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    すず@ブルロ沼

    @cobaltnight0803

    凛潔にどっぷり沼って妄想小ネタを書き殴る場所。
    潔右固定。逆リバ、潔右以外の攻の他カプが地雷のため自衛してます。

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    すず@ブルロ沼

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    ng誕生日記念のngis。青い監獄にいる謎時間軸。
    ngの誕生日に贈るプレゼントに悩むisgだったが良い案が思い浮かばず、直接聞きに行くお話。

    ##凪潔

    「うーん……」

    とある日。潔世一は唸り声を上げながら、頭を悩ませていた。
    もうすぐ五月六日。その日は恋人の凪誠士郎の誕生日。付き合い始めて初めて迎える凪の誕生日に贈るプレゼントがなかなか決まらず、潔は困り果てていた。

    (身の回りの物は玲王がめちゃくちゃ良いものあげてそうだし、かと言ってゲーム関連のものは何が良いのかさっぱりわからん……)

    凪の貰って喜びそうなもの、困らなさそうなもの、となると普段使うものかゲーム関連のものかと思ったが、そこも最終的に贈る物に悩んでしまう。
    食べ物も考えたが、そこはやはり初めて二人で迎える誕生日。何か形に残る物が良いと思い、色々考えたが結局妙案が何も浮かばずにいた。

    「はー、どうしよ……」

    そうこう悩んでるうちに数日が経過して、刻一刻とその日は近付いてくる。準備期間も考えるともはや一刻の猶予もない。

    「……よし」

    悩みに悩んだ末、潔は決断した。

    「凪に直接聞こう!!」

    サプライズには出来ないけど、せっかく贈るなら本人が欲しい物が良い。そう結論付けて、潔は早速凪の元へ向かうことにした。



    「凪!!」
    「ぉわっ、潔か……、びっくりした……」

    凪のいる部屋に唐突に現れた潔に、驚きはしたものの特に怒るでもなく手元のスマホ画面をタッチして見ていた動画を停止させ、潔の来訪を受け入れる凪。その間にもずんずんと凪に近付いたかと思えば、潔は凪の顔を両手で挟み込む。

    「んぇ」
    「凪、単刀直入に聞く。今一番欲しい物はなんだ」
    「え、なにこれ。もしかして俺、誘われてる?」
    「さそ……? ちげーよ、もうすぐ凪の誕生日だろ。色々考えたんだけどさ、せっかくならお前が今欲しい物、ちゃんとあげたくて」

    困ったように苦笑いを浮かべてそういう潔に、凪ははぁー、とため息を一つ吐く。

    「……潔って、試合中とかあんなに男らしいのに、本当に男心分かってないよね」
    「なっ……! どういう意味だよ……っ」

    訳が分からないとむっ、とする潔に凪はそっと潔の腕を引っ張り、潔の身体を自分の胸元に収めるように引き寄せる。

    「……恋人にそんなこと言われたら、男は『お前』としか言わないよ? ……それともそう言って欲しくてわざと言ってる?」
    「……んぇ?」

    指先を潔の顎にすりっ、と擦り付けて真っ直ぐ見つめてくる凪に潔は頬を赤らめて慌てふためく。

    「や、そ、そんなつもりじゃなくてな……っっ!」
    「うん、知ってる。潔だもん。だから男心分かってないね、て言ってんの」
    「な、なんか、それはそれで腹が立つな……」

    再びむぅ、と不満げにする潔に凪はふっ、と少しだけ口元を緩める。

    「ごめん、ちょっと意地悪言った。潔が余りにも予想通りの反応くれるから」

    ぎゅっ、と胸元にすっぽり収まっている潔の身体を強く抱き締める。今度は潔の頭にすりっ、と頬を寄せる。

    「月並みだけどさ、潔がくれるものなら俺は何でも嬉しいんだよ」
    「……ぅ、凪は、そう言ってくれるかと思ったから、だから聞いたんだよ……」
    「あれ、そこは予想してたんだ」

    意外、と言えば潔から蚊の鳴くような声で馬鹿にすんな……、と聞こえる。

    「俺、だって、男心は分からないかもしれないけど、凪のことは、ちょっとは分かってる……」

    続けてそうか細い声で呟く潔に、凪は一瞬目を見開いて、すぐに目許を緩ませる。

    「……ほーんと潔って、そういう殺し文句だけはしれっと言えるよね。……そんなこと、他の男の前で言ったら駄目だよ」
    「言わねぇし……、こんなこと凪くらいにしか言う機会ないだろ」
    「あーもー、その考えが反則ー」

    我慢できないとばかりに凪は少しだけ身体を離したかと思えば、すぐに潔の額に唇を落とす。そのままちゅ、ちゅ、と額、鼻、頬とキスの雨を降らせる。そのまま下降していき、仕上げに唇を奪う。

    「ン……」

    小さく漏れる潔の吐息が、甘さを含んで凪の耳に届く。軽く触れ合うキスから徐々に深いものに変わっていき、互いに夢中になって貪り合う。ぴちゃぴちゃ、と水音が部屋に響く。
    しばらくそうしていた二人だったが、息苦しくなってきた潔がトン、と凪の背中を叩いたことでようやく唇が解放される。

    「はぁ……、も、長すぎ……っ」
    「でも気持ちよかったでしょ?」
    「そ……! れはそうだけど……」

    未だこういう事に不慣れな潔は、恥ずかしそうに視線を逸らす。その様子に凪は満足そうにして、ふと思い付いた事をそのまま潔にぶつける。

    「そういえば、潔のファーストキスって俺であってる?」
    「そ……っ、れは、そう、だけど……」

    唐突にぶつけられた質問に、頭も上手く回転せず、馬鹿正直に答えてしまう。だが、その潔の答えに凪は満足そうに笑う。

    「なら、誕生日プレゼントとして、俺、欲しいもの思いついたんだけど」
    「へ……? なに……?」

    そしてこれまた唐突に告げられる言葉に潔は半分パニックになりながらも答える。

    「これからの潔の初めて、俺にちょうだい」
    「んん……?? と言うと……?」

    言われた言葉がすんなり頭に入ってこず、思わず凪に聞き返してしまう。

    「内容は何でも良い。潔が初めて行くところ、経験するもの、とにかく潔にとって初めてのこと、全部俺と一緒にするの」

    どう? と首をコテンと傾ける凪に、潔が断る理由は特に思いつかない。

    「……、それで良いのかよ」
    「いいに決まってるじゃん。それに潔、分かってる?」
    「何を?」
    「これにはセックスももちろん含まれる」
    「ぁ……」
    「ここじゃ色々準備も大変だから、ここを出た後必ずお前を抱くよ。それも込みってことで、OK?」

    じっ、と見つめてくる凪に再び顔に熱が集まるのを感じた潔だったが、ぐっと拳に力を込めて自ら凪の身体に自分の身体を寄せる。

    「……そんなの無くたって、俺は、そのつもりだったよばか凪」

    それに、凪にしかこんなこと許すつもりはないから、と付け加えて身体を預けてくる潔に、溢れる感情が抑えきれず凪は天井を仰ぐ。

    「あー、もう。だから潔って最高。大好き」
    「そりゃ何より」
    「あとこの誕生日プレゼント、返品しないからね」
    「……有効期限は?」
    「そんなの一生に決まってるじゃん。……あぁもう色々考えるの面倒になってきた、ここ出たら一緒に住む家買お」
    「は!? 話が早すぎだろ!?」
    「早くない。この話が無くたって、いずれそうしようと思ってたし」

    ぎゅっ、と抱き締める力が強くなる。そんなにしなくても俺は逃げないのにな、と潔は心の中で思う。

    「……わかったよ。どうせずっと一緒にいるつもりだし、全部ひっくるめてプレゼントしてやるよ」
    「わぁ、やっぱ潔カッコいいね」
    「そりゃどーも」

    顔を見上げて、潔はちゅ、と凪の頬にキスを一つ落とす。

    「誕生日当日、まずは『初めて恋人の誕生日を祝う俺』をプレゼントしてやるよ」
    「最高」

    そう言い合って二人見つめ合ったまま、満足そうに笑った。
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