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    マママ

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    マママ

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    昼間話してた殺人ルツ書いてみた①
    これは類バージョン
    司バージョンも書いてますが上がるかは……()

    君と共犯〜類の場合〜



    「なにを、している?」

    「……見られてしまったかい」


    類は作業の手をやめて司の方を見る。司は、顔を青くして類を見るそれはそうだ。


    類が触っていたのは、ヒトだったのだから。


    返り飛んだ血飛沫を見て司は、ああ、これは類がやったのだと否が応でもわかり、震える声を絞り出した。


    「なに、してんだよ……ッ」

    「……ごめんね。流石の司くんにも話せないよ」

    「なぁ、オレが何も知らないとでも思っていたか……?こいつ、ストーカーだろ…オレの……」

    「……。」

    「なぁ、なんで、ッ類が」

    「来ないで。」


    類は近寄ろうとする司に声を張って静止した。


    「だめだよそれ以上入れば司くんがこれを見たことになる。……帰って、もう僕のことは、」

    「そんなの…できるわけないだろ……?!」

    司はグッっとこぶしに力を込めて握っていた。

    そしてポツリと

    「類……一緒に逃げよう、このまま消えろだって……?お前のことを忘れろだって……?無理に決まっているだろう?!?!」

    「でも、僕は君にまだ輝いていて欲しいんだ。そんな君を引きずりこませるなんてできない。君はまだ、やることがあるだろう。僕は、いいよ、君がみんなに笑顔を送るスターになれるなら。」

    儚げに笑う類を見て司は歯を食いしばって思い直したように中に入り込む。

    類はとっさのその動作に止める隙もなく司の侵入を許してしまった。


    司は、遺体のそばにあった血に塗れたナイフを両手で掴んで思い切り振り下ろした。


    ズチャ、グチャ、と肉や内臓が貫かれる音がする。もう、死んでいるため血が激しく飛び散ることはないが司の手は真っ黒く染まっていた。


    司は何度も振り下ろし、最後に胸にナイフを突き立てて手を離した。振り向いた司は笑っていた。


    「どうだ、類。これでオレも共犯だ。」

    「……ッまったく、君はなんで…ッ」

    こらえていた涙が頬を伝うのがわかる。




    類は自分の、自分だけのスターを守りたかった。

    最近ストーカーに追われている。そう話を聞いたとき腸が煮えくり返る想いだった。司の曇る笑顔を仲間として、恋人として救いたかったのだ。だのに、こうなってしまった。


    司は死体から離れて類の血濡れた手を取る。


    「抱え込むな。お前とどこにでも行こうじゃないか。」

    「……ッ司くん…」

    「類がオレを守りたかったようにオレも類を助けたい……一緒に背負ってやろうじゃないか」


    そう言って背伸びをして少し高めにある類の口に自身の唇を押し当てる。


    「これは、契りだ。お前とオレとの。」

    「ッぐっ、」


    類は揺れる視界の中で清々しく笑う司にただ、泣くしかできなかった。












    自宅の惨状を見て状況的に明らかに殺人で、犯人であると見たてられた二人は全国に指名手配されることとなったが、誰もその二人の行方を知るものは現れなかった。



    のだが、人里離れた山奥で白骨化された遺体が見つかった。それは身を寄せ合い、手を握りあったまま亡くなっていたことがわかった。

    そばには赤黒く錆びついたカッターが2本あり、首の動脈を切ったことによる失血死と断定された。



    ……二人がこれでよかったのかは本人以外知る由もなかった。
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    recommended works

    hukurage41

    DONE #ritk版深夜の60分一発勝負
    演目)七夕
    ※画像でもあげたのですが、なかなか見にくかったのでポイピクにも同時にあげます。

    ・遠距離恋愛ルツ
    ・息をするように年齢操作(20代半ば)
    ・かつて書いた七夕ポエムをリサイクルしようと始めたのに、書き終えたら案外違う話になった
    星空を蹴っ飛ばせ「会いたいなぁ」

     ポロリと口から転がり出てしまった。
     声に出すと更に思いが募る。言わなきゃよかったけど、出てしまったものはしょうがない。

    「会いたい、あいたい。ねえ、会いたいんだけど、司くん。」
     類は子供っぽく駄々をこねた。
     電子のカササギが僕らの声を届けてくれはするけれど、それだけでは物足りない。
     
     会いたい。

     あの鼈甲の目を見たい。目を見て会話をしたい。くるくる変わる表情を具に見ていたい。
     絹のような髪に触れたい。滑らかな肌に触れたい。柔らかい二の腕とかを揉みしだきたい。
     赤く色づく唇を味わいたい。その奥に蠢く艶かしい舌を味わいたい。粒の揃った白い歯の硬さを確かめたい。
     匂いを嗅ぎたい。彼の甘く香ばしい匂い。お日様のような、というのは多分に彼から想像するイメージに引きずられている。チョコレートのように甘ったるいのともちょっと違う、類にだけわかる、と自負している司の匂い。その匂いを肺いっぱいに吸い込みたい。
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