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    rara_wcat

    SS進捗や二次短歌の下書きのスクショなどの置き場。絵は殆どないし下手絵だけです。

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    rara_wcat

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    黒玉アスのSS。1000字未満の習作。
    黒玉ちゃん湯たんぽ代わりになったらいいなって妄想

    ##SS

    寒い夜にて[黒玉アス] その日はとても寒い夜だった。

    「今夜は冷えるようですね」

     アストルは野営の準備をしながら黒いガーディアンに話しかける。

    「ピロ、ピー」

     ガーディアンは焚き火に薪をくべながら相槌を打つように電子音を鳴らす。
     アストルは火にかけた携帯用の小さな料理鍋にフレッシュミルクを注ぎ、乾燥させたポカポカハーブの粉末を振り混ぜる。ピリ辛ホットミルクを作り、体を温めて床に就こうとしているようだ。

     しばらくして熱々のホットミルクが出来上がり、アストルはそれをちびちびと飲み始める。

    「む……」

     だが彼の表情は固い。

    「ポカポカハーブだけでは足りぬか……」

     もう一段階強い耐寒効果を得たかったが、ポカポカハーブだけでは足りなかったようだ。 
     湯たんぽのようなものがあれば良かったがあいにく持ち合わせていない。

    「どうしたものか」

     アストルは腕を組んで考え込む。
     今からもっと暖が取れるものを探しに出るには日が落ちている。それなら寒さに耐えながら寝ずに夜を明かすのが懸命だと結論付けた。

    「ピー…」
    「ガノン様……?」

     黒いガーディアンはおもむろに脚でアストルの細い指を器用につかみ、自分の機体に這わせる。機体は仄かに温かく、一緒に寝袋に入れば震えずに眠れそうだ。

    「ピーピー!」

     このガーディアンは、どうも自分を湯たんぽ代わりに使えとアストルに言いたいようだ。

    「し、しかし貴方様を煩わせる訳には……」

     だが彼は唯一崇める主にそんな事はさせられないと頑なだ。

    「ピポー!」
    「うぁっ…!」

     頑固者の占い師にうんざりしたのか黒いガーディアンは彼の薄い胸元目掛けて飛びかかる。

    「が、ガノン様っ、お戯れも程々に…!」
    「ピルピルピルピル……」

     アストルも抵抗するが、力の強い黒いガーディアンを押しのけるには至らない。

    「分かりました、分かりましたから! 貴方様の言われた通りにいたしますから!」

     渋々寝袋に入るアストルの胸元に黒いガーディアンが滑り込んでくる。その様子はまるで大きな黒猫のようだ。

    「ピポポ♪」
    「全く……今日だけですからね」


     ◇ ◇


     その日はとても寒い夜だった。
     だが黒いガーディアンの暖かな機体のおかげでアストルは寒さを感じることなく眠りにつくことが出来たのであった。
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