ユノスケ☆quiet followMOURNINGとにかく甘やかされてる千空と甘やかしてるゲンですゲン視点。内容はない… ここ数日、どうやら千空ちゃんは寝ていなさそうだった。若いから何日か寝なくても平気なのかもしれないけど、昼はカセキちゃんやクロムちゃんと科学工作してるし、夜は設計図に書き込んだり計算したりしてるし、ずーっと何かしている。日に日に目の隈ができていく様子をただ見ているのも、流石に辛くなってきた。と言うわけで、ちょっと息抜きしたら?と天文台へ半ば強引に連れてきたのだけど、案の定目の前の科学少年は不機嫌そうだ。「用があるならさっさと言え」「そう言うと思った。じゃあ望遠鏡覗いてみてね」「さぞかしいいモンが見れんだろうなぁ?」「さぁ、どうかな〜?」言われるがまま、千空ちゃんは望遠鏡を覗いた後、小さく肩を揺らした。「おー、銀河か。まあ冬は見えにくいんだが。今日は新月だからよく見えるな」「天の川ってきれいだよね〜。俺こんなの見たことなかったよ、ここに来るまでは」「こっちは100億回見てるわ」ぶっきらぼうに話すけど、望遠鏡から目を離さない。まるで新しいおもちゃを貰った子供みたいだな、と思う。「今日はここから更に、綺麗なものを見せちゃうよ」「そら大層なこった」ククク、と挑発的に笑う姿は文明や人類を救うと言う壮大で美しい理念を掲げているとは思えない。どちらかと言えば人類を滅ぼしそうだ。でも、俺は知っている。その瞳がいつだって人の力を信じていることを。その小さく荒れた手がどんな人の手も振り払わないことを。その擦りむけた足が人を守るために動き回っていることを。そんな君に、俺ができることなんてこの天の川の一粒みたいに些末なことだ。「今から星を降らせます」「?」何言ってんだ、と千空ちゃんが望遠鏡から目を離して、俺の目を見た。「いつも頑張ってる天才科学少年に幸あれ〜♪」空に向かって大きく両手を広げる。無数の煌めきが広がって、千空ちゃんの瞳もきらきらと輝いた。「…これはどういうつもりだ…」「あぁこれ?前お化粧で使ってたやつ余ってたから使えるかなーって。きれいでしょ」そう言って笑いかけると、千空ちゃんは何故か俺から少し視線を外した。それにしても全然驚かないよね。もうちょっと目を見開いたりしてくれてもいいのに。もう慣れたけど。千空ちゃんが服を叩く度に緩やかに吹く風に乗って、少しずつラメが遠くへ飛んでいく。髪の毛にも想定以上にラメがついていることに気づいて、俺は笑いを噛み殺しながらそれを伝える。「…千空ちゃん、メンゴ」「ぁ?」鬱陶しそうに聞き返されるけど、それどころじゃない。かなりシュールなので笑いたい。でも笑ったらめちゃくちゃ怒るだろうなぁ。「髪の毛にゴイスーにラメついちゃった。ゴージャスになってる」「テメー覚えてろよ…」千空ちゃんが髪の毛を乱暴に掻き乱すようにすると薄暗い展望台にふわりとラメが漂う。どちらかといえば、俺の方が綺麗な光景を見てしまっている。「メンゴメンゴ!!」「顔が笑ってんだよ」「ぶ、くく、メンゴね」近づいて、くせ毛についたラメをわしわしと払うと、まだ落ちきれていない細かい粒子が舞う。あぁ、本当に光を放っているようだな。千空ちゃんといれば、こんな眩しい世界を見続けていられるのかもしれないと目を細める。でも、たまには息抜きしてくれたらいい。その場所はどこだって、誰だって良いんだけど、俺だったならこの上なく光栄だ。そう思って、軽くハグをして、薄く心許ない背中をぽんぽんとあやすように叩いた。千空ちゃんがひとりひとりにそう思うように、君もかけがえのない存在だよ、と。「…おい、なんだこれは」「もしかして恥ずかしくなっちゃった?」「ちげーわバカ」「気持ち悪りぃ、ね」「よくわかってんじゃねーか」そろそろ殴られるかもしれないと思ったので、少し体を離してその肩に手を置く。「千空ちゃんの作業効率下がるとどんどんスケジュールがずれ込むから今日は寝ないとね」「言われなくてもそうするっつーの。テメーには明日スペシャルメニューをお見舞いしてやる」「え〜…」仕方ないか。結局怒らせたしね。そう思いながら地面に落ちた煌めきを拾う。後片付けがなかなか大変だな。そう思っていたら、上から千空ちゃんの低い声が落ちてくる。「と思ったが、明日は特になんもなかったわ。スペシャルメニューはまたいつかってとこだな」「…そう、なんだ?」「ぁ。テメーもせいぜいさっさと片付けて寝ろよ」「あ、うん、おやすみ〜」挨拶は返されないまま、千空ちゃんはあっという間に出口へ歩いていってしまう。怒られるか呆れられるかの2択かなと思っていたのに、そのどれでもない。それを指摘したら1週間は口をきいてもらえなさそうだから言葉にするのはやめたけど、あの時耳が赤く染まっていたのは、きっと気のせいじゃない。その姿を何度も思い返しながら、俺は暫く喉を鳴らして笑っていた。Tap to full screen .Repost is prohibited Let's send reactions! freqpopularsnackothersPayment processing Replies from the creator Follow creator you care about!☆quiet follow ユノスケDONE汁フェス2021開催おめでとうございました!エロくないけどべっとりしてます。色々変だけど雰囲気で察してください。全年齢のえちおねを目指した…つもり…漫画史に残る名台詞、これが言えるのはゲンしかいないと思った。笑「千空ちゃん、ちょっと休憩しない?」そう言って姿を現したゲンの手には鮮やかな橙色のオレンジが2つ。千空はまじまじとそれを見た。「オレンジなんて生えてんのか。3700年の間で色々おかしくなってんな」「まあまあ、そういうことは置いといて。スイカちゃんが採ってきてくれたの」「これ、頑張ってる千空に差し入れなんだよ~!」と喉に手を当てて声を変えたゲンに、「声帯模写やめろ」と千空が眉を寄せる。ゲンはお構いなしに隣へ腰を下ろし、1つを千空へ手渡した。手のひらに収まるくらいの大きさだが、ずしりと重い。親指に力を入れて皮を剥くと、一気に柑橘の清々しい香りが漂った。「ん~ゴイスーいい匂い!美味しそう!」そう言ってゲンはオレンジを丸かじりした。ぐじゅ、と実が押し潰されてはじける音がする。持っていた手に汁が纏わりつき、指が光で反射して白く光沢を帯びていくのを千空はじっと見ていた。ゲンはその視線に気づいて小首をかしげる。「なに?」「…いや、不味かったら食べたくねーから、テメーの反応見てから食おうかと」「俺に毒見させたってわけね…大丈夫、フツーに美味しいよ」ゲンは苦笑して 2080 ユノスケTRAINING好きと言って欲しいゲンの話ワンライ(という名の1時間半)そして一人称練習。かっこよく好きという千空は居ない。全体的に薄い。ただのバカップル風味。「はぁ〜」 今日も今日とて地獄の地道ドイヒー作業中。俺は深い溜息を零した。 もちろんこの尋常じゃない単純作業の応酬に対してもそうなのだが、どちらかと言えばもう一つの悩みに関してだ。「言葉が欲しい…」 千空ちゃんとお付き合いを始めてからそれなりに月日が経った。 俺自身は早い段階から自分の気持ちに気づいていたからコントロールはしていたと思うけど、千空ちゃんから同じ想いを伝えられた時にはついに都合のいい幻覚を見るようになったのかと自分の精神状態を心配したほどだ。しかし、どうやらそれは真実らしかった。それは幸せなことではあるんだけど。隣でしかめっ面をしながらロードマップを書いている千空ちゃんを少し睨んでみる。俺の視線に気づいたのか、千空ちゃんの強い瞳がこちらを向く。「なんだ」言って欲しい。「好きって言って欲しい」そう、千空ちゃんに言われたことがないのだ。好きだと。「いきなり何言ってんだテメーは」千空ちゃんは思いっきり怪訝そうな顔をして、それだけ言って視線をロードマップへと戻す。わかってたけど、ジーマーでどうでもよさそうだね。「千空ちゃん、俺と一応 2277 ユノスケMOURNINGとにかく甘やかされてる千空と甘やかしてるゲンですゲン視点。内容はない…ここ数日、どうやら千空ちゃんは寝ていなさそうだった。若いから何日か寝なくても平気なのかもしれないけど、昼はカセキちゃんやクロムちゃんと科学工作してるし、夜は設計図に書き込んだり計算したりしてるし、ずーっと何かしている。日に日に目の隈ができていく様子をただ見ているのも、流石に辛くなってきた。と言うわけで、ちょっと息抜きしたら?と天文台へ半ば強引に連れてきたのだけど、案の定目の前の科学少年は不機嫌そうだ。「用があるならさっさと言え」「そう言うと思った。じゃあ望遠鏡覗いてみてね」「さぞかしいいモンが見れんだろうなぁ?」「さぁ、どうかな〜?」言われるがまま、千空ちゃんは望遠鏡を覗いた後、小さく肩を揺らした。「おー、銀河か。まあ冬は見えにくいんだが。今日は新月だからよく見えるな」「天の川ってきれいだよね〜。俺こんなの見たことなかったよ、ここに来るまでは」「こっちは100億回見てるわ」ぶっきらぼうに話すけど、望遠鏡から目を離さない。まるで新しいおもちゃを貰った子供みたいだな、と思う。「今日はここから更に、綺麗なものを見せちゃうよ」「そら大層なこった」ククク 2064 ユノスケMOURNING雨がすごかったので。突然始まり突然終わります。曇天がどこまでも広がっていた。独特の湿気た匂いがゲンの鼻を掠める。村の住人は外での作業をやめ、足早に屋内へと入っていく。賑やかだった音がひとつまたひとつと消え、やがてひとりの男だけが残された。間もなく降り出した雨は、地面を黒く染め上げていった。柔らかく落ちていく霧雨に包まれる感触は悪くない。どうせ手に入らない温もりを待っているよりは余程マシだと思った。さらさらと心地のいい雨音だけが広がり、世界にひとりだけしかいないような気持ちになる。寂しさを感じると同時に、不思議と気持ちが高揚する。いつもよりも広い歩幅で、踊るように足を踏み出せば、湿り出した地面は体の重みを受け止めきれずに少し沈んだ。そうして吸い寄せられるようにゲンが向かった先は、灯りが漏れていた。後頭部を掻きながら、紙に筆を走らせている音が耳へ届く。霧雨はやがて重みを増し、地面を叩き白く跳ねた。髪を伝う水滴を気にも止めず、ゲンはその後ろ姿を見つめていた。人類を救い文明を復興させると豪語する背中は、か細く幼い。本当だったらまだ守られていたはずなのに、とてつもなく重い荷物をひとりで背負っている。そう思 1593 ユノスケDONE千ゲばれんたいんねたこんな話100億万回見た…「千空ちゃんみーっけ」雪がちらつく冷え切った夜。ラボで作業をしている千空の耳に、ゲンの軽い声が届いた。千空は特に反応もせず薬品をフラスコへ入れて混ぜている。ゲンは千空の隣へするりと滑り込むように来てその様子を見ると、唇を尖らせた。「なんか言ってよ〜」「生憎反応してる暇もないもんでな」千空は仏頂面でそれだけ伝えるが、ぶっきらぼうな態度に慣れっこのゲンは意にも介さない。「今日はバレンタインだよ〜?」「ドラゴは溜まったか?」「順調に儲かってまーす」「そこは抜かりねぇな」「もちろん」悪い顔をした2人の目が合う。ゲンは何もないことを証明する為に両手を千空へ広げて見せ、くるりと手首を回し、また手を開いた。その瞬間、紙幣が両手いっぱいに溢れ出し、床へひらりひらりと舞い落ちる。「クク、テメーならインチキで大金持ちになれそうだわ」「ゴイスー人聞き悪いなぁ」クスクスと笑いながら、ゲンは落ちた紙幣を拾い服の袖にしまった。イベント独特のふわふわとした高揚感は、この空間においては微塵も感じられない。ゲンは無色透明な液体がフラスコの中で渦を作っている様子を見ながら 2532