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    Yuna_uzn210

    @Yuna_uzn210

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    Yuna_uzn210

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    完結してるらくがき。 
    また前回のお話の番外編です。本編書いてないけど。
    💎⚡♀と🔥🎴♀はお互いの相手と浮気してたりするけどなぜか黙認で⚡♀と🎴♀、💎と🔥は今まで通り仲がいいっていう謎設定です。
    前半💎⚡♀(🔥🎴♀)からの後半🔥⚡♀ぽいかんじです。
    無駄に長い。前半多分いらない。(謎の解説)

    金色が重なる 番外編「あ!ねぇ、あれ美味しそうじゃない?!洋梨のタルト人気No.1だって!」

    「ほんとだ!
    わぁ、さつまいものパフェもある!
    杏寿郎さんあれ食べませんか?」

    ショッピングモールのレストラン街の中、イートインもできるケーキ屋さんのショーケースが見えて思わず炭子とケーキを相手に黄色い声をあげた。

    後ろでまだ腹に入るのか、ってかんじに苦笑いしている二人の両手には、これ以上無理ではってほどたくさんの紙袋がある。

    天元さんと休みが被る日曜日。
    前日から泊まって珍しく寝坊せずベッドに引き戻されもせず一緒に起きて新しくできたショッピングモールに買い物にきていたら、よく見知った二人と先程レストラン街ではち合ったのだった。

    「あれ、善子?!宇髄さんも」
    「炭子?!炭子も煉獄さんと来てたの?!」

    4人で出掛けたりなんて最近ずっとしていない。
    なんだか嬉しくなって先程から炭子と二人ではしゃいでしまっているけど、
    なんだかんだ二人で話しながら私たちを眺める天元さんと煉獄さんも微笑ましそうな表情を浮かべてくれている気がする。

    最近甘えたりなんてしてなかったけど、なんとなく天元さんの手を取って中に入ろう、って声をかけようとしたとき―。

    「…宇髄?煉獄?」
    「久しぶりだなァ。お前らも来てたのか?」

    後ろで、初めて聞く男の人の声がした。
    炭子と一緒に振り向くと白い髪に顔に傷のある男の人と、左右で目の色が違う小柄な男の人が立って二人に視線を送っている。

    …天元さんたちの、友達?

    普通に考えたらそういうこともあるだろう。
    だけど、天元さんと付き合ってから紹介してくれた友達は煉獄さんだけだったから(それも炭子が自分の恋人だと紹介してくれたのが先だった)女の人にはモテるけど男友達はあんまりいないのかな、なんて勝手に思っていた。

    天元さん、煉獄さん以外に友達いたんだ。

    内心結構失礼なことを考えながらそのお友達らしき人に視線を向けると、白い髪の男の人の方とバチッと目が合ってしまう。

    「あ、えっと、はじめまして!天元さんのお友達の方ですか?
    彼女の、我妻善子と申しま―」

    「あんま善子のこと見んな」

    急に視界も言葉も遮るように私の斜め前に立ち肩に腕を回してきた天元さんに、一瞬訳が分からず固まってしまった。

    見んな?は?…なんで?

    そんなに紹介もしたくないほどみっともないとでも言いたいんだろうか、と思いかけたところで。
    何も言われてないのに牽制するような視線をお友達二人に向けていた。

    「あの、天元さん…?挨拶しちゃだめなの?」
    「なに怒ってんだァ?挨拶しようとしてくれたんだろ?」

    「…善子のこと好きになられたら困んだろ。
    だからわりぃけど紹介はできねぇ」


    は?と、目の前の二人、なんなら炭子と煉獄さんの訝しげな視線というか気配までが漂ってくるのがつらくて、思わず天元さんの腕を掴んで顔を見上げていた。

    「て、天元さん!何言ってんの?!
    そんなこと言ったらお友達に失礼でしょ?!
    ていうか、挨拶ぐらいさせてよ!」

    もう見なくても分かる、周りの4人の呆れたような脱力したような雰囲気が痛い。

    「…けど、コイツら顔も性格もいいしお前のこと取られそうになったら勝てねぇ」

    いや、何言ってんの?!
    またもや想像の斜め上をいく回答に目を剥きそうになってしまう。
    ていうか、その理論だと煉獄さんの性格悪いって思ってんの?!
    …まぁ、今の私達の状況を考えたら言い返したりできないんだけど。

    「…お前、頭大丈夫かァ?」
    「不愉快だな。俺は蜜璃以外に微塵も興味はない。
    そうでなくとも友人の彼女に手を出すほどクズではないからな」

    …。なんとなく。天元さんと煉獄さんから気まずい、みたいな音が聴こえてくるような気がする。

    それに、黒髪の人はチッ、と小さく舌打ちをしてもう一人の人に視線を向けた。

    「早く買って行くぞ。蜜璃たちがどこぞの男たちに声などかけられてないか心配だ」
    「あ、あぁ。んじゃわりいな、また」

    そう言って歩いていってしまった二人にせめてもと会釈をしようとするけど、ガッチリ抱え込まれてそれすらもできたか怪しかった。

    ギュウギュウ締め付けてくる天元さんの身体を少しでも離そうと必死に押しながら、その拗ねたような表情に思わず問いかける。

    「ちょっと、なんでそんなに拗ねてるの?
    挨拶しようとしただけだし、なんか二人とも真面目そうな人だったよ?」

    「別にあの二人になら紹介したって良かっただろう?」
    不思議そうな顔をしている炭子の横で、煉獄さんまで思わずというように口を開く。

    「…そりゃあな。アイツらは俺等と違ってクソ真面目で。
    …だから本気で善子好きになられたら勝ち目ねぇだろ」

    いやだからそれ煉獄さんに失礼だよ、と思わずのばした手を掴む天元さんが存外真剣な表情をしていて、なんて返したらいいか分からなかった。

    「まぁ、二人が真面目なのは分かるが…」

    「だろ?俺らと違って頭かてぇし。
    昔俺らが遊びの女交換したときなんて、一ヶ月は無視され―」
    「っ、おい、宇髄―ッ」

    「「え?」」

    ……今なんて?女を交換?二人で?


    思わず炭子に目配せをして、とびっきりの蔑む表情を浮かべてしまう。

    「…へぇ、遊びの女を『交換』なんて…。
    随分といいご身分だね?
    …気持ち悪いから、しばらく話しかけないでもらえる?」
    「それは…っ、その、わりぃ… 」

    …分かってる、私達はそんなこと言えないことしてるって。
    だけど、なんとなく違くて。
    遊びの女の人を『交換』することが、なんだかどうしても気持ち悪くて。

    「宇髄さんはともかく、杏寿郎さんもそういう人だったんですね?
    …もう、しばらく話しかけないでもらえますか」
    「…っ、炭子。すまないが話を―」

    見たことないほど冷たい視線を煉獄さんに向けた炭子の手を取り、返事を聞く前に歩きだした。


    「なぁ善子、ここにちょうどさっき渡された男の人の連絡先があるんだけど」
    「あぁ、さっきの青い髪の男の人?」
    「そうそう。一緒にいた黒髪の人も善子のこと見てたし、連絡したら喜んでもらえると思うんだ」
    「…へぇ、楽しそうだね?」

    『なっ!?ちょ、善子!』とか『炭子!それは―』
    とか後ろから聞こえてくる声を無視して、炭子に微笑みかける。

    「あ、じゃあさ。ちょっとトイレでメイク直してきていい?」
    「もちろん。その間に連絡しておくな?」

    こちらに微笑み返してくれる炭子の目も、もちろん笑っていなかった。

    もうさっさと行ってしまおうとトイレの入口へ向かおうとしたとき、予想外に強い力で腕を掴まれる。

    はぁ、とため息を吐き振り返った先はよく見知った天元さんの紅い瞳―では、なかった。


    「…っ、…煉獄さん?」

    「悪かった。だから、行かないでもらえるか。君も、炭子も二人とも」

    …あぁ、そういうことね。
    私達の言い放った『話しかけないで』を律儀に守るためにそれぞれの浮気相手に声をかけたと。

    誠実なんだか不誠実なんだか分からないんですけど。

    「いやでも遊びで女の人交換するような人たちといたくないですし」

    …ほんとは。本当に少しだけ、煉獄さんに幻滅した。
    天元さんは隠そうとしてたけど、なんとなく天元さんは昔はそういう人なんだって分かってたから。
    だけど煉獄さんがそういうことしてたのは、なんとなく。
    …ほんとに少しだけ、胸が苦しくなりそうになる。

    「すまなかった。酒に酔って宇髄と最低なことをした。
    当たり前だが、昔一度したほどでそれからはそんなこと俺はしていない」

    俺は、とか暗に天元さんのこと見捨てちゃってるじゃん。
    そんな言い訳炭子にすればいいと思うんですけど。
    そう軽口を言ってやりたいのに、なぜそこまで真剣な目を向けてくるのか。

    我ながら馬鹿すぎるけど一ミリだけ、私にそう思ってほしくないのかなって期待しそうになるのはなんでなんだろう。

    私が好きなのは天元さんで。だからそんなことしててショックを受けるのは天元さんに対してのはずだ。

    考えるのが怖くて思わずその手を振り払い今度こそトイレの入口まで来たとき―、

    『あの、良かったら私達と遊びませんか?』

    …あぁ、もう…っ!

    いつもと声の主は違くとも天元さんといればよく耳にするその言葉に思いっきり舌打ちをしそうになった。

    「…っ、いや…」
    「私たちも女二人なので!
    あなたみたいなかっこいい人を置いてどっか行っちゃう人なんかやめて、
    私たちにしません?」

    …あ?

    怒りが爆発しそうなのを必死にこらえながら後ろを振り返る。
    化粧が濃いのにそのくせ顔は今ひとつで、スタイルも悪くて下品でかんじの悪い女の人が煉獄さんの手を取ろうとしていた。

    煉獄さんがどうかは知らないけど、普段の天元さんなら侮蔑の眼差しでナンパ女なんて蹴散らしてくれる。

    そう思っていたのに、数メートル離れたところにはそんな煉獄さんと同じような状況の天元さんまで見えた。

    …いや、嘘でしょ?

    いつもヤのつく人かってくらいこわい目を向けたりしてるくせに、煮えきらないよく分からない態度をとっているように見える。

    …は?

    むしろこちらが柄の悪い顔になりそうになっていたところで、反対側の炭子と目が合った。
    …多分、お互いに言いたいことは一緒だと思う。

    しょうがない。声をかけよう。
    あの女の人たちは図々しいと思うし腹が立つ。
    だけど、だからって恋人の方に助けに行くのはしゃくだから。
    …あと、まぁ。距離も近いし。


    「…その人に触らないでもらえます?なんでそんな顔で相手してもらえると思ってんですか?…おばさん」

    煉獄さんの手をとりながらさっきまでの怒りも一緒にしてぶつければ、煉獄さんが驚いたようにその大きな瞳を見開いた。
    …まぁ、歳に関しては確証もないし多分、だけど。

    「…?!そんな、顔って…っ」

    そして顔のこと悪く言うなんて最低だって分かってるけど。でも、それでも怒りは収まりそうにないから。

    「そんなブスな顔して、自覚ないんですか?
    気持ち悪い手で人の彼氏に触るのやめてもらえません?
    そもそもこの人、あなたみたいなブス抱けないと思いますよ?」

    結構な八つ当たりだと思う。
    だけど、それでも。早く、その汚い手をどけてほしい。

    「な…っ、なに、それ…ッ」

    「ねぇ、煉獄さん」

    その腕を引っ張って、見せつけるように胸に押し当てる。
    怒りも込めた笑顔を浮かべて、そのままそのたくましい腰に腕を回した。

    「なんで他の女に触らせるんですか?
    私じゃ、飽きちゃった?
    煉獄さんのこと、こんなに好きなのに」
    見上げながら身体を擦り寄せたら、腰に回った手に急に引っ張られて顔を近づけられる。


    フッと微笑みかけられて、唇が重なった。

    「ッ!?」
    心臓がまろびでそうになってしまった。
    いや、なんで!?
    別にその手を引っこ抜いてくれれば、それだけで良かったんですけど!?
    思わず炭子たちの方を振り返るけど、二人とも目の前の女に気を取られていて、こっちは見ていなかった。
    それに胸をなでおろしたのもつかの間、今度は頼んでもないのに抱き寄せられて至近距離で顔を覗き込まれる。

    「え、あ…?煉獄、さ…」
    「愛しい君がいるのにすまなかった。
    もちろん、俺には君だけだから安心してほしい。
    君が妬いてくれたのが嬉しくてつい見惚れてしまったんだ」

    …いやもう、突っ込みどころ満載なんですが?

    腕を振り払われぽかんと口を開け固まっていた女は、ハッとしたように炭子の方を指さした。

    「なッ…!そもそも、あなたさっき向こうの女と手を繋いでたのに―」

    「なぁ、どうしたら許してくれる?
    怒った顔も可愛いが、早く笑った可愛い顔が見たい」

    …!こ、この人…ッ!何も言わないと思ったら今度は流暢にしゃべりだして…!
    …絶対、間違いなく面白がってる…ッ!

    「べ、別に…!そんなに言うほど怒っては―」
    「君の言う通りだ。俺は君以外抱いたりなんてできないし、君しか見えないからこんなブスに興味もない。
    どうしたら分かってくれるだろうか」

    …一体、どの口で言ってるんだ…ッ。
    弧を描くその形のいい唇を今すぐ引っ張って引きちぎってやりたい。

    「い、いや、だから…!もう、分かったので―」

    「今すぐ君と二人になりたい。
    俺がどれだけ好きか、君に伝えたいんだが」

    ヒェッと、色気もへったくれもない悲鳴が漏れる。
    スルリとお尻を撫でてきた人差し指をあらぬ方向に折ってやりたいのを我慢したことは、一生感謝してほしい。

    なんと言っていいか分からず口をパクパクさせながら、必死に女の人がいた方を指差し、もういなくなったからと伝えれば。

    「…チッ、もういなくなったのか」

    …なぜかいつも上品な彼にしては珍しい舌打ちなんか聞こえてきた。

    「あぁ、そうだ」

    フッと、思い出したように服のポケットを漁ると。

    「え、これ、」
    「君に似合うと思って。…いつも炭子が世話になっている礼だ」

    …うそ。いやもう嘘でもほんとでもどっちでも関係ないけど。
    手の平の中で渡されたピアスの輝く赤は、まるで『彼』の瞳みたいで。
    普通は恋人の友人にピアス、それも自分の目の色をしたやつなんてあげないでしょう。
    そう言いたいけど、だけど。
    煉獄さんが今日炭子のために買ってあげたのは洋服だけだって知ってるから。
    …貴方の目の色が自分に似合うって。そんなの、…そんなのは。

    「ありがとう…、ござい、ます」

    まるで、『ここに』というよう私の耳に触れて目を細める。その意地悪い仕草が似合うこの人は、ほんとに一体何を考えているんだろう。

    「それから…。今もありがとう、助かった」

    一瞬でからかう物言いを抑えたその表情に、思わず見惚れ一瞬息ができなかった。
    そのまま天元さんたちから見えないように私の額にキスをして、何食わぬ顔で炭子の方へと歩いていく。
    するり、と軽く腰を撫でながら離れた指は、やっぱりどうしてもへし折ってやりたいくらい腹ただしかった。
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