といえ「おいと といえ すっ?」
ソファからぴょこりと頭を出して首をことりと傾けた幼児にそう問われ、月島はしばらく考えて(トイレする…つまり連れションのことか…?)と独り合点した。
まだ小さい子だ、大好きな兄の友達として随分慕ってくれてしきりと名前を呼んでくれるが「月島」が「ちゅきちま」になりがちな子だ、しかも名前が四文字なのも長くてつらかったのか最近は「ちゅき!」と省略してくるぐらいだ、ラ行の発音にはまだ早いのだろう。
いつもの通りまるい目をくるくるとさせてソファの向こう側からぴょこぴょこと跳ね元気そうに見えるけれど、もしかすると背伸びして怖い絵本でも見てしまって一人でトイレに行くのが怖いのかもしれない。
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