Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    調@大人向け他

    @seitea21

    調(@seitea21) の大人向けや企画系SS置き場です。増えるかどうかは常に未定、塚不二オンリーは確定です。大人向けにつきましては、18歳以上での閲覧をよろしくお願いいたします。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 11

    調@大人向け他

    ☆quiet follow

    おためしイベントにあわせてもう一本、こちらは前日発表のイヤホンコラボによせました。中学時代の塚不二です。

    「不二、やはり俺の名前を呼んでくれ」「いいけど、手塚、……なにか夢見が悪かった?」

    #塚不二

    電源、オン 白い手が、小さな青を丁寧に触る。綺麗だと手塚はそれを見る。周囲はぼうっと霞がかって、舞台がどこかはわからない。ただ、隣には不二がいた。伏せられた長いまつ毛の先が、夢のさなかにけぶっている。

     彼が操作しているのはワイヤレスイヤホンだ。手慣れた様子がさすがは不二だ。旧いものにやわらな眼差しを向けながら、新しいものもちゃんと楽しむ。今は携帯電話でなにか設定をしているところらしい。
     手元の画面をちょんとつつき、明るい瞳が手塚を見上げた。はい、イヤホンに触ってみて? そう、指先で、ちょんって――。
     気づけば手塚は耳にイヤホンをはめていた。見えないが、不二の手にあったものと同じだと手塚は知っていた。できるだけそっとつついてみる。
    「こうか? ――……なんだ?」
     彼に確認した耳元から、自分の声が聞こえてきた。不二がこくんと首肯する。
    「ふふ、すごいよね。みんなの声があるんだよ」
     嬉しそうな顔がかわいい。かわいいが。
    「俺はこんな声か?」
    「あ、言うよね。自分の声って違って聞こえるって。いい声だよ。」
    「そうか」
     ならばいいが、最良ではない。さあ油断せずにいこう――それはそうだが、そうではなくて。
    「不二、お前の声がいい」
     きょとんと不二は手塚を見上げた。視線がぽんと空中に小花の枝が咲いたようにはにかみ揺れて、それからゆっくり細い指が――じれったい。
    「これか」
    「え、あ、そうだけど」
     薄い機械を覗きこみ、不二の名前をタップする。またイヤホンに触れてみると、耳元で彼がひそめいた。これが市井に広まるのか。それは――ありなのか――?

     うんうん悩んで、手塚は目覚めた。馴染みの天井にまばたきがばと起き上がり、携帯電話に手を伸ばす。不二の名前を呼び出し根気強く待つ。
    「てづか? ……おはよう」
    「おはよう。すまない、起こしたか」
     詫びつつも、急く気持ちのまま口早に、今日は一緒に登校すると約束した。それから――そのとき耳元で、青学って強いやと、彼に言ってもらうことも。いや、どうせなら、誰も聞けない言葉がいい。
    「不二、やはり俺の名前を呼んでくれ」
    「いいけど、手塚、……なにか夢見が悪かった?」
     悪くはないと手塚は応えた。この現実には及ばぬとしても、夢の中でも不二といたから、悪いはずは断じてないのだ。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭👏💯💞😍💯🙏💕💘
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    調@大人向け他

    DONEお題「春遠からじ」と「赤い糸」で、不二くん受けウェブオンリー様の企画その2、WEBアンソロジーに参加させていただきます。お運びくださった皆さまには申し上げるまでもなく塚不二でおおくりいたします。
    『たとえば今…』八周年の今日にも寄せて。まさに原作と讃えられた歌のごとく、永遠に離れないふたりでいてください。おめでとうございます&ありがとうございます…!
    春遠からじ、赤い糸 赤い糸というものが、手塚にはいまいち分からない。いや、意味としては分かるのだが、つまりは合縁奇縁であり、自分の意志より運命で伴侶が決まるというのはどうにも腑に落ちない。
    「そうかなあ」
     遅咲きの梅の写真を一枚撮って、ほんのりと笑って不二が首をかしげる。
    「たぶんさ、運命ってひとつじゃなくて、たとえば今日、キミはボクに梅が咲いたって教えてくれて、だけどボクじゃない可能性も」
    「ないが」
     なにやらおかしなことを言い出したものだから、思わず食いつき止めてしまった。言葉が強かったかもしれない。反省をしている手塚に不二はまばたいて、くすくすと花より小さくまぶしい笑みをその場にこぼした。
    「ううん、――そうだね。ふふ、ねえ、手塚。キミの赤い糸はさ、きっと。キミの手の中に今あって、キミが自分で結びに行くんだ」
    620

    調@大人向け他

    INFO3月16日東京開催のHARUCOMIC CITY 34にて、『その健やかなるときも』(小説合同誌)を頒布いたします。
    執筆者は以下、
    ORION 夜明さん
    BellaDonna Doll 高階さん
    くじら書房 えすさん
    白妙舎 調
    新婚をテーマに四季をそれぞれが担当し、それぞれの塚不二を綴っています。
    こちらは調担当の秋「I know」冒頭のサンプルです。
    『その健やかなるときも』「I know」より抜粋   一


     夜のふもとともまた違う、薄闇に手塚は立っていた。視界はうっすらすみ色で、その暗がりのどこかから、まっかだな、と歌声がした。誰のものともしれない声が繰り返す。まっかだな、まっかだな――……。
     小学校で、秋になるとよく歌わされた童謡だ。そうだ、俺にはこの歌がよく分からなかった――。手塚は今さらそんなことを思い出す。もう十何年、いや、何十年は前の話だ。
     幼い疑問が闇の中、無音で首をかしげている。あちこち真っ赤で、きみとぼくもほっぺたが赤くて、だからどうしたというのだろう。紅葉こうよう、夕日、秋なら当たり前のことだ。
     綺麗な秋をきみと過ごせてしあわせなのだと困ったように笑ったのは、何年生の教師だったか。音楽を習った教師は多くない。その内の誰かであるのだろうが、顔はそれこそ闇のようにぽっかりと暗い口を開けていた。ぎこちなく笑みを作った唇が、はくはく動いて手塚に言う。手塚くんには、むずかしいかな――?
    1148

    related works

    229tensai

    DONEち、違う!! 俺が悪いんじゃない!!
    全国大会の準決の試合中に劣勢になっているのにも関わらずえっちな顔して写真集みたいなお色気ポーズしてる不二パイセンが悪いんだ!!!!
    不二のえちおね♂な色気爆発かわいさに世界が気づいてないのはおかしいと思っているモブ汚じさんが書きました。
    なんでこの世界の人たちは不二に欲情しないんですか?

    ※某掲示板風注意
    ※手塚が居ますがラビ時空ということで…
    「最近同室になった美人が不健全なんだが」(幸不二)(蔵不二)1:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    なんだろう…
    こう、どう考えても誘ってるとか、彼女が彼氏にするみたいな言動を普通にしてくるんだ


    2:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    お前は何を言っているんだ


    3:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    タイトルからしてツッコミどころがありすぎる


    4:名無しにかわりまして植物愛好家がお送りします
    サークルクラッシャー女に人生狂わされてる童貞の話か?


    5:マーガレット
    ごめん、色々限界で俺とした事がコテハンをつけ忘れていたよ。
    コテハンはこれにする。

    マーガレット→俺(男)。マジレスで相手の五感を奪うスタイル。神の子の異名を持つ。

    サボテン→同室になった、いつもニコニコしている不健全な美人(男)。本人は至って健全だしそういう気も全く無いのにえっちなことになったり、無意識に男に思わせぶりな態度をとったりしてくる。
    8314