【no title】順番を間違えた。
鈍く痛む腰と口にするのも憚られる場所の違和感に眉を寄せながら、枕に顔を突っ伏して目覚めてからずっと唸っている。
自分はフェイスのことが好きで、フェイスも自分が好きだった。
結論としてはこれだ、文句なしの両思い。
問題なのはそこに辿り着くまでの過程だった。
想い人が自分だなんて思わない。性別とか普段の態度とか理由は山のようにある。
その結果、互いに勘違いをしてすれ違って、昨夜はいつものように言い合いになり、気付いた時には自分はフェイスに組み敷かれていた。
天井と覆い被さるフェイスの仰ぎながら混乱する中で「他の人に渡すくらいなら」とか「俺のことしか考えられなくなればいい」とか耳を疑う言葉ばかりを聞いた気がする。
1076