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    yukiji_29

    @yukiji_29
    倉庫用。
    ほぼアスカガ。
    挫折した文章やら年齢制限のものやら。

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    yukiji_29

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    種無印後、カガリがオーブ首長代表就任直前の話。
    カガリの独白みたいな感じ。
    アスカガ要素は薄めでシリアス。

    時間無い中で書いちゃったやつなので
    もっとしっかり書き込みたいし
    カガリもそうだけどアスランの心情とかも
    細かく書いて重厚感もう少し乗せたいので
    その内がっつり加筆と修正を施します😋

    暁の誓い車を降りて、マルキオ導師が開く孤児院に向けアスランとカガリは歩いていた。
    一度浜辺に出て足を踏み出せば、ザクリと砂の擦れる音が鳴る。カガリは数歩先を歩くアスランの背中を見て、ふとアスランとの思い出はいつも海に縁がある事が多いなと思った。
    二人の出会いは最悪だったし、敵同士だった。
    冷たい銃口を向けたのは二回。一度目は初めて会った無人島で、二度目は友を殺したと打ち拉がれている時だった。
    もう交わる事はないと思って渡したハウメアの護り石を持って、彼が再びカガリの目の前に姿を現した時は驚いたものだ。

    「カガリ?」

    思考に呑まれ、歩調を緩めて距離が離れていくカガリにアスランは呼びかけ、来た道を戻る。大丈夫か?と心配そうに歩み寄ってくるアスランに平気だと伝える。

    「少しボーッとしてただけだ」

    心配するなと伝えれば、不安か?と主語なく問うてくるアスランに何がだよ。とその意味を分かっていながらもカガリは恍ける。不安、なのだろうか。
    数日後に正式にオーブ代表首長就任を控えているカガリに、不安という文字は許されない。未だ混乱が続く世界情勢で、早く国の行く先を示してやる事が今は大切で、国民はそれを求めている。不安などとは言っていられないのだ。カガリはアスランと出会ったあの頃の様な自分では、もういられない。

    「行こう、アスラン」

    何か言いたそうな翠眼に気付かない振りをして、カガリは歩みを再開する。
    陽が傾いてオレンジ色に染まる大地に、孤児院から聞こえてくる子どもたちの談笑の声。ラクスの歌声が遠くから聞こえてくる。カガリが今目指す、平和の輪郭を体現したような穏やかな午後がそこにあった。
    海を見つめればその場に似つかわしくない、浅瀬に浮かぶモビルスーツの残骸が未だ残る戦争の爪痕を感じさせ、痛々しい。亡くなった父、ウズミの言葉がカガリの心に反芻する。

    他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない。

    (もう誰にも傷付けさせはしない)

    守る。オーブも、仲間も。

    ――そして、アスランも。
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