転生もの。その時は唐突に訪れた。
【タイトル未定】
ぱき、と思いの外軽い音だったような気がするし、全身に響く音だったような気もする。
誰かが叫んだ。
自分かもしれなかった。
白い光に包まれ、その意識は途絶える。
一隊六振りで構成された面々は皆どこかしらに怪我をして、ギリギリの状態で進軍をしていた。
不意を突いて出てきた遡行軍と対峙し、最初に折れたのは隊長で先陣を切っていた南泉一文字、そしてその次に折れたのが南泉の少し後を追っていた山姥切長義。
呆気ないものだった。
二振りが致命傷を負い、その後少しの間だけ意識があったらしい。
倒れた南泉のところに崩れるように長義が倒れ、少し言葉を交わした。
「敵討ち、してやったよ」少し笑った長義に、同じように笑った南泉は「ばーか」と言っていた、そう語ったのはすぐに駆け寄った短刀だった。
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