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    pkmnhuji

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    pkmnhuji

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    自分の中のキバダンの歩みを考えていこうと思って書き始めたキの独白

    GC同期、本編主人公はmsrくんの設定
    もちろん本編ネタバレあり
    ダの気持ちはわからない
    小説ではない
    色んな方とネタも被ってます

    まだ続きを考えている途中なのでどこまで続くかわからないです
    ゆくゆくは2人を結婚させたいとは思っている

    #キバダン

    kbnの独白同じ年にジムチャレンジに参加したオレとダンデは歳も近かったこともあり、仲良くなるのにそう時間はかからなかった
    同じくらいの歳であるはずなのに、なにかにつけて楽しげにバトルを申し込んでくるダンデは近所の子供のようで放っておけなくなるのだ
    たまにバトルを断るとアイツはひどくむくれてオレがバトルをすると言うまで拗ね続ける所もまたダンデを幼く見せる所以だったのかもしれない

    そしてダンデの迷子癖が1番目を離せなくさせた
    最初のころは迷った挙句自分でなんとかしようと歩き回るので余計に迷い込み捜索が困難だった
    迷ったと思ったらすぐ連絡をしてその場から動くなと言い聞かせてからは格段に見つけやすくなったものの、不安げに縮こまっていたダンデがこちらを見つけた瞬間の今にも泣き出しそうな笑顔はオレの心臓を握りしめるような痛みを与えた

    いくつかのバッジを手に入れ、ワイルドエリアで修行だと乗り込んで行った先にダンデがキャンプを開いていた
    オレを見つけて嬉しそうにキャンプに誘うものだからその日はカレーをご馳走になる事にした
    幼さの抜けないダンデだが、料理はしっかりと作れた
    差し出されたカレーを受け取りほお張ると、口の中に木の実の甘さが広がる
    「ダンデは甘口のカレーが好きなんだな」
    言ってはなんだがイメージ通りであった
    ダンデはなんとも言えない表情を浮かべたあと
    「…これはリザードが好きなんだ」と笑った
    「本当は辛いものの方がオレは好きなんだぜ!でもリザードが甘い方が喜ぶから甘いのを作るんだ」
    ダンデの目線の先でリザードが嬉しそうにカレーを頬張っている。
    それをみてダンデもまた嬉しそうに微笑んだ
    「…うちのポケモンってさ甘口が好きなやつも渋口が好きなやつもいるんだけどさ、渋口が好きなやつは甘口が嫌いで甘口が好きなやつは渋口が嫌いなんだよな。だから消去法でいつも辛口を作ってるんだ。だれも苦手じゃないからさ。だけど本当はオレさまが辛いの苦手なんだ。だからアイツら辛口を作ると無理するなって鳴くんだよ」
    話しながらカレーとライスを混ぜる
    「だからさ、オマエが良かったらだけどカレー交換しない?たまにはこいつにも甘いの食べさせてやりたいしさ、オレさまもダンデが作った甘口カレーが食べたい!だからお前もこの辛口カレー食ってくれ!」
    頼む!といった感じで手を合わせながらダンデを見るとダンデはキラキラと瞳を輝かせ「キバナ!キミは天才か!」と喜んでいた
    それからは2人してカレーを作りあっては食べた

    ジムチャレンジも終え、セミファイナルトーナメント準決勝でオレとダンデはぶつかった
    今まで何度もダンデとはバトルをして負けを重ねてきたが、まったく負ける気はしなかった
    それに、こんなデカいスタジアムでダンデとバトルができるということが純粋に嬉しく、楽しかった
    しかし結果はオレの負けだった
    悔しくてたまらなかったが、それよりもダンデの瞳がいつもよりも強く輝いていて眩しく目が離せなかった
    太陽のようなそれはジリジリとオレの心臓を焦がして焼いた
    この時からキバナはダンデに囚われてる

    チャンピオンになったダンデはいつ見ても笑顔だった
    どんなに忙しいときでも弱音を吐かずに笑顔
    バトルの時間を他の仕事に削られても笑顔
    オレはその笑顔が大嫌いだった
    ダンデの笑顔はもっと溌剌としていたのに
    今の笑顔は貼り付けたようなチャンピオンスマイルだ
    たまには息抜きにキャンプに行かないかと誘うとダンデは決まって困ったような笑顔で誘いを断った
    偽の笑顔も困った笑顔も見たくなくてオレはダンデと距離を置いた
    ただあの頃のダンデの笑顔が見たかった

    ダンデがどんなに仮面を被ろうと変わらないものがあった
    バトルの時の目だ バトルをしている時だけはダンデは”ダンデ”だった
    その目で焦がされる度に俺はこいつが好きだと再確認させられる
    だからこそいつかこいつを倒してチャンピオンなんて重荷を奪ってやると
    ダンデをとりもどしてやるんだと心に誓った

    数年経ってもオレは未だにダンデを自由に出来ない
    ダンデ お前は今も甘いカレーを作ってるのか
    バトルをしないとすぐむくれたお前はまだいるのか
    迷子のお前を見つけた時の今にも泣きだしそうな笑顔をお前はまだ




    ムゲンダイナによって負傷したダンデは病院に担ぎ込まれた
    ベッドの上で色々なチューブを繋がれ眠るダンデを見てオレはひどく後悔した
    なぁダンデ
    オレがお前から逃げなければ
    オレがお前の友達であり続けてたら
    お前はこんな無茶をしなかったのか
    オレを頼ってくれたか
    1人でこんなボロボロになることはなかったのか
    神様でもなんでもいい なんにだって祈ってやる
    もうこれ以上”ダンデ”を失わせないでくれ

    次の日オレがジムの様子を見に行っている間にダンデは目を覚ました
    ホップからの連絡を受けて急いで病院に戻るとアニキでありチャンピオンの顔をしたダンデがベッドに座っていた
    オレに気づいたダンデは「すまないキバナ、心配をかけたな」なんて言うので急いで理解あるライバルの顔をして「無事で何よりだぜ」と言った
    オレの体温は下がるばかりだった

    その2日後ダンデはチャンピオンでなくなった
    オレが引くものだと思っていた幕はあっさりとチャレンジャーの少年に引かれた
    ダンデがフィールドで笑っている
    あの時と同じ目をして でもそれはオレを見ていない
    オレは結局ダンデに何もしてやることができなかったのだ

    気づけばフラフラとダンデの控え室の前まで来ていた
    なにをしに? どんな顔をしたらいいのかもわかっていないのに
    …会うべきじゃない。きっとダンデだって何も望んじゃいない。帰ろう。ほとぼりが冷めた頃にまたいつものライバル面で…
    いつも…いつもってなんだ もうそんなものは無い。
    ほとぼりが冷めた頃に自分がダンデにライバルだと思ってもらえてるかどうかだってわかりはしない。
    足元から地面が無くなるような心地で立ち尽くしていると扉の向こうから「誰かいるのか」と声をかけられた
    バレてしまった。なんでもない振りをして立ち去るか。
    「…キバナ?」
    あまりに心もとなさげな声で呼ぶものだから立ち去るという選択肢は消えた。
    扉を開けるとベンチに座ったダンデがやっぱりかという表情で「今の俺に会いに来るのなんてキミくらいだと思ったんだ」と笑った
    オレはなにも言葉を発さずにダンデの隣に座った
    しばらく沈黙が続いたあとダンデはぽつりぽつりと先程のバトルを振り返った
    時々興奮気味に たまに悔しさを滲ませ そして楽しげに
    ダンデの言葉は何一つオレに理解されないまま耳を通り過ぎた
    「なぁキバナ」
    自分の名前を呼ばれやっとダンデの方を見る
    「すごく、すごく楽しかったんだ。でも暴れだしたいほどに悔しくて、それでいてとても清々しい気持ちで、オレはまだまだ強くなれるという希望に満ちてもいるんだ」
    ダンデの瞳が光り輝いている
    「でもな、こういうときにチャンピオンはどうあるべきかがわからないんだ」
    オレの大嫌いな偽の笑顔がない
    「これからインタビューがあるのにオレが不安定だとマサルくんも緊張してしまうだろうし」
    馬鹿だな、ダンデ。こんな時に他人の心配なんかして
    「…キバナ、泣いてるのか?」
    誰かさんが泣かないからだ
    「お前、もうチャンピオンじゃないんだ。チャンピオンらしくあろうとする必要ないだろ」
    次から次へと流れてくる涙をダンデはじっと見つめている
    「ダンデの振る舞いたいように振る舞えよ。誰も責めたりしない」
    涙を乱暴に拭い立ち上がる
    「今度さ、キャンプに行こうぜ。オレさまお前の作った甘いカレー好きだったんだよ」
    ダンデを見下ろすと今にも泣き出しそうな顔で笑っていた。
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    pkmnhuji

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    小説ではない
    色んな方とネタも被ってます

    まだ続きを考えている途中なのでどこまで続くかわからないです
    ゆくゆくは2人を結婚させたいとは思っている
    kbnの独白同じ年にジムチャレンジに参加したオレとダンデは歳も近かったこともあり、仲良くなるのにそう時間はかからなかった
    同じくらいの歳であるはずなのに、なにかにつけて楽しげにバトルを申し込んでくるダンデは近所の子供のようで放っておけなくなるのだ
    たまにバトルを断るとアイツはひどくむくれてオレがバトルをすると言うまで拗ね続ける所もまたダンデを幼く見せる所以だったのかもしれない

    そしてダンデの迷子癖が1番目を離せなくさせた
    最初のころは迷った挙句自分でなんとかしようと歩き回るので余計に迷い込み捜索が困難だった
    迷ったと思ったらすぐ連絡をしてその場から動くなと言い聞かせてからは格段に見つけやすくなったものの、不安げに縮こまっていたダンデがこちらを見つけた瞬間の今にも泣き出しそうな笑顔はオレの心臓を握りしめるような痛みを与えた
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