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    調@大人向け他

    @seitea21

    調(@seitea21) の大人向けや企画系SS置き場です。増えるかどうかは常に未定、塚不二オンリーは確定です。大人向けにつきましては、18歳以上での閲覧をよろしくお願いいたします。

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    調@大人向け他

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    単独でもOKな、塚不二真ん中バースデー記念作『Happy blooming』の後日談です。
    元の作はX(https://x.com/SAGIO_NEKO/status/1935351892261089788)やpixiv(https://www.pixiv.net/artworks/131715295)にてご高覧ください。

    Special thanks,さぎぉさん(@SAGIO_NEKO)!

    #塚不二

    Full bloom,Be happy 自分じゃない、来たかったのは自分じゃない。大声で叫びたいのを我慢して、彼はおとなしく姉の後をついて行く。辺りは一面紫色で、香水みたいな匂いばかりで、もうろうとした夢みたいだ。
     ラベンダー摘みができるのだという。こちらのバケツにご自由に。花束にしてお持ち帰りいただいて――ドライフラワーにしてもいいし、さ? なんとかも素敵ですよ――。
     彼は花には詳しくない。正直興味も特にない。花より団子、団子よりポテトとバーガーだ。求む、青春台駅の近くのファストフードのセット。しかし姉が、花をたくさん欲しいと言った。ならば着いていくしかない。少なくとも、彼の家では姉は絶対――クラスメイトの菊丸もそんなことを言っていたから、自分がことさら弱っちいわけではないと思う。
     菊丸は、わりと心が強いタイプだ。なにせ不二と仲がいい。あんな触ればどうかしそうなやつのほっそい背中でも、ばしばし叩いて揺らして笑う。あの菊丸が姉ちゃんが言ったらおしまいだ、なんて頭を抱えるのだ。姉というのは、本当に強い。
     だからこれは不可抗力だ。今から花でいっぱいになる――ならねばならないバケツを下げて、彼はしぶしぶ先へと進み、――ほっそい背中を前方に見た。
     え、――不二? 見間違い? いや、あんなやつは他にはいない。やわらかいくせに細工みたいな品のよさ――後ろ姿だけでも分かる。そしてたしかに不二なら花がよく似合う。なんなら本人が近くを通るといい香りがして花みたいで、……ん?
     急に背筋が冷たくなった。つらぬく刀にその場に縫い止められたみたいに、彼の足は無意識にかたまる。いや、刀じゃない。これは視線だ。不二の向こうに誰かいる。背が高く、顔が逆光でよく見えないが、――え、まさか、手塚国光……?
     生徒会長、テニス部の長。直接話したことはないが、青春学園の有名人だ。一方的によく知っている。たしかにこう、厳格というか遊び心がないというか、だけれどこんなに明確な警戒と敵意が混ざったまなざしは――。
     ごくりと息をひとつのむ。動く喉元を鋭い視線がひとなでし、切られた、と思った途端、「手塚、見て」と不二の声が弾んでかすかに聞こえてきた。急に辺りがふわりとくつろぐ。
     確定手塚は、彼から不二に目を向けた。それはたちまち穏やかに、多分不二の手元に触れ、それから顔の辺りに触れて、「似合うな、不二」とうなずいた。今度はくっきり彼にも聞こえた。生徒会長の声は響くが、さっき不二が笑ったときに、風が吹いたような気がする。花の香りもよくするし、なんだか辺りが明るくなって、風向きとかが変わったのかも。
     その不二の声は微笑んで、「ありがとう」と手塚に応えた。「ね」と呼びかけ、体の影のなにかを示した。先ほど手塚が見たものだろう。
    「こういう風にまとめて、ブローチとかもいいかも。キミも作らない?」
    「そうだな。ならばそれくらいの丈がいいか」
    「ふふ、とっておいてね」
    「分かった」
     分かるのか。ここで分かるんだ。ええ、なんだこれ、幻覚? 花の匂いにあてられた? 手塚ってこんなにうなずくタイプだったか? 絶対違う。しかもめちゃくちゃ穏やかじゃん。キャラ変? まさか。――あ、もしかして、相手が不二だからこうなる、とか、……なんだよ、呼ぶなよ、しつこいな。今考えるのに忙しい、――え? うわ、姉貴!
     なにをぼんやりしてるのと真正面から姉に問われて、彼はあわてて歩き出す。仲良くかがんで顔を近づけ、不二と手塚は花を見繕っているようだ。ふたりの横を通りすぎ、畑の向こうに進んでいく。姉の見立てに寄れば奥は手つかずで、きっといい花があるらしい。
     そのまた奥にはなにかのハウスが見えていた。光をキラキラ反射していて、そういえば梅雨なのによく晴れたなと、彼は今さら空を見上げる。姉が帰りにバーガーセットの一番高いのおごってくれるはずだけれど、こんなに天気がいいならば、テラスに出てもいいかもしれない。
    「バシッて決まる感じじゃん、外の席にするのって」
     まあなんだ、きっと悪いことばかりじゃない。なんだかめちゃくちゃめずらしいものも見たような、いや、なんか当たり前のものだったような、……え、やっぱりこれなにか、ラベンダーの匂いの夢でも見てたりするのか――?
    「しないわよ」と姉に言われた。多分それはテラス席での食事の話だ。日に焼けるとか、そういうの。けれども彼は、やはり夢ではないのかと思う。光に向けてバケツをぐるりと振り回し、――たちまち姉に怒られた。
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    調@大人向け他

    DONEお題「春遠からじ」と「赤い糸」で、不二くん受けウェブオンリー様の企画その2、WEBアンソロジーに参加させていただきます。お運びくださった皆さまには申し上げるまでもなく塚不二でおおくりいたします。
    『たとえば今…』八周年の今日にも寄せて。まさに原作と讃えられた歌のごとく、永遠に離れないふたりでいてください。おめでとうございます&ありがとうございます…!
    春遠からじ、赤い糸 赤い糸というものが、手塚にはいまいち分からない。いや、意味としては分かるのだが、つまりは合縁奇縁であり、自分の意志より運命で伴侶が決まるというのはどうにも腑に落ちない。
    「そうかなあ」
     遅咲きの梅の写真を一枚撮って、ほんのりと笑って不二が首をかしげる。
    「たぶんさ、運命ってひとつじゃなくて、たとえば今日、キミはボクに梅が咲いたって教えてくれて、だけどボクじゃない可能性も」
    「ないが」
     なにやらおかしなことを言い出したものだから、思わず食いつき止めてしまった。言葉が強かったかもしれない。反省をしている手塚に不二はまばたいて、くすくすと花より小さくまぶしい笑みをその場にこぼした。
    「ううん、――そうだね。ふふ、ねえ、手塚。キミの赤い糸はさ、きっと。キミの手の中に今あって、キミが自分で結びに行くんだ」
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    229tensai

    DONEち、違う!! 俺が悪いんじゃない!!
    全国大会の準決の試合中に劣勢になっているのにも関わらずえっちな顔して写真集みたいなお色気ポーズしてる不二パイセンが悪いんだ!!!!
    不二のえちおね♂な色気爆発かわいさに世界が気づいてないのはおかしいと思っているモブ汚じさんが書きました。
    なんでこの世界の人たちは不二に欲情しないんですか?

    ※某掲示板風注意
    ※手塚が居ますがラビ時空ということで…
    「最近同室になった美人が不健全なんだが」(幸不二)(蔵不二)1:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    なんだろう…
    こう、どう考えても誘ってるとか、彼女が彼氏にするみたいな言動を普通にしてくるんだ


    2:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    お前は何を言っているんだ


    3:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    タイトルからしてツッコミどころがありすぎる


    4:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    サークルクラッシャー女に人生狂わされてる童貞の話か?


    5:マーガレット
    ごめん、色々限界で俺とした事がコテハンをつけ忘れていたよ。
    コテハンはこれにする。

    マーガレット→俺(男)。マジレスで相手の五感を奪うスタイル。神の子の異名を持つ。

    サボテン→同室になった、いつもニコニコしている不健全な美人(男)。本人は至って健全だしそういう気も全く無いのにえっちなことになったり、無意識に男に思わせぶりな態度をとったりしてくる。
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