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    いと(ito_rin_mori)

    @ito_rin_mori

    杏千🔥🧹文字置き場
    原作・キ学・現パロ色々

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    いと(ito_rin_mori)

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    20231225
    めりくり🎄
    みなさん🎅🏻さんきました?🧹くんは来たみたいですよ!
    昨日の続き。

    サンタさんありがとうございます 12月になってから、一気に寒くなった。特に朝、寒さで起きてしまうこともある。布団から出た顔がひんやりとして、起きなくちゃとなる。そうすると身体も寒くて、つい丸まってしまう。しばらくお布団でぬくぬくしていると、母上から起きる時間ですよ、と部屋の外から声かけられる。寒いけど、えいやって頑張って起き上がる。一人部屋は嬉しいけど、起きてる誰もいないのは、本当はちょっぴり寂しい。
     夏休みまでは、お部屋はあったけど、毎日誰かと寝ていた。一緒に寝ている人が起きる音に気付いたら頭がぼんやりして、ぞもぞしていると身体を揺すって起こしてもらった。母上だったり父上だったり、兄上だったり、毎日違う人だった。父上と母上は手を引いてくれるから、引っぱりあげて起きた。だけど、兄上には起きられないふりをして抱っこして起こしてもらっていた。赤ちゃんみたいだけど、兄上しかいないからいいかな、って思ってた。
     兄上と寝る時は、いつも兄上のお部屋だった。兄上のお部屋はあんまり物がないけど、僕用の大きなクッションやぬいぐるみが枕元に置いてあった。お布団の中で兄上に抱っこしてもらって、お休みの日は目が覚めてもお布団で兄上とこそこそお話をした。兄上が背中にクッションを置いてくれて、もこもこした感触が気持ちよかった。今は、一人だから寒い日はぬいぐみを抱きしめている。それも赤ちゃんみたいだけど、みんな見てないからいいや。そういえば、兄上のお部屋のクッションどうしたかな。今度お部屋に持っていこう。
     今日もひんやりしている。顔出しかけて寒さで思わず顔を引っ込めた。そういえば今日から冬休みだ。じゃあもう少し寝ようと、ぎゅっとクッションに抱き着いた。けど全然柔らかくなくて、でもすごくあったかくて、しかも抱きしめ返してくれた。
    「あれ?」
     クッションが抱きしめてくれるわけがなくて、目の前の頬に手を伸ばした。ぺちぺちと軽い叩いてから、自分の頬もぺちと叩いてみた。ちゃんとちょっと痛い。
    「ええ?」
     お布団から顔出してきょろきょろして見ると、兄上のお部屋だった。昨日は、ご飯の後にお風呂に入って、ケーキを食べて、おしゃべりしてたけど眠くなっちゃってお部屋に行った。その時は母上と一緒だったし、自分のお部屋のベッドに寝た。兄上の手で身体は上手く動かせないけど首を捻ると、僕用のぬいぐるみとクッションもあった。
    「なんで?僕まだ寝てるの?」
     よくわからないけど、兄上がいるのは嬉しくて、首にすりすりしてしまう。寝起きはふわふわしちゃう髪の毛が、兄上のお顔にあたっている。すると目の前の唇が震え、我慢できないとばかりに吹き出した。そして、僕の頭にさっき触っていた頬を擦りつけてきた。
    「冬休みでも千寿郎は早起きだな!」
     おはよう、とニカリと笑う笑顔はやっぱり夢でもなんでもなく、兄上だ。嬉しくてぎゅうぎゅうに抱き着けば、兄上もぎゅうぎゅうに抱きしめてくれた。それから、僕がお話しやすくなるようにクッションを背中に置いてくれた。
    「どうして僕、兄上のお部屋にいるんですか?僕、お部屋で寝ましたよ」
    「昨日な、サンタさんに頼まれたんだ!」
    「サンタさん!会ったんですか?」
    「いや、会ってないな!勉強をしていたら窓を叩く音が聞こえたんだ。開けてみたら、手紙が置いてあった!」
     びっくりする僕に、兄上が僕の後ろを指さした。兄上の腕の中で反対向けになって兄上の机を見ると、赤い封筒が置いてあった。
    「ほんとだ!見たいです!」
     取ってこようか、と兄上がベッドから立ち上がった。急に兄上がいなくなって、お布団はあったかいけど急に寂しくなってしまう。起きてもいいけど、まだもうちょっと兄上とお布団にいたいから、起きないでお布団で兄上を待ってみた。そうしたら兄上もお布団に戻って、また僕を腕の中に入れてくれた。
    「ほら、見てごらん」
    『プレゼントをこっそり置きたいので、今日は千寿郎くんと寝てください』
    「ほんとだぁ。なんでだろう?」
    「ううん、そうだなぁ。千寿郎を起こしてしまうと思ったのかもしれないな」
    「でも、兄上が運んでくれたんですよね?僕それでも起きなかったんですよ?」
    「俺は千寿郎を運ぶのも一緒に寝るのも慣れてるからな!」
     兄上がニコニコしてるので、僕もニコニコしてしまう。サンタさんのお手紙を見ながら兄上にくっついてみたら、兄上も寄せるのにしてくれた。
    「兄と寝るのは嫌だったか?」
     ニコニコしてたのに、兄上がちょっと悲しいお顔をした。絶対違うので、一生懸命で首を横に振った。
    「う、嬉しいです!いっぱい兄上と一緒に寝たいです!」
     つい叫んでしまって、両手で口を塞いだ。
     兄上は今大変だから、僕と一緒に寝ちゃったらダメなのに。お友達もそう言ってたから、ワガママ言わないようにしてたのに嬉しくて忘れちゃった。
     無かったことにできないかなとお布団の中に入ったら、兄上が背中を撫でてくれた。
    「たまに、兄と一緒に寝てくれないか?サンタさんにも言われてしまったんだ」
     またなんで?と思って、お布団から顔を出したら兄上が封筒からもう1枚手紙が出てきた。
    『千寿郎くんといっしょにたくさん寝て、かぜをひかないようにしてください』
    「勉強も大切なんだが、風邪を引いてしまったら大変だからな」
     サンタさんって、どうしてもなんでも知ってるんだろう。
    「でも千寿郎より少し長く起きて勉強をするから、部屋は明るいかもしれない。寝れないか?」
    「大丈夫です!お布団に潜ってます!」
     お布団をすっぽり被ってみせると、兄上が笑いながら布団の上から僕を抱き締めた。サンタさんはプレゼントだけじゃなくて、お願い事も叶えてくれるんだ!みんなにも教えてあげなくちゃ。
    「さて、そろそろプレゼントを見に行こうか?」
     兄上の言葉にお布団から出て、兄上にくっついた。兄上の大きな手が頭を撫でてくれて気持ちがいい。プレゼントはとっても楽しみ。なんだけど、また兄上と離れたくない。
    「サンタさんに言われたから、もうちょっと兄上と一緒に寝てあげます」
     兄上の擦り寄ると、兄上がぎゅうとしてくれた。
    「そうだな、ゆっくりお話しようか」
     だって、これもサンタさんのプレゼントだもの。
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    いと(ito_rin_mori)

    DOODLE20240211
    杏千バレンタイン2024
    キ学軸 🧹(中2?)⇒🍠(27)へのチョコレート
    せんくん無自覚。兄は…?
     色めき立つ女の子たちを尻目に、さっさと校舎を後にした。同じ学校の高等部の教師である兄上に会わないためだ。正確には、兄上に会わない、というよりは兄上が女子生徒からチョコレートをもらう場面に遭遇したくないからだ。毎年、あれだけ多くのチョコレートを紙袋に詰めて帰ってきていたのだ。生徒から大量にプレゼントされているのは、入学前から認識していた。生徒はイベントに参加したいだけだから教師は丁度いいんだ、と貰った本人は笑い飛ばしていたけれども、絶対にそんなことはなかった。確かに冷やかしや友チョコの延長のようなチョコが入っているのは、否定できなかった。しかし、中には明らかに手の込んだラッピングの手作りの品や高級ブランドの箱が含まれていたのだ。それらが「丁度いいから」なんて、適当な理由で他人に渡しやしないだろう。まぁそうなんだろうな、と思ってはいたが、実際のその現場を目にすると破壊力がある。そう、僕は去年、兄上が本命チョコをもらう場面に遭遇してしまったのだ。危うく声が出そうになったが、寸で止めた。そのまま立ち去ればよかったものを、思わず覗き込んでしまった。フルフルと震える細い手は見えた。表情は窺いきれず、声は聞こえない。聞こえずとも、出刃が目には違いないのだから、とっとと立ち去るべきだった。なのに、まるで地面に足が縫い付けられているかのように動けなくなってしまった。そもそも、兄弟の恋愛に触れるなって嫌なもんだ。ましてや、年が離れているから兄上の恋愛事情なんて知らない。でも、僕の胸のモヤモヤは、そういうものとは違うような気がした。
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    いと(ito_rin_mori)

    MENU9月24日 Good comic CITY 29
    今日も明日も愛しさ千倍 3 発行

    『花結び』 原作軸/全年齢/文庫/94頁/両想い ¥1150

    FF様向けキスシリーズWeb再録本。
    全体的に加筆修正いれてますが話の筋は変わりありません。話の矛盾は直してません(笑)書き下ろし6000字程度。
    センくんの漢字変換ミスしてます<(_ _*)>
    口吸い
     額に、頬に、鼻先に、生まれてから何度も触れていた兄の唇が、初めて自分のそれに落とされた時、あまりの柔らかさと温かさに目の前がちかちかと光るようだった。
     恐る恐る目を開いて兄を見上げれば、その目線がこれまでと違う熱量を持ち、ああ、本当に恋仲になったのだと実感した。

     最初は、ふわりと羽のような触れ方だったが幾度目にかなると、少し長く強く押し付けられるようになった。それからは、一度でなく、二度三度と角度を変えて触れられるようになった。その度にほんの少しずつ、兄の目から見える熱がちりちり高まっていくようだった。呼応するように、己の体温も兄が触れる度にじわじわと高まっていった。
     その頃になると、兄は就寝の前に千寿郎を膝に抱え上げて口づけをするようになった。それまでは布団の中では額に触れる程度だったので、途端に戸惑いと恥ずかしさで千寿朗の頬は熱くなった。口づけだけでなく、頬が赤くなることにも恥ずかしがっていると、兄は笑いながらも慰めるように頬を撫でてくれた。しかし、その触れ方は熱を鎮まるよりも、さらに鼓動を高めるようなものだった。
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