森の中での幼馴染とセーマンの話「セーマン…どこだろう…」
森の中をうろつく幼馴染
「おばさんは『また森に薬草を摘みに行ってるわよ』って言ってたけど…えーい、もう呼んだほうが早いな、おーーいセーマンー!!どこだー!?セーーマーン」
「おい、うるさいぞ、森の中で叫ぶな」
「うお!セーマン!」
「何の用だ」
「いやぁお前、前に俺が具合悪かった時薬くれただろ?だからそのお礼にと思ってこれ、お菓子持ってきたんだけど、お前んち行ったら森だって言うからさ…」
「…家に置いてくればよかっただろう、わざわざこんな所にまで来なくても」
「直接渡したかったんだよ!あの時めちゃくちゃ助かったからさ…」
「フ…学校で人権をなくすところだったからな?」
「そうなんだよほんとめちゃくちゃ腹が痛くなって…いやー危なかった…お前がいてくれて本当に助かったよ…ありがとうな」
「…別に、たまたま試作品を持っていただけだ…」
照れ気味に目線をそらすセーマンを見てかわいいなと思う幼馴染
「あ…じゃあこれ…お前に渡しておくよ」
「…今食っていいか」
「え??…い、いいけど…」
「また籠を返しに行くのも面倒だからな」
「あ、そういう…?」
「…散策を続けてちょうど小腹も空いていた」
「それならよかった!」
手頃な丸太に腰掛け、幼馴染の持ってきたお菓子を食べるセーマン
「…どうだ?口に合えばいいんだけど…」
「…ああ、美味いよ、お前の母親は菓子作りが上手いからな」
「いや、これ俺が作ったんだよ!母さんに教わって…」
「!」
「そうか美味いか〜!よかった!頑張って作ったかいがあったぜ!」
ニコニコご満悦な幼馴染。セーマンはそのまま食べ続ける
「お前は食わんのか」
「え?だってお前にあげたものだし…」
「一人では食いきれん。お前も食え」
「…いいの?じゃあ…」