anpk82話妄想 サトシとコハルとガラル地方のポプラさんの元を訪れたときのこと。ひょんなことからケーキ作りをすることになったのだが、
「俺、ケーキなんか作ったことないや。コハルは?」
コハルにケーキを作ったことあるのか聞くと、
「お母さんと一緒にならあるよ」
その言葉通り、コハルは俺やサトシよりも慣れた手つきでケーキ作りを進めて、俺達にもアドバイスをしていた。そして、作ったケーキも見事な出来栄えだった。
「中々やるじゃん」
コハルがこんなにケーキを作れたなんて。やっぱり女の子なんだなって思わされた。勿論ポプラさんからも好評でポケモンを大事にするコハルの優しさが味にもよく表れていると言っていた。さらにポプラさんは、
「やるじゃないか、もうこんなケーキを作れるなんて。あんた、いいお嫁さんになりそうだねぇ」
「お嫁さんですか!?」
ポプラさんはコハルは将来いいお嫁さんになりそうだと言う。
コハルがお嫁さんかぁ……。俺が大人になって仕事から帰って来たら、コハルが「おかえり」って出迎えてくれて美味しいご飯を作ってくれて――。
「……悪くない未来じゃん」
「ほら、あんた」
「わっ!」
いつの間にか目の前にポプラさんがいて驚く。
「お楽しみのところ悪いけど、次の試食行くよ」
「は、はい!」
ヤバ、もしかして、考えてたこと顔に出てたかな……だとしたら、恥ずかしいけど。すると、ポプラさんはそんな俺を見透かしたのか、
「あんたのとは言ってないよ」
と、ニヤリと笑い、改めて自分が考えていたことの重大さに気づいてしまった。