あの子と僕/ミファーの気持ち[リバミファ]「あの時、貴方が私の事を好きなんだって分かって正直戸惑ったけど嬉しかったの」
僕の家で少しだけ痩せたミファーは絞り出すようにそんな事を呟く。
「怖かったの。好意を断るという行動が」
「好意を断る行動?」
「うん。リンクに振られた時、すごく辛かった。でもリンクも同じ位辛そうな顔で……相手の想いを拒絶するってお互い辛い事なんだなって」
「それであの時僕と付き合おうってなったの?」
僕の言葉にお姫様の肩が微かに揺らぐ。
「……それは違う。怖さは確かにあったけど、それよりも貴方の好きって想いがどんなものなのか、知りたかったから」
「じゃあ僕はあいつの代わりって訳じゃ…」
「……信じてもらえないのは分かってる。でも、違うの。貴方の想いを前向きに捉えたかっただけなの」
「……」
「貴方の想いは風みたいだった。重みはないのに確かにそこに強く"在る"……。それがすごく心地良かった」
「風……」
「正直言うと、リンクが好きな私もまだいると思う。それでも私、貴方の事がもっともっと知りたい。貴方の風を、戦い方を、素の貴方を」
それはもう既にただの興味の域を逸脱した感情だが、お姫様は気付いていないようだった。
「……やっぱり、ダメだよね。こんな都合が良い話」
「ミファー……」
ダメなワケ、ない。なのに言葉が追いつかず名前を呼ぶことしか出来なかった。
「お父様には私から言っておく。貴方には絶対に迷惑をかけないようにするから」
「ま、待ってよミファー…!」
今にも家から出ていきそうなミファーの肩を思わず掴もうとするがスルリと逃げられてしまった。
「さようなら、リーバルさん」
ミファーはそれだけ言って僕の家を飛び出した。その目には溢れそうな涙が浮かんでいた。