散兵様のフラグ稲妻に到着して少し経ったある日のこと。
「あ、雷神の瞳!」
取り敢えず道を覚えていかないとな、そう思って探索をしていると、木の上に雷神の瞳を発見して駆け出した。散策者を殺す気しかないだろうという場所にありがちなのだが今回は比較的手に届きやすい位置だ。安心した。
はしっと掴み、嬉しさでホクホクしつつ落とさないよう気を付けながら降りる。すると、
「猿かと思ったが人間だったか」
いきなり、聞き覚えのある嘲りを含んだ声がした。まさかと思い視線を上げる。
「久しぶりだね、栄誉騎士」
「……っああ!?」
特徴的な被り物と切り揃えた髪。年上ながら幼さが残る顔立ち。予想通り、立っていたのは。
「スカラマシュ……!」
「呼び捨てか。いい度胸だね」
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