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    調@大人向け他

    @seitea21

    調(@seitea21) の大人向けや企画系SS置き場です。増えるかどうかは常に未定、塚不二オンリーは確定です。大人向けにつきましては、18歳以上での閲覧をよろしくお願いいたします。

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    とらのあなWEBオンリー【おためし版】不純な愛と言うけれどに参加させていただく展示のSSです。知らない街で待ち合わせをする約束をした、中学時代の塚不二をお届けいたします。

    「猫が通り過ぎても」「追いかけない」

    #塚不二

    おやすみ、いい子 降りたことのない街だった。手塚も馴染みがないらしい。今度の週末行かないかと、しかし部長会議があるから午後に現地で集合だと、手塚は常と変わらぬ落ち着きぶりだった。
     どうしてそんな日、そんなところで――不二は首をかしげたが、動いたのはあくまで体の内だけで、たぶん顔には出さなかった。
    「初めてだなあ。ふふ。いいね、現地集合。なんだか冒険するみたい」
    「……」
     快諾したのに、なぜだか手塚は不二をとっくり見直した。
    「……お前は」
     言った手塚は、ふさわしい言葉を探すようだった。けっきょく不二の名前を呼んで、それでもしばらく、なにかを探す瞳をしていた。
    「手塚?」
    「……迷いそうだな」
     ようやく彼はつぶやいた。案じる色が浮かんだ声に、不二は微笑してみせる。
    「キミが?」
    「――……俺か?」
    「……ぷ、――ん、……まあ、とにかく」
     真剣に考えはじめるのは、きっと彼の優しさだ。笑みを喉に押し込めて、軽く首を振って応える。
    「大丈夫じゃない? キミも、ボクも」
    「適当にどこかに行かないか」
    「行かないよ」
    「気になる街並みがあっても」
    「駅前にいるよ」
    「猫が通り過ぎても」
    「追いかけない。シャッターチャンスだろうけれど」
    「サボテンのパレードがあっても」
    「え、それは――あ、ごめん、大丈夫、待ってる。キミを待ってるよ。後で一緒に追いかけてね」
    「……いい子だ」
     手塚はなぜか、サボテンのパレードよりも猫よりもいいものを見たという顔をした。不二の肩に置かれた彼の左手から、熱と力がじわりと伝わり、不二を彼の前にとどめる。――だから不二は手塚を置いて、勝手に行ったりしないのだ。……たぶん。
     行かないつもりでいるけれど、サボテンパレードの先頭でアウストロキリンドロプンチアラゴプスが飛び跳ねていたりしたら、ちょっと自信がないかもしれない。
    「あうす……」
    「アウストロキリンドロプンチアラゴプス。アンデス山脈のサボテンだよ。一番標高が高いところにいる子なんだ。小さくてもわもわっと集まって、白いとげが可愛くて」
    「そうか。――アンデス山脈か。分かった、いつか会いに行こう。だから、不二」
    「ふふふ、……うん、待っているね」
     それにしても本当に、どうしてその日、そんなところで――。帰った自室で検索欄に街の名前と日付を入れて、不二はけっきょく実行ボタンは押さなかった。きっと不二が喜ぶなにかがあるのだろう。それこそ、サボテンマルシェとか。
     伝えぬだけの不器用なサプライズだけれども、手塚が考えてくれたのだ。素直に驚きたい気がした。だって、――彼が言ったのだ。不二はいい子なんだって。
     うなずくように、薄い機械が鳴動した。手塚からのメッセージが、画面で明るく不二を呼ぶ。不二は笑って携帯電話を取り上げて、うん、おやすみ、と彼に返した。
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    調@大人向け他

    DONEお題「春遠からじ」と「赤い糸」で、不二くん受けウェブオンリー様の企画その2、WEBアンソロジーに参加させていただきます。お運びくださった皆さまには申し上げるまでもなく塚不二でおおくりいたします。
    『たとえば今…』八周年の今日にも寄せて。まさに原作と讃えられた歌のごとく、永遠に離れないふたりでいてください。おめでとうございます&ありがとうございます…!
    春遠からじ、赤い糸 赤い糸というものが、手塚にはいまいち分からない。いや、意味としては分かるのだが、つまりは合縁奇縁であり、自分の意志より運命で伴侶が決まるというのはどうにも腑に落ちない。
    「そうかなあ」
     遅咲きの梅の写真を一枚撮って、ほんのりと笑って不二が首をかしげる。
    「たぶんさ、運命ってひとつじゃなくて、たとえば今日、キミはボクに梅が咲いたって教えてくれて、だけどボクじゃない可能性も」
    「ないが」
     なにやらおかしなことを言い出したものだから、思わず食いつき止めてしまった。言葉が強かったかもしれない。反省をしている手塚に不二はまばたいて、くすくすと花より小さくまぶしい笑みをその場にこぼした。
    「ううん、――そうだね。ふふ、ねえ、手塚。キミの赤い糸はさ、きっと。キミの手の中に今あって、キミが自分で結びに行くんだ」
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    調@大人向け他

    INFO3月16日東京開催のHARUCOMIC CITY 34にて、『その健やかなるときも』(小説合同誌)を頒布いたします。
    執筆者は以下、
    ORION 夜明さん
    BellaDonna Doll 高階さん
    くじら書房 えすさん
    白妙舎 調
    新婚をテーマに四季をそれぞれが担当し、それぞれの塚不二を綴っています。
    こちらは調担当の秋「I know」冒頭のサンプルです。
    『その健やかなるときも』「I know」より抜粋   一


     夜のふもとともまた違う、薄闇に手塚は立っていた。視界はうっすらすみ色で、その暗がりのどこかから、まっかだな、と歌声がした。誰のものともしれない声が繰り返す。まっかだな、まっかだな――……。
     小学校で、秋になるとよく歌わされた童謡だ。そうだ、俺にはこの歌がよく分からなかった――。手塚は今さらそんなことを思い出す。もう十何年、いや、何十年は前の話だ。
     幼い疑問が闇の中、無音で首をかしげている。あちこち真っ赤で、きみとぼくもほっぺたが赤くて、だからどうしたというのだろう。紅葉こうよう、夕日、秋なら当たり前のことだ。
     綺麗な秋をきみと過ごせてしあわせなのだと困ったように笑ったのは、何年生の教師だったか。音楽を習った教師は多くない。その内の誰かであるのだろうが、顔はそれこそ闇のようにぽっかりと暗い口を開けていた。ぎこちなく笑みを作った唇が、はくはく動いて手塚に言う。手塚くんには、むずかしいかな――?
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    229tensai

    DONEち、違う!! 俺が悪いんじゃない!!
    全国大会の準決の試合中に劣勢になっているのにも関わらずえっちな顔して写真集みたいなお色気ポーズしてる不二パイセンが悪いんだ!!!!
    不二のえちおね♂な色気爆発かわいさに世界が気づいてないのはおかしいと思っているモブ汚じさんが書きました。
    なんでこの世界の人たちは不二に欲情しないんですか?

    ※某掲示板風注意
    ※手塚が居ますがラビ時空ということで…
    「最近同室になった美人が不健全なんだが」(幸不二)(蔵不二)1:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    なんだろう…
    こう、どう考えても誘ってるとか、彼女が彼氏にするみたいな言動を普通にしてくるんだ


    2:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    お前は何を言っているんだ


    3:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    タイトルからしてツッコミどころがありすぎる


    4:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    サークルクラッシャー女に人生狂わされてる童貞の話か?


    5:マーガレット
    ごめん、色々限界で俺とした事がコテハンをつけ忘れていたよ。
    コテハンはこれにする。

    マーガレット→俺(男)。マジレスで相手の五感を奪うスタイル。神の子の異名を持つ。

    サボテン→同室になった、いつもニコニコしている不健全な美人(男)。本人は至って健全だしそういう気も全く無いのにえっちなことになったり、無意識に男に思わせぶりな態度をとったりしてくる。
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