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    ユノスケ

    @iaosngn_dcst
    多分千ゲの小話しかないです。

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    ユノスケ

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    汁フェス2021開催おめでとうございました!

    エロくないけどべっとりしてます。色々変だけど雰囲気で察してください。
    全年齢のえちおねを目指した…つもり…
    漫画史に残る名台詞、これが言えるのはゲンしかいないと思った。笑

    「千空ちゃん、ちょっと休憩しない?」

    そう言って姿を現したゲンの手には鮮やかな橙色のオレンジが2つ。
    千空はまじまじとそれを見た。

    「オレンジなんて生えてんのか。3700年の間で色々おかしくなってんな」
    「まあまあ、そういうことは置いといて。スイカちゃんが採ってきてくれたの」

    「これ、頑張ってる千空に差し入れなんだよ~!」と喉に手を当てて声を変えたゲンに、「声帯模写やめろ」と千空が眉を寄せる。ゲンはお構いなしに隣へ腰を下ろし、1つを千空へ手渡した。手のひらに収まるくらいの大きさだが、ずしりと重い。
    親指に力を入れて皮を剥くと、一気に柑橘の清々しい香りが漂った。

    「ん~ゴイスーいい匂い!美味しそう!」

    そう言ってゲンはオレンジを丸かじりした。ぐじゅ、と実が押し潰されてはじける音がする。
    持っていた手に汁が纏わりつき、指が光で反射して白く光沢を帯びていくのを千空はじっと見ていた。ゲンはその視線に気づいて小首をかしげる。

    「なに?」
    「…いや、不味かったら食べたくねーから、テメーの反応見てから食おうかと」
    「俺に毒見させたってわけね…大丈夫、フツーに美味しいよ」

    ゲンは苦笑して食べるように促した。千空もそのままオレンジを齧る。想像していたよりは甘く、ほろ苦い。水分が口腔内に広がっていく。

    「思ったよりイケんな」
    「でっしょ~?スイカちゃん様様だね」

    また一口ゲンが口に頬張ると、じゅ、と水音が鳴る。溢れ出した果汁が口から零れて、それを指で拭おうとするが拭いきれず、顎のラインを沿っていくように水滴が流れていった。

    「バイヤー、服に付いちゃう」

    そういいながらも全く切迫感がない様子で、ゲンはいつもは隠れている首元の紐を緩め、空いている手で襟首を広げた。白い喉仏が日に晒される。千空はぐっと息を詰め、口の中に入っているオレンジを飲み込むことで熱くなりそうな身体をやりすごす。
    ゲンの濡れた指先が首から顎へと進んでいく。やがて赤く薄い唇に触れると、現れた長い舌が指を絡めとり、ちゅう、と音を立てた。

    「…テメー誘ってんのか?」

    千空は大きく舌打ちをして、ゲンの項に手を回して強く引き寄せた。
    果汁が滴る首筋に舌を這わすと、ゲンの肩が跳ねる。

    「んっ、ふ…」

    指を咥えたままで漏れ出る声は、湿り気を帯びている。千空はゲンの喉仏に舌を押し付け、強く吸い上げた。

    「ひぁ、んん」
    「甘…」

    砂糖を塗ったように甘い体が唾液と果汁でべとついている。ゲンの顔を見上げれば、ゲンも千空を薄目で伺っている。頬は赤みが差し、目は潤み始めていた。千空は口に入ったままのゲンの手を掴み自分の指と絡める。泥濘のようにぬめっていて、それだけで背筋が粟立つのを感じた。噛みつくように唇を合わせれば、ゲンの中はどこもかしこも甘くて苦くて熱い。

    「ふ、はっ…ん、ん、ん」

    繋いだ指先に力がこもるが、ぬるついてずるずると滑り、互いの指を扱いているような感覚が脳を襲う。千空がゲンの舌を吸い上げれば、ひくひくとうねるように舌先が動いた。
    唇を舐めゆっくりと顔を離す。ゲンは呼吸を荒げ、肩を上下させていた。熟れたオレンジの香りが濃くなっていく。

    「はは、結局ベトベト…」
    「テメーが悪い。無意識なんだろうが質が悪すぎんだよ」

    咎めるように鼻先を甘噛みすると、ゲンは「痛っ」と小さく悲鳴を上げてばっと身体が離れる。千空はその反応に満足すると、半分ほど残っているオレンジを口に含んだ。
    ゲンはそんな千空を見てはぁ、とため息を吐く。まだ濡れている唇がゆっくりと開いた。

    「千空ちゃん」
    「?」

    口の中には甘酸っぱい水分が噛むごとに溢れてくるのに、何故か喉が渇く。
    呼ばれた声に眉を寄せたまま顔を上げれば、ゲンが目を細めて妖しく微笑んでいた。

    「わざとだよ、」

    その言葉に、ごくりと千空の喉が上下する。温い果汁が食道から胃へと流れていくが、味も香りも感じなくなってしまった。押し黙った千空を見て、ゲンは仮面を被ったようにいつもの表情に戻り、ぱっと顔の前で両手を広げた。

    「…なーんて、ねッ…!?」

    ゲンが言いかけた言葉は、千空のクソ、という悪態とともに飲み込まれた。
    千空はゲンの丸い後頭部を手繰り寄せ、その口腔内に舌をねじ込む。髪の毛をぐしゃりとかき混ぜられて、ぞくぞくと甘い痺れがゲンの身体に走った。

    「ぁふ、せんく、ちゃ」

    酸素を取り込もうとしても、唾液とオレンジの汁がぐじゅぐじゅと混ざる音が耳に響くだけで上手くいかない。飲み込み切れないそれがゲンの首筋を更に汚した。溺れてしまいそうな感覚に、ゲンは千空の胸元を強く掴む。唇が離れ、千空のざらざらとした舌が全てを覆うようにべろりと顎を舐める。赤い目はゲンを真っすぐに射抜いた。

    「どうなっても知らねえからな」

    押し倒されていくスローモーションの中で、千空の手から落ちたオレンジから垂れる果汁が床に黒く染みを作っていくのを、ゲンは快感に支配され始めた頭でぼんやりと眺めていた。
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    ユノスケ

    DONE汁フェス2021開催おめでとうございました!

    エロくないけどべっとりしてます。色々変だけど雰囲気で察してください。
    全年齢のえちおねを目指した…つもり…
    漫画史に残る名台詞、これが言えるのはゲンしかいないと思った。笑
    「千空ちゃん、ちょっと休憩しない?」

    そう言って姿を現したゲンの手には鮮やかな橙色のオレンジが2つ。
    千空はまじまじとそれを見た。

    「オレンジなんて生えてんのか。3700年の間で色々おかしくなってんな」
    「まあまあ、そういうことは置いといて。スイカちゃんが採ってきてくれたの」

    「これ、頑張ってる千空に差し入れなんだよ~!」と喉に手を当てて声を変えたゲンに、「声帯模写やめろ」と千空が眉を寄せる。ゲンはお構いなしに隣へ腰を下ろし、1つを千空へ手渡した。手のひらに収まるくらいの大きさだが、ずしりと重い。
    親指に力を入れて皮を剥くと、一気に柑橘の清々しい香りが漂った。

    「ん~ゴイスーいい匂い!美味しそう!」

    そう言ってゲンはオレンジを丸かじりした。ぐじゅ、と実が押し潰されてはじける音がする。
    持っていた手に汁が纏わりつき、指が光で反射して白く光沢を帯びていくのを千空はじっと見ていた。ゲンはその視線に気づいて小首をかしげる。

    「なに?」
    「…いや、不味かったら食べたくねーから、テメーの反応見てから食おうかと」
    「俺に毒見させたってわけね…大丈夫、フツーに美味しいよ」

    ゲンは苦笑して 2080

    ユノスケ

    TRAINING好きと言って欲しいゲンの話

    ワンライ(という名の1時間半)そして一人称練習。
    かっこよく好きという千空は居ない。全体的に薄い。ただのバカップル風味。
    「はぁ〜」

    今日も今日とて地獄の地道ドイヒー作業中。俺は深い溜息を零した。
    もちろんこの尋常じゃない単純作業の応酬に対してもそうなのだが、どちらかと言えばもう一つの悩みに関してだ。

    「言葉が欲しい…」

    千空ちゃんとお付き合いを始めてからそれなりに月日が経った。
    俺自身は早い段階から自分の気持ちに気づいていたからコントロールはしていたと思うけど、千空ちゃんから同じ想いを伝えられた時にはついに都合のいい幻覚を見るようになったのかと自分の精神状態を心配したほどだ。
    しかし、どうやらそれは真実らしかった。それは幸せなことではあるんだけど。
    隣でしかめっ面をしながらロードマップを書いている千空ちゃんを少し睨んでみる。俺の視線に気づいたのか、千空ちゃんの強い瞳がこちらを向く。

    「なんだ」

    言って欲しい。

    「好きって言って欲しい」

    そう、千空ちゃんに言われたことがないのだ。好きだと。

    「いきなり何言ってんだテメーは」

    千空ちゃんは思いっきり怪訝そうな顔をして、それだけ言って視線をロードマップへと戻す。わかってたけど、ジーマーでどうでもよさそうだね。

    「千空ちゃん、俺と一応 2277

    ユノスケ

    MOURNINGとにかく甘やかされてる千空と甘やかしてるゲンです
    ゲン視点。内容はない…
    ここ数日、どうやら千空ちゃんは寝ていなさそうだった。
    若いから何日か寝なくても平気なのかもしれないけど、昼はカセキちゃんやクロムちゃんと科学工作してるし、夜は設計図に書き込んだり計算したりしてるし、ずーっと何かしている。
    日に日に目の隈ができていく様子をただ見ているのも、流石に辛くなってきた。
    と言うわけで、ちょっと息抜きしたら?と天文台へ半ば強引に連れてきたのだけど、案の定目の前の科学少年は不機嫌そうだ。

    「用があるならさっさと言え」
    「そう言うと思った。じゃあ望遠鏡覗いてみてね」
    「さぞかしいいモンが見れんだろうなぁ?」
    「さぁ、どうかな〜?」

    言われるがまま、千空ちゃんは望遠鏡を覗いた後、小さく肩を揺らした。

    「おー、銀河か。まあ冬は見えにくいんだが。今日は新月だからよく見えるな」
    「天の川ってきれいだよね〜。俺こんなの見たことなかったよ、ここに来るまでは」
    「こっちは100億回見てるわ」

    ぶっきらぼうに話すけど、望遠鏡から目を離さない。まるで新しいおもちゃを貰った子供みたいだな、と思う。

    「今日はここから更に、綺麗なものを見せちゃうよ」
    「そら大層なこった」

    ククク 2064

    ユノスケ

    MOURNING雨がすごかったので。
    突然始まり突然終わります。
    曇天がどこまでも広がっていた。
    独特の湿気た匂いがゲンの鼻を掠める。
    村の住人は外での作業をやめ、足早に屋内へと入っていく。
    賑やかだった音がひとつまたひとつと消え、やがてひとりの男だけが残された。
    間もなく降り出した雨は、地面を黒く染め上げていった。

    柔らかく落ちていく霧雨に包まれる感触は悪くない。
    どうせ手に入らない温もりを待っているよりは余程マシだと思った。
    さらさらと心地のいい雨音だけが広がり、世界にひとりだけしかいないような気持ちになる。寂しさを感じると同時に、不思議と気持ちが高揚する。
    いつもよりも広い歩幅で、踊るように足を踏み出せば、湿り出した地面は体の重みを受け止めきれずに少し沈んだ。

    そうして吸い寄せられるようにゲンが向かった先は、灯りが漏れていた。
    後頭部を掻きながら、紙に筆を走らせている音が耳へ届く。
    霧雨はやがて重みを増し、地面を叩き白く跳ねた。

    髪を伝う水滴を気にも止めず、ゲンはその後ろ姿を見つめていた。
    人類を救い文明を復興させると豪語する背中は、か細く幼い。
    本当だったらまだ守られていたはずなのに、とてつもなく重い荷物をひとりで背負っている。
    そう思 1593

    ユノスケ

    DONE千ゲばれんたいんねた
    こんな話100億万回見た…
    「千空ちゃんみーっけ」

    雪がちらつく冷え切った夜。
    ラボで作業をしている千空の耳に、ゲンの軽い声が届いた。
    千空は特に反応もせず薬品をフラスコへ入れて混ぜている。
    ゲンは千空の隣へするりと滑り込むように来てその様子を見ると、唇を尖らせた。

    「なんか言ってよ〜」
    「生憎反応してる暇もないもんでな」

    千空は仏頂面でそれだけ伝えるが、ぶっきらぼうな態度に慣れっこのゲンは意にも介さない。

    「今日はバレンタインだよ〜?」
    「ドラゴは溜まったか?」
    「順調に儲かってまーす」
    「そこは抜かりねぇな」
    「もちろん」

    悪い顔をした2人の目が合う。
    ゲンは何もないことを証明する為に両手を千空へ広げて見せ、くるりと手首を回し、また手を開いた。その瞬間、紙幣が両手いっぱいに溢れ出し、床へひらりひらりと舞い落ちる。

    「クク、テメーならインチキで大金持ちになれそうだわ」
    「ゴイスー人聞き悪いなぁ」

    クスクスと笑いながら、ゲンは落ちた紙幣を拾い服の袖にしまった。
    イベント独特のふわふわとした高揚感は、この空間においては微塵も感じられない。ゲンは無色透明な液体がフラスコの中で渦を作っている様子を見ながら 2532

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