カスホプ/ユキモモあなたと共に見た流星は
いまでも心の中につよく、輝いている。
「ホープ、まだ起きていたのですか」
出窓から空を覗いていると、背中から愛しい彼の声がした。振り向けば、寝巻き代わりのガウンに掛けられたストールと、やさしい口づけがひとつ。
「今日は、空が澄んでるから」
星が見えるかと思って。ホープの言葉に、カースは目を丸くした。
エテルノは熱砂の星と云われ、大部分を砂漠と荒野が占めている。昼間は日除けのローブがないと外出すらままならず、夜は太陽が昇っていない分、一気に冷え込むと言う両極端な気候だ。
そんな凍えそうな夜に窓を開けて外を見上げるもの好きは、ホープ王ぐらいのものですと、王宮の人たちからは良くお小言を言われている。
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