ルビーは辺りを見回して断言する。ここに来た時は、2人ともグラードンとカイオーガを沈めようとして、そのまま気を失い気づけばここにいた。そして、アダンと双子のフウランに会い、グラードンとカイオーガを沈めるために様々な特訓を行った。
    2人はルネシティからキナギタウンへ向かっている最中だった。サファイアの手持ち、えるることホエルオーに乗り、のんびりゆったりと会話しつつ、ルビーが自分とサファイアの手持ちのポケモンたちをブラッシングしたりと。そうしていると、途中でかなり濃い霧が道行く2人を覆い、えるるは慎重に動いていたら、ここ、マボロシ島へと到着した。
    あれ以来のマボロシ島。ここにいるのは野生のソーナノのみ。オダマキ博士の娘のサファイアとしては、このマボロシ島の生態は少し興味わくところもあり、細かなところも見てみようと島の中をルビーと共に歩くことにした。
    マボロシ島から出るには、外の時間とマボロシ島の時間の流れが一致した時。それまではここで時間を潰すしかない。
    「にしても……」
    ルビーはきょろきょろと辺りを見回す。周りには本当にソーナノしかいない。どうして、こんなにもここにはソーナノがいるのか。
    サファイアもソーナノだけとは限らないのではと思いながら、彼女のひとつの強みである目で注視していた。
    歩くこと10数分。マボロシ島の北東部あたりの崖辺りに来て、サファイアはドキッとした。思い出すのは、ルビーに告白した自分。ルネシティに飛び立つ前、ルビーへと告白した。飛び立った後もルビーの色んなところが好き、と伝えた。なのに……なのにルビーは”覚えていない”。それに、サファイアはモヤモヤしている。あんなに頑張って想いを伝えたのに、彼はグラードンとカイオーガをどうやって沈めたのかも含めて忘れたという彼。こんなにモヤモヤすることはない。
    「サファイア、どうかした?」
    「なんもなか」
    サファイアのちょったしたトゲのある返事にルビーは不思議そうな顔をしている。サファイアは心の中で溜息をつき、その場を通り過ぎようとした。……が。
    ルビーがサファイアの手を取り、その場に留まらせた。ぐいっ、と引っ張られる形になりながらもサファイアは体のバランスを整えた。
    「なんね、いきなり!」
    「サファイア、まず謝ることがあるんだ」
    ルビーの淡々とした、でも力強い声音にサファイアはピンと思わず胸を張った。
    「なんね、謝ることって」
    「ボクは忘れてないよ。あの時のこと」
    「…………は??」
    突然のルビーの告白にサファイアは、ぱかっと口を開けて呆けてしまった。だが、すぐに表情を戻して、体を震わせた。
    「なして!!今、それをゆうったい!?あたしがどれだけヤキモキしとったか、わかってゆーとったい!?」
    「ごめん、それは本当にごめん」
    サファイアの猛烈の攻めにルビーが深深と頭を下げるので、サファイアもルビーにも何か思っていることがあって、これまで黙っていたと思い、気持ちを落ち着けるために一度深呼吸した。
    「で、なして今ったい?今ここで、なし、て……」
    言葉が続かない。ルビーがサファイアに近づくと、優しくハグをしてきたから。
    「サファイア、もう一度改めて言うよ。ボクもキミのことが好きだ。小さい頃からずっと。そして」
    ルビーは体を離しつつも手はサファイアの両肩に乗せたまま、サファイアの顔をしっかりと見つめて、続けた。
    「ボクと一緒になろう、サファイア。ボクと結婚しよう」
    サファイアの脳内の処理が極端に遅くなる。言葉一つ一つを飲み込み、理解し、みるみると自分の顔が熱くなって、体の奥から何かが込み上げてくる。それが目から、涙となって溢れ出した。
    「……ルビー……ルビー……あたしとほんとに?」
    とても小さい声でサファイアは尋ねる。こうでもしないと、嗚咽が止められない。
    ルビーは目を閉じたかと思うと、左手をサファイアの頬に添えて、そっと口付けた。
    「これでどうだい?ボクの本気度、わかるかい、My Sweet?」
    ルビーの優しい目に言われ、サファイアの目は決壊した。止めどなく流れ、気持ちの爆発そのままにルビーに飛びついて首に抱きついた。
    まさか飛びつかれると思わず、ルビーは驚いてバランスは崩すものの、しっかりと耐え、彼女をしっかりと支えた。顔をどうにか上にあげれば、サファイアの涙が彼の顔にぽたぽたと落ちてくる。いつもの彼なら、何かしら嫌がってもおかしくはないが、何も言わない。なぜなら、愛する人の嬉し涙なら浴びても構わないと思ったから。
    声にならない声でサファイアは泣きながら嘔吐く。
    「るっび、えぐ、る、ひっ、びぃぃ……」
    「はは。一応聞くけど、YESでいいんだね?」
    サファイアは口に出す代わりに、首を縦に何度も大きく振った。それから、ルビーの頭をまたぎゅうっと抱き込んだ。彼女のお腹の中にまた包み込まれ、息がしづらくなり、ルビーは横に顔を向けて息をつく場所を確保する。
    「さ、サファイア。そろそろ降りてくれ。ボクの腕もさすがに」
    「うん」
    サファイアは右手で自分の涙を拭いながら、器用にルビーから左手を使って降りた。が、膝に力が入らず、すとんとその場に地面にへたりこむようにして座り込んだ。
    そのサファイアを見て、ルビーは彼女の膝と背に腕を回すと、ひょいっと担ぎあげた。いわゆる、お姫様抱っこ。それにサファイアほガチっと固まり、ルビーを見上げた。
    「なっなっ、なんばしとったい!さっき腕がってゆっとった!」
    「え?この方がいいから、わざとね」
    ウインクをして言うルビーに、また騙されたと思うと同時にどことなくほんとのお姫様気分になったサファイアは自分の気持ちがごちゃ混ぜになってるのを感じて、ルビーの肩の中に自分の顔を隠した。
    「サファイア、照れてるところ悪いけど、とろろを出して。ここから出るよ」
    「えっ、ここから?キナギタウンに行くんなら、えるるの方がよかやろ」
    「ううん。キナギタウンには行かない」
    「え?じゃ、どこにい、む」
    また唇で塞がれた。ぽあっ、とまたサファイアの頬が朱に染まり、ぽーっとなる。
    「サファイア、頼む」
    「うん……とろろ……」
    サファイアはポンっと投げて、とろろことトロピウスを出した。とろろはボールから出てくると、主人の見たことないとろけっぷりに驚いて、固まった。
    「とろろ。このまま乗るね。ボクが行き先を指示するから」
    まだポーってしているサファイアに代わり、ルビーがとろろに言う。とろろはハッとして、サファイアを抱えたルビーが乗りやすいように体勢を変えて、彼が乗ったのを確認した後、飛び立つ。
    ルビーは目を凝らし、じぃっと観察する。
    「とろろ、やや南西方向へ。とりあえず、進んで」
    ルビーの指示に従い、とろろは進む。時たま、サファイアがぽーっとした状態から戻り、しっかりととろろに座ろうとするがルビーに甘く言われたり、口付けられたりを繰り返されて、何度も骨抜き状態にされ、結局は到着までお姫様抱っこされっぱなしだった。

    マボロシ島の特有の霧が晴れて、ぱっと現れた場所は、彼らの旅の出発点、ミシロタウン。
    ルビーはとろろにサファイアの生家へと向かうようお願いした。そして、ようやく到着。
    とろろから降りて、ルビーがサファイアの腰にあるボールの中に戻す。サファイアは変わらず、ルビーの腕の中。家の中に入ると、ルビーの予想したとおり、そこにはオダマキ博士とルビーの母がいた。この2人はたまに時間が合えば、ルビーの母がお茶菓子を持ってオダマキ博士とサファイア宅にお邪魔していた。
    「誰かと思ったら、ルビーく、っておぉ!?サファイア!?どうした!?」
    オダマキ博士はルビーとサファイアに気づいて声をかけたが、サファイアがルビーの腕い中にいて顔を真っ赤にしてるのを見て慌てに慌てた。
    「ルビーくん!娘、サファイアがどうした!?何か風邪でも」
    ルビーの母も少し慌てる様子になったが、ルビーの顔を見て悟ったらしく、まぁ、と口を手で覆っていた。
    「いえ。オダマキ博士、いえ、お義父さん。ボク、サファイアと結婚することになりましたので、改めてご挨拶を」
    「……へ?」
    オダマキ博士はぽかんとしたが、サファイアとは違いすぐに言葉を飲み込み、笑顔になった。
    「おぉ!そうか!そうなのか!サファイア、よかったなぁ!」
    オダマキ博士はサファイアに言うが、サファイアはポーっとしてるだけで反応が薄い。
    オダマキ博士はそれに気づいて、娘の顔を少し手で優しく叩いた。それでも反応は薄い。
    「ルビーくん……きみはいったい何したんだ」
    「いえ、何も?彼女がただただ暴走しただけですよ」
    含み笑いしつつ答えるルビーだった。

    それから数週間後、豪華客船、タイドリップ号にてルビーとサファイアの結婚式が行われた。なぜここになったか。ルビーはサファイアがバトルフロンティアにこれで向かう際に見た結婚式を見て、船上結婚式に憧れたのを見て、決めていた。なお、サファイアの結婚ドレスはルビーの手作りになった。いろんなドレスはあったが、ルビーの「ボクのお嫁さんなら、もっとBeautifulな衣装じゃないと!」と相も変わらずの美的センスがどれもこれもダメ押しし、着地点がそこになった。で、本当にそれがサファイアらしくもあり、美しく仕上がるものだから、プランナーたちにとってはルビーの美的センスには敵わないと思わざるを得なかった。
    「ひぃぃ……なして……こんな、こんな格好……」
    本番前にもサイズ合わせのために着たとはいえ、改めて見て、サファイアは自分の格好にビビりまくっている。肩出しのドレス、胸には蒼水晶が嵌められ、淡く輝く。いつもの髪型ではなく、頭頂でまとめられて、しかも王が被るような冠まで載せられた。鏡に映っているのは自分でない気がしてならない。たが、目の前にいるのは間違いなく自分。ガチャ、とドアが開く。
    「そろそろだ、サファイア、っておぉ!それがルビーくんが仕立てたドレスか」
    入ってきたのはサファイアが師事しているナギ。ルビーはホウエン各所にいるジムリーダーや自分たちと関わりのあった人たちを呼び、手伝って貰いたい人にはしっかりと根回しして、お願いしていた。ナギはサファイアを呼びに行く役目を担っていた。
    衣装を褒められ、サファイアは恐縮しまくっていた。
    「いや、こんなんあたしに似合わんってルビーにゆったと。でも」
    「彼に言いくるめられたか」
    クスクスと笑うナギに、サファイアは気恥しさで小さくなる。そんな彼女に近づいて、ナギは背中をぽんと優しく叩いて撫でた。
    「きみたちが主役なんだ。今日はしっかりと堂々と」
    ナギの左手がサファイアの肩に置かれる。ナギのその左手には、きらり、と光る指輪がある。サファイアは深呼吸した。
    「……うん。先生、あたし、行くったい」
    「うん。さぁ、待ってるよ、彼が」
    ナギはそう言って、サファイアを先に送り出す。その背中に小さく声をかける。
    「サファイア、きみにも幸あれ」

    サファイアが式会場に到着すると、ピシッとした白のタキシード服を着て、サファイアを待っていた。彼の右胸には紅い宝石が煌々と陽の光を浴びて輝いていた。サファイアの胸の真ん中にある蒼の宝石も強く光る。
    ルビーがサファイアの手を取り、前へと導く。誓いの言葉で互いの将来を誓いあい、指輪交換を行う。ルビーからサファイアには紅い指輪を、サファイアからルビーには蒼の指輪を。互いの色。自分たちは常に最高の人と共に。紅と蒼。それはこの2人の、これまでとこれからを紡ぐ道の光だ。


    オマケ
    「うーわ……オレから見たら、うおえ〜っだ」
    エメラルドがサファイアからルビーのプロポーズの話を聞き、第一声はその言葉。それにサファイアはむっとした。
    「なんね、エメラルド。あんたが聞いてみたいってゆうとったから、あたしも話したったい」
    「あいつってなに。なんであんな気持ち悪いこと、口から出るわ、ひっ!」
    ラルドはサファイアから漏れるドス黒いオーラに、飛び上がった。
    「ふーん?あたしの旦那の悪口を言うったい?……あんた、しばらく、チビって呼ばれとうたいね?」
    「チビ言うな!いや、オレが悪いけど!」
    「なになに、どうしたんだ。外にも声が漏れてるよ」
    ルビーが2人がいる部屋に入ってきた。すぐにサファイアの元に寄ると、すぐサファイアのお腹へと手を添えて撫でる。かなり膨らんできたお腹。新しい命がここにある。結婚してから2年後、サファイアのお腹に新しい命が宿り、一度腰をおちつけることになった2人。たまにそこへラルドがやってくる。同じホウエン図鑑所有者として集まっている。
    「帰ってきたよ〜」
    ルビーは撫でながらお腹の子に声をかけた後で、サファイアを優しく抱きしめた。
    「ただいま」
    「うん、おかえり」
    さっきまでの険悪さが一瞬でもなくなり、漂うあま〜い雰囲気。ラルドは耐えられず、そこを出た。
    「結婚ね……オレにはあんま縁はないかもなぁ」
    ラルドは呆れつつ、興味無さそうには言うものの、あの2人は本当に幸せになって欲しい、そんな思いもあることは否定はせず、ゆっくりとその場を後にした。
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