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    somakusanao

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    somakusanao

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    いきおいで書きました。マブだろ!

    いっしょに地獄へ落ちようぜ 乾青宗は普通の男である、とワカは判断していた。
     不幸な生い立ちであるため、独特の雰囲気があったし、群を抜いた美形でもある。喧嘩も強い。
     けれどけして強烈なカリスマの持ち主ではない。普通の男だと思っていた。抗争中の青宗と九井一に会うまでは。

    「おれたちマブだろ!」

     ここまではいい。不良にだって友達はいる。むしろ不良だからこそ心をゆるした親友はいる。親友同士が敵対したチームにいることはよくあることだし、仲間になるよう説得することもありうることだ。九井が青宗の説得に心を打たれ、東京卍會側になるのも予想の範疇だった。
     九井は改心の理由を長々と熱弁していたが、そこはよく聞こえなかったし、彼らの家庭事情は察するところはあっても詳細は知らないので、割愛するとして。

    「オレは赤音さんを忘れる」

     なんでだよ。忘れなくてもいいだろう。

    「こんどこそオレがオマエに尽くしたい」

     親友ってなんだっけ。   

    「いっしょに地獄へ落ちようぜ」

     マブっていっしょに地獄へ落ちるものだっけ……。
     傍らのベンケイもおなじような、不可解な食べ物を生れてはじめて口にしたような、顔をしていた。九井一、激重すぎる。なるほど関東卍會の参謀にして金庫番。一筋縄ではいかない男だ。

    「青宗、オマエ、とんでもねぇ男に惚れられたな……」

     のちに青宗自身に聞いたところ「オレもココのために命をはれる」そうだ。なるほどなるほど。破れ鍋に綴蓋。似た者同士。なるほどこれがマブか。さすがマブ。

     乾青宗は普通の男であるが、九井一が関わると厄介な男である。とワカは判断を改めた。




     
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    somakusanao

    DONEパラレルです。タケミっちがイヌピのお嫁さんになるパラレルですが、ココイヌです。パラレルなので、書きたい放題です。たぶんバジさんをはじめて書きました。たのしいです。
    思った以上にタケミっちの話になってしまった。
    かみさまのくに 川端康成の有名な小説の書き出しに「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」とある。オレが鳥居をくぐり抜けたら、そこは神様の国だった。
     オレもね、おかしいなと思ったんだよ。こんなところに鳥居なんてあったっけ?って。
     そのときオレはバイトに遅刻しそうになって、携帯片手に走っていた。30分にタイムカードを押さなきゃいけないのに、携帯が示す時刻は27分。ちなみに職場まではバスに乗って20分。バス停にすら辿り着いていない。どうやったって無理だ。どこでもドアでもない限り無理だ。そんなオレの目の前に飛び込んできたのが鳥居だった。こんなところに鳥居なんてあったっけ?

    「あ、しまった」

     鳥居に気を取られたせいか、オレの手から携帯がすっぽ抜けて、鳥居の奥に飛んでいった。今日日、携帯がないとなにもできない。遅刻の連絡さえできない。オレは慌てて携帯を取りに行った。携帯しか見ていなかったから、鳥居をくぐり抜けたことに無自覚だった。
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