船旅したいコラさんと俺の船に乗ってほしいローの話「ドフィが今度船を買うんだとよ」
「はあ?」
不機嫌な寝起き顔で、冷蔵庫から麦茶を取り出したローは、そのままの体勢で止まった。
「…船?」
「うん。なんかデカいクルーザー」
いや、もう買ったんだったかな?とロシナンテは長い手足を持て余しながら、ソファの上に寝転んで、分厚い冊子をひらひら振った。
梅雨入り前の初夏の朝、リビングいっぱいにまばゆい光が溢れている。鉄筋のデザイナーズマンションの九階は日当たりの良さと引き換えに熱がこもりやすい。
昨晩は窓を開けて眠ったが、それでもうっすら寝汗が滲んで、ロシナンテは早々に目覚めたのか気づけばベッドから消えていた。
ローはコップをダイニングテーブルにおいて、ロシナンテの手から冊子を取り上げる。
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