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    6億煎じのココイヌ吸血鬼パロ(全く意味不明な話)
    書きたいところだけ書いてます。

    #ココイヌ#吸血鬼パロ

    『満月は今夜』ココイヌ 吸血鬼パロ
    ※謎軸(不良でない)、ココが行方不明になっている、イヌピーは一人暮らし設定。

     幼馴染であった九井が姿を消してから早十数年、乾は今日でめでたく十六の歳を迎えた。何故、九井は姿を消したのか。居なくなった当時は神隠しや誘拐だの世間は騒ぎ立てて居たのに今では誰もが忘れてしまっている。乾だけが今も彼を想い、密かに探しているのだがさっぱり消息は掴めなかった。

    乾は今日も九井が当時よく姿を見せていた店などを回っていた。当たり前だが十年以上の月日が流れた今、手掛かりなどはなく何も収穫を得れずに帰路に着いた。
    家に着くと自室のサイドテーブルのランプが灯っていた。確かに消していたのにー…。
    そう思いながら、ランプの明かりを消そうと近づくとサイドテーブルにカードが置かれているのに気付いた。
    【Happy birthday】とカードに書かれた文字に鼓動が大きく揺れた。見慣れた筆跡は九井の物だ、乾は確信した。しかし何故、部屋に?
    どうやって九井は入ったのだろうか。今まで九井は何処にいたのだろうか。疑問は次々と乾の頭を駆け巡る。しかし、乾には一つも答えは分からなかった。

     バサバサと窓の外から音がした。
    驚いて窓の方を見ると数匹の蝙蝠が外を舞っていた。この辺では普段見ない蝙蝠に乾は何か不気味なものを感じた。
    部屋には乾がゴクリと鳴らした喉の音が響いた。

    結局、カードの謎も九井の事も何も分からないまま夜は更けていった。乾は入浴を済ませ、自室の扉を開いた。
    月夜に照らされたベッドに誰か腰を掛けていた。乾はその光景に驚きこそしたが、何故か当たり前に感じた。
    ベッドに腰を掛けて居たのは九井であった。

    『ココ…』
    『イヌピー、誕生日おめでとう』
    『お前、今まで何処に…』
    『待ってたんだよ、今日を。』
    『…え?』
    『待ち侘びたよ…。本当に…十六歳の誕生日おめでとう、イヌピー』
    月の光に照らされた九井の顔は幼き日の面影こそあるが、青白く生気が全く感じられなかった。ベッドからこちらに歩んでくる九井に自然と足が後ずさる。
    バタンっと自室の扉がいきなり閉まった。いきなりの事に乾は驚き、必死にドアノブを回した。が、扉はうんともすんとも言わずにただガチャガチャと虚しい音だけがした。

    首にひんやりとした感触が纏わりつく。恐る恐る視線を下げると九井の指が首に纏わりついていた。まるで死人のような冷たい体温に乾は冷や汗を流した。
    『ココ…?』
    『はぁ…良い匂いがする。待ってたんだよオレはこの瞬間を』
    『な、にを…』
    フゥっと耳に息をかけられたかと思うと、乾の身体は硬直し動かせなくなった。声も出せない乾はそれでも必死にパクパクと口を動かした。しかしそれは何の抵抗にもならなかった。
    九井の冷たい舌が乾の首筋を舐め上げる。その感触に乾は身体を震わせた。
    『甘い…』
    九井はそう言うと口をゆっくりと開けた。その開けた口からは人間のものとは思えない鋭い牙が二本垣間見えた。
    プツリとその牙が乾の首筋に刺さる。見る見るうちに血が流れ出すのが乾は分かった。
    ジュルジュルとその血を九井が啜る音が部屋に響いた。

     幾分経ったのだろうか。吸われているうちに乾の吐息は呻きから甘い声に変わっていた。
    『ハァ…あっ、んん…』
    『イヌピー、血吸われて気持ちいいの?』
    『そ、んな事は……あっ!』
    一際強く吸われ、乾は甲高い声を上げた。九井はその声を聞いて満足げな笑みを浮かべた。
    『ご馳走様』
    そう九井の声がした途端、乾の硬直した身体は力が抜け、その場に崩れ落ちた。
    『ハァハァ…ココ?』
    そう振り向いた乾だったが、そこには九井の姿は無かった。
    乾は床に小さなカードが一枚、落ちているのに気づいた。

    【また満月の夜に】

    そう書かれたカードを乾は見つめ、首元を押さえた。あれだけ血を流したはずの首筋に跡らしき物はなく痛みもない。
    ただ、甘美な感触だけが乾の中に残っていた。

    end.
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    Lemon

    DONE🎏お誕生日おめでとうございます。
    現パロ鯉月の小説。全年齢。

    初めて現パロを書きました。
    いとはじイベント参加記念の小説です。
    どうしても12月23日の早いうちにアップしたかった(🎏ちゃんの誕生日を当日に思いっきり祝いたい)のでイベント前ですがアップします。
    お誕生日おめでとう!!!
    あなたの恋人がSEX以外に考えているたくさんのこと。鯉登音之進さんと月島基さんとが恋人としてお付き合いを始めたのは、夏の終わりのことでした。
    一回りほどある年齢の差、鹿児島と新潟という出身地の違い、暮らしている地域も異なり、バイトをせずに親の仕送りで生活を送っている大学生と、配送業のドライバーで生活を立てている社会人の間に、出会う接点など一つもなさそうなものですが、鯉登さんは月島さんをどこかで見初めたらしく、朝一番の飲食店への配送を終え、トラックを戻して営業所から出てきた月島さんに向かって、こう言い放ちました。


    「好きだ、月島。私と付き合ってほしい。」


    初対面の人間に何を言ってるんだ、と、月島さんの口は呆れたように少し開きました。目の前に立つ青年は、すらりと背が高く、浅黒い肌が健康的で、つややかな黒髪が夏の高い空のてっぺんに昇ったお日様からの日差しを受けて輝いています。その豊かな黒髪がさらりと流れる前髪の下にはびっくりするくらいに美しく整った小さな顔があり、ただ立っているだけでーーたとえ排ガスで煤けた営業所の壁や運動靴とカートのタイヤの跡だらけの地面が背景であってもーーまるで美術館に飾られる一枚の絵のような気品に満ちておりました。姿形が美しいのはもちろん、意志の強そうな瞳が人目を惹きつけ、特徴的な眉毛ですら魅力に変えてしまう青年でした。
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