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    ジオさんち

    無節操な物書き。
    練習で色々ポイポイする。

    夢、カプ、リバ属性。ジャンル雑多。
    なんでも書くのでキャプション必読。

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    ジオさんち

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    お題箱より
    『さにちゃんの耳を塞いだままキスする号さん。さにちゃんの脳内で口内の舌の絡み合う音が響いてお腹の底がきゅぅってなってしまう。』
    (イチャイチャしてるだけよりお借りしてます)

    にほさに。女審神者

    #にほさに
    two-handedSword
    #ワンライ

    暗闇のなか、響く音 あの大きな手のひらで掬いとられると動けなくなってしまう。これから起こるであろう事に期待が膨らんで、そして願った通りに叶えてくれるものだから、心も体も喜んでしまう。
     それが日本号の癖なのだと気が付いた頃には、もう遅かった。真正面から己に両手を伸ばし、俺を見ろとばかりに私の視界を奪う。いいか、と視線だけで問うて、顔を寄せる。無抵抗は是として唇を落とし、深く注ぐべく舌を差し込む――…口付けを交わす時の、お決まりの所作である。この『お決まり』によって、無抵抗どころか、もはや顔に手を添えられるだけで受け入れるようになってしまった私は、情けないようでいて、差し込まれる愛情を感じていたくもあり、なかなか複雑な気持ちだ。
     大きな手のひらは、態となのか偶然であるのか、簡単に耳を塞いでしまう。口付けの時に、相手を見るなどという豪胆な事は出来ない性分であるから、私は暗闇のなか。加えて、聴覚までも奪われているものだから、たまったものではない。集中――…いや、夢中に成らざるを得ないのだ。これを狙ってやっているのだとしたら、本当に本当に質が悪い。
     ぐちゅりと交ざり合う舌と、ずるる、と吸われる音。小刻みに食まれたら、どちらのものともつかない吐息が洩れる。頭のなかで反響しているリップ音が、隣の部屋にまで響いている気にさえなる。少しずつ身体の力が抜けて、小さく内腿を擦る。その瞬間を狙っていたかのように強く吸われ、腹の底がぎゅっと絞まった。
     離れる唇と、満足そうな顔。肩で息をしながら、私は日本号へ手を伸ばす。
    「……もう少し、」
     ちょうだい、の声が口腔に消えた。
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    Replies from the creator

    ジオさんち

    MAIKINGにほさにワンライ。女審神者。

    『食欲の秋。食べすぎたからとダイエットをしようとするさにちゃんと、太っていないからと新たな秋の味覚を準備する号さんの攻防が今日も始まる。』
    #お題ガチャ #同棲カプのゆるい話
    (栗ご飯@にほさに) 夏が終わった。
     南国の海の写真が載ったカレンダーを、慎重に破れば月が変わる。新しい写真はイチョウ並木が綺麗な写真だった。未だ暑さが伴うものの、暦の上では既に秋。スーパーでも果実の種類が増えて来ている。今まで店頭に鎮座していた西瓜は成りを潜め、梨、桃、葡萄に無花果が立ち並ぶようになった。茸の種類も増えた。旬を迎えようとしている茸たちは、徐々に売り場を占拠し始めている。
     秋。一年で最も実りのある季節。
     あぁ、今年も来てしまったと言わざるを得ない。大きく溜め息を溢した後ろで、恋人が笑っている。

     同棲をし始め、互いに料理をするようになり、私よりもちょっぴり――いや、かなり料理が得意な恋人が、いつの間にか冷蔵庫の管理をするようになるまでには時間がかからなかった。それはいい。それはいいのだ。誰だって美味しいものを食べたい。料理の腕前に自信がある訳でもなかったから、彼が台所の主になるのは賛成だ。それはいい。それはいいのだ。
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