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    nnsn_neta

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    ミチフィガ

    ※未読ストエピあります
    ※死ネタ

    #ミチフィガ

    逆転 歳を取り、ボクは随分とお酒を飲む様になった。人には言えない薬もたまに注射する。そうしてぼんやりと見えてくる先生に向かって、泣いたり、笑ったり、喚いたりするのがボクの日課だ。自己分析してみれば頭が変な人のようだけど、実際先生の魂はボクにしか見えないのだからしょうがない。お酒や薬の力でうまくトランスに入った時だけ、ボクは先生の魂と会話ができる。ボクがもっと強い魔法使いであったら、もっと他にやり方があるのだろう。でもボクにはこれしかなくて、先生にはいつも哀しい顔をさせてしまう。今日も今日とてボクは浴びるようにお酒を飲み、呪文を唱える。空中に滲み出て来る先生は、空になった酒瓶を見て眉を下げる。
    「ミチル、もうやっちゃダメって言ったよね」
    「て゛、せ゛せ゛~゛!」
    「ああほら、泣かないの、いやこれは俺が悪いのかな……」
    「ミチル、深酒は健康に悪いんだからね」と、ボクはいつか聞いたことがあるようなセリフで窘められる。言われる方になって初めてわかるけど、大好きな人に心配されるのは中々心地よくて、癖になってしまいそうだ。ボクはますます泣き喚く。そうすると先生は「これじゃあいつまで経っても成仏できないなぁ」というので、ボクは嬉しくなってめちゃくちゃに笑う。これが泣いたり笑ったり喚いたりの内訳だった。先生だって満更でもなさそうであるし、これはこれでボクたちは幸せだ。
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    MOURNING去年書いたミチフィガ
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    まだ厄災と戦ってる
    魔法舎の裏手にある庭園のベンチで二人、静かに並んで座っている。風がすこし肌寒く感じはじめる季節になった。
    ミチルはそっと、フィガロの手を握った。
    存在を確かめるように優しく、それでいて何かを求めるように力を込めて指を絡ませた。
    フィガロは絡んだ指先にほんの僅かに身じろいだだけで指先はそれ以上動かなかった。どうすればいいのか分からなかったのだ。
    握り返してはくれないんですね、とミチルがぽつりと呟いた。その横顔を盗み見ようと顔をあげると悲しそうに寂しそうにこちらを見つめる瞳と目が合った。しかし言葉は続かなかった。お互いに探るような瞳で見つめあったまま不思議で静かな時間が流れた。
    フィガロは柳色の綺麗な瞳を見つめながら考える。彼は欲しいと言えばくれるのだろうか。願えば叶えてくれるのだろうか。薄い皮のすぐ内側で、ひりつくほど欲しているくせに何も出来ないでいる。彼のことも自分のことさえも信じられないでいる。力があって人望もあって権力もあってこんなにも強いのに愛の前ではこんなにも無力で不確かで曖昧で、弱い。本当に握り返してもいいのかと往生際悪く戸惑っている。ふと、彼の瞳に映る自身が欲を含んでいる表 799

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