つまりそういうことみたい ホークスは、口に含んだコーヒーを思わずごくりと喉を鳴らして飲み込んだ。仕事の打ち合わせの後、遅めの昼休憩を取っていた。打ち合わせ相手は常闇で、彼とは定期的にプライベートでも会う間柄だった。仕事で会うならついでに、とホークスは時間休暇を取得し連れ立って馴染みの喫茶店にいた。公安本部にほど近いこじんまりとしたレトロな喫茶店で、ホークスや常闇の立場を慮って何も言わずに人目につきづらい奥まった席へ案内してくれる気遣いもあり、ホークスは重宝していた。
ランチタイムともティータイムとも言い難い時間帯の店内はまったりとした空気だった。久方ぶりに話す常闇との会話は途切れることなくポンポンと進み、店内の空気と相まってその心地よさにホークスは心身が満たされている感覚に陥っていた。この所は少し余裕もでき、前は習慣で缶コーヒーを飲んでいただけだったが、喫茶店のコーヒーの香りを楽しめるようになってきた。そう思いながらカップに口をつけたところで、思わぬ常闇の発言に目を見開きコーヒーらしからぬ飲み方をしてしまった。
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