究極論百年後、この星は滅亡するらしい。
そんなニュースをぼんやり見ていた。そう言えば小学生の時にノストラダムスの予言が流行りましたね。あれによるとこの星はとうの昔に滅亡している予定だったんですけど。温暖化で北極や南極の氷が溶けているとか、作物が育ちにくくなっているだとか言われながらも、未だ地球は呼吸をしている。
ところで滅亡する瞬間とはどんな感じなんでしょうか?
「誓さん、何を見ているんですか?」
「これです。興味湧きませんか?」
「あれに似てますね、ノストラダムスの予言」
「大河も知っているのですね」
「うっすらぼんやりと、ですけどね」
確かに本屋に行けば大予言の本など腐るほど並んでいますから。どんな事が書いてあるのかなんて、実際私もよく分かりません。おそらく滅びる原因が書いてあるのでしょう。
昨今のように温暖化による気温の上昇、少子化による高齢化現象に人口の減少、海外なら人口増加もあるのでしょうか。
「大河も誓もなんか難しいの見てんね」
ひと仕事を終えた春日がリビングにやってきておこげと戯れる当たり前の光景。あぁもし滅亡してしまったら、これを見て癒されることも大河の作った食事を美味しく頂くこともなくなってしまうのか。それは残念で、なんとも寂しい。
「究極論ですがもし明日地球が滅亡するとして」
「誓の話って時々ぶっ飛んでくるよね」
「まぁ最後まで聞こう」
「最後の晩餐に何が食べたいですか?」
いきなりではなく、明日。決まっていればどう過ごして最後に何を食べ、どこで最後を迎えるか決められますしね。
「ん〜究極論で言うならマジで大河が作ってくれるご飯ならなんでもいい」
「春日なんでわざわざ俺のなんだよ。もっと美味いもんあるだろ」
「ところが大河、私もなんです。大河の作った食事を三人で頂いて、おこげも一緒にここで最後を迎えたいものです」
当たり前じゃないですか。ハウスは私にとって大事な仲間で家族なんですから。もちろんあなたもですよ、おこげ。
そのおこげは知ってか知らずか春日の膝の上でニャ~と鳴き、ひとつ欠伸をした。