無題「───はぁい、滑稽な旅人さん?」
虚ろな目の金髪の少女を煽るように手を振る。無気力に横たわったそれは、焦点が定まっていない。
(意識は無い、か)
こうして邪眼工場に単身で乗り込んできたのは褒めてあげたい。しかしそこまでの勇気と技量が比例してはいなかったようだが。
そばに飛んでる小さい奴は、助けを呼びに行った。
(全く。置いていくなんて、バカにも程があるね)
僕がこの女に何かするとは考えなかったのだろうか。それとも、この女の力に盲信して居るのだろうか。しかし所詮はただの女。こうやって寝ていれば、何も出来ない。
顎を持ち上げ、彼女の顔色を伺う。苦しそうに浅い息を繰り返している。無様で、見ていて飽きない。
とはいえ、他人を痛ぶる趣味があると自負していても、無反応の女を痛ぶってもつまらない。どうせなら嫌がって叫ぶくらいがいい。
「さて、どうしてあげようかな〜」
肉体的に? 精神的に? いずれにしても、彼女の苦痛で歪む表情を考えると自然と口角が上がる。
女のそばに駆け寄り、その身体を乱雑に動かす。そして身体に纏われた、布の多くを破り捨てる。己に欲はないが、犯せば肉体的にも精神的にも傷つけられるだろう。ああ、起きた時が楽しみだ。
あっという間に少女の裸体は露わになり、床に転がされた。そこに近づいて、ちょうど押し倒すような姿勢になる。
「ねえ、やっぱり……するなら解してほしい?」
耳元で囁く。もちろん応えは無い。やはりつまらないな、と思いながら自分の指で彼女の秘所に触れた。何度か指で豆を潰し、指を出し入れすれば簡単に濡れてきた。
「んっ……」
彼女の身体が揺れる。起きることを期待したが、思ったよりも魔神の怨嗟は彼女を蝕んでいるようだ。それでもイイ所を擦るたび身体を揺らすので、意識が浮上してきたのだろう。
数分もしないうちに、指が水に浸けて引きあげたかのように濡れた。
(感度がいいのか……)
気持ち悪い。やはり人間はどうしても好きになれない。そもそも、どうやっても指は2本も入らず未開通であるのに、ここまで感度がいいのも意味がわからない。そういう体質なのだろうか。
「……」
彼女に身体を寄せる。速度を上げると、水音が響き渡る。ナカが収縮し、指を離さんと締め付けた。かの名高い旅人が敵であり絶対に相容れないであろう自分にこうして股を開き情けなく感じているのだと考えるとこちらもノリが乗ってくる。
「気持ちよさそうだね? こんなにぐちょぐちょいって、さ」
「っん……っ……?」
ビクビク、と一際快感の波が彼女を伝う。荒い息を溢す彼女に、自然と男の象徴が主張を始める。本気でするつもりは無く、あくまで彼女の嫌がらせの筈だったがこうなってはこちらも我慢はできない。
「……ッチ」
張り詰めたズボンと暑苦しい上着を脱ぎ、笠と合わせて適当に放り捨てる。人形の自分が発情していることへの嫌悪と、早く犯したいという肉欲で、ズボンから露わになった肉棒を秘所に押し付ける。
「……っはぁ……どう? 仲間のために乗り込んで、こうやって無様に僕に犯されるの。名高い旅人も、これで終わりかな?」
ファデュイとしても旅人を見ていた。しかしこれ以降、あまり監視下に置かれることはないだろう。もしくは、僕のみが監視することになるか。
「……滑稽だね」
肉棒で秘所の上部に位置している豆を擦ると、蜜がどんどんと溢れてくる。彼女のまんざらでもなさそうな反応が、僕をかき乱す。いつもなら女に欲情などしないし、そんな感情など持たないのに。
その気持ちを忘れるようと、乱暴に彼女のナカに押し込む。先端しか入らないほどキツく、本当に解したか怪しいほど
「やだ、……っ♡! や、でぇ……♡♡!!」
「仕方ないなぁ」
「……え?」
「やめて欲しいんでしょ? 僕は優しいからね、抜いてあげよう」
「あ、う……」
「……それとも……敵である僕に犯されて感じちゃって、もっと欲しいの?」