勃起不全🌟から始まるみの司、こは彰になるまで(仮) 星の輝く都会の深夜。
いつもこの時間にはもうベットの上で眠りについている私は、今日は目の前の人と一緒にベッドの上でお互いから目を逸らしながらを顔を真っ赤にしています。
お相手は私の恋人の、未来のスターであり、今日私と一緒にハジメテを迎える、司さんです。
司さんはやっと私と向き合うと、赤い頬に潤んだ目のまま口を開きます。
「は、はなさと……本当に、今日、ヤっても…いいのか?」
途切れ途切れに紡がれた言葉に私も司さんもより顔に熱を帯びます。
「ッ、はい…だいじょうぶ、です……!」
「っそ、そうか…、───それなら、もう、始めても……いいか?」
「……!っ、はいっ!」
私の返事を合図に、司さんは息を呑みながらゆっくりとシャワーを終えた体に纏っていたズボンを下ろして、私の服を脱がせて、下着だけの姿にした私に、その司さんのモノを見せて─────
突然だが俺の学校には変人ワンツーフィニッシュとまとめられている変人二人組がいる。
ちなみに俺の名前は東雲彰人。その変人たちとは学年も違うが謎に二人とも面識を持っている。
変人ワンツーフィニッシュのツーはあの頭のおかしい天才で通っている神代センパイ。
そしてもうひとり、変人ワンツーフィニッシュのワンである、この学校でその声を聞いたことがない人はいないと言うほどバカデカ声の持ち主、自称未来のスターとかいう、何故か俺の相棒の冬弥に尊敬されている人物、天馬司センパイだ。
今日は誰もが快晴と言えるほど太陽が眩しく光る日の昼休み。
俺は何故か、その変人な司センパイに呼び出され、校庭のベンチで仲良く昼飯を───いや、
何故か滅茶苦茶落ち込んでいる司センパイを隣に、よくわからない空気が流れていた。
「っと…司センパイ?なんなんすかアンタらしくもなく落ち込んで…つーか、なんで俺アンタに呼び出されたんですか?」
「……と…助けてくれ……」
「……は?」
「彰人!!!!!!助けてくれ!!!!!!!!!!」
ちっさい声を聞き返した俺に目を伏したままのセンパイのめちゃでかデシベルの声量が直接耳にぶつけられ、俺は思わず脳が震えるような心地になった。つかまじでうるせぇ。
「うっっさ!!!なんなんすかほんとに助けてくれって…俺がアンタにできることなんて」
「……ないんだ。」
「は…?」
あっ、この流れはさっきと同じだ。
またあの大声で何かを叫ばれると思った俺が急いで耳を塞ぐ。
だがその瞬間聞こえてきた声は予想外にか細いもので。
「…たたないんだ。」
「………は?…っと、今、なんて……?」
「っ、だ、だから…!その、ちん…っ、こが……た、たたなかったんだ……!」
「……ぶはっ、」
「っんな……!わ、笑うんじゃない!!!!」
司センパイは顔を真っ赤にして怒っているが、俺は今それどころではなかった。
え?だってあの司センパイが?いっつもバカみたいにうるさくて実際馬鹿な司センパイが?突然俺に相談事してきてその内容がちんこ勃たねぇこととか……
「んぐふっ、ちょ、ちょっと待ってくださ…ぶはっw無理だ!クッソおもしれぇwww」
「だからそんなに笑うんじゃない!!!」
「んはは…ま、まじですみませ…んふふっw、っと…そ、それで…なんで急に俺にそんなこと相談してきたんすか?」
そう、今の質問も十分意味がわからないが、何よりも意味がわからなかったのは何故そんなことを突然俺に相談してきたのか。
司センパイは変人だけど人望はあるから、そんな人に言いづらい話は俺なんかよりもっと関係の深い神代センパイとかクラスメイトに話せばいいものを…
「…クラスメイトは、その……信用はしているのだがあまりそういう話題をするタイミングがなく…類にはそんな話した時にはどんな装置を作られるかわからんし…冬弥、は……」
「あ、すんません冬弥は最初からソウイウ選択肢に入らない前提なんで大丈夫です。」
「…まぁそうだな。っ、とにかく!!教えてくれ彰人!どうすればちんこは勃つんだ!!!」
「いやどうすればっつったって…てゆーか、なんで今更そんなこと聞いてくんだよ。司センパイだってフツーの高校生なんだし、オナニーくらいすんだろ。」
俺が当然のように発した言葉に、司センパイは首を傾け、「おなにー…?」と、その意味をわからない様子でいる。
「……まじかよ。司センパイ…未精通なんすか?」
「ミセイツウ?よくわからんが、そのおなにーとやらの経験はないぞ!」
「…うそだろ……」
センパイの言葉に俺は顔を突っ伏して、今更ながら当たり前のように校内で卑猥な言葉を発した自分が恥ずかしくなってきた。
…ん?てか、今の口ぶりからすると司センパイはオナニーのことなど知らず、さしてソレをやりたいと思っている様子でもなかった。ならば何故、
「なんで司センパイ、ちんこ勃起させたいって思ったんすか?」
「ッ……!!」
俺が疑問を口にした途端、司先輩は今日一番に顔を真っ赤にして瞳をぐるぐるさせている。
司センパイは恥じらいなのか、先程以上に口を小さく開いてゴニョゴニョと何かを発している。いやきこえねーっての。
「なんなんすか?さっきからアンタの声がちっさいとこっちの調子が狂うんすけど…」
「……誰にも言わないと、約束してくれるか…?」
「は?まぁ、俺はちゃんと秘密は守る主義ではありますけど。」
「そ、そうか…それはよかった……っじ、じつは…だな、昨日、恋人の提案で初夜を迎えようとしたのだが」
「ちょっっっっっっっと待ってください?????」
俺はセンパイに放たれた言葉に頭を真っ白にさせられ、暫く脳がソレを処理できなかった。
え?だって今の言葉、恋人って……この人に?あの司センパイに?あの変人に……
「司センパイに彼女が!?!?!??!?!?」
「わ”ーーー!!まて!声がでかいぞ彰人!!!」
「いやいつものアンタほどじゃねぇよつか、はまじで彼女いるんすかアンタ」
「む…わ、悪いか、俺に彼女がいて……」
「…いや、悪くはないんすけど、……ちょっと気になりますね。どんな人なんすか?司センパイのカノジョ。」
俺が聞くと、司センパイはさっきの恥じた顔はどこへやら、目をキラキラと輝かせて話しだした。
「ふふん!俺の恋人はな…!アイドルをやっているため彰人でも名前は伏せさせてもらうが、とにかく勇気があって、とてつもなく可愛くて、勇気があって…!もともとルックスも歌唱力もかなりの物なのだが、彼女は夢のために、人々に希望を届けるアイドルになるためにと一切調子に乗らず、努力を怠らないのだ!そんな彼女の熱心なプロポーズに俺は惹かれ……!俺たちは付き合ったというわけだ!!」
「へー、そうなんすか……」
なんだろう、『人々に希望を届けるアイドル』に『努力家』……それってもしかしなくてもアイツ、花里のことなんじゃねぇのか?
花里とはよく草薙、星乃たちと一緒にビビバズで特訓に付き合ってやってるから覚えている。まさかアイツが司センパイの彼女だったとはな……てか『希望を届けるアイドル』ってほぼ花里以外言わねぇだろ。面識あったら確定じゃねぇか。
まぁ、司センパイが花里に気ぃ使って名前伏してんだし、ここは黙っとくか。
「……で?その彼女とヤろうとしたらちんこ勃起しなかったってことすか?」
「っ……!ま、まぁそうなるな……」
「へぇー……」
司センパイ、精通知らなかったくらいだしほとんど花里の提案だったんだろうな。
…意外だな、アイツ、ソウイウコトにグイグイ行くタイプだとは思ってなかったんだが……
ま、人の彼女のそんな事考えたって野暮なだけか。
「ちなみに司センパイ、それ、勃起しねーってなるまでにどんなことしてもらったんすか?」
俺が聞くと司センパイはその時のことを思い出しているのか顔を紅潮させ、
「ぅ……えっと、まずは、その、彼女の、か…からだ、を…見ながら…ネットで調べた通りに擦ってみたのだが、特になんともなく……彼女の手でやってもらったり、く、くちで…やってもらったりもしたのだが……本当に俺のがびくともせず、最終的に彼女が自信をなくして泣きだしてしまい……添い寝だけして、おわった……」
「うっわ気まず。」
てかほんとに花里も結構するな。あと思った以上に知り合い同士のソウイウ事情聞くのはキツイ。
「えーと、いちお確認なんすけど、司センパイは花さ…彼女サンに、ちゃんと好意もってますか?」
「も、もちろんだ!俺は好きでもない人に慈悲でも付き合うようなことは、人の心を弄ぶようなことはせん!」
「…まぁ、あんたはそういうひとですよね。……じゃあフツウに、センパイ勃起不全なんじゃないすか?」
「………?ぼっき、ふぜん?」
まぁ、オナニーも精通も知らねぇ時点で察してはいたけど、そりゃ知らねぇよな。
「…まぁ、簡単に言うとなんらかの現象でちんこ勃たねぇ症状のことっすよ。あんたがちゃんと彼女サンに好意持ってんなら、ソレ以外はまず無いと思いますよ。」
「なるほど………それは、治療方法とかあるのか…?」
「いや、俺もそこまで詳しくないんで知らないっすよ。気になんなら自分で調べればいいんじゃないですか?」
「む、そうだな……」
司センパイはスマホを取り出すと、タタタと素早く文字をうち検索をかける。
あんなに彼女が花里だとは隠している様子だったのに壁紙には楽しさ全開な様子の二人のツーショットを設定している。
そこは気をつけろよ未来のスター。
「ふむふむ…勃起不全が起きる原因は過度なストレスまたは体に異常があること……ならば俺のこれは体の異常の方だろうか…?この俺のストレスになるものなどそうそうないからな!!!」
「……まぁ、確かにアンタはストレスとかなさそうっすよね。……で、どうすんすか?体の問題なら病院とか行った方がいいんじゃ…」
「……行けると思うか?この理由で……」
「っスね……」
まぁセンパイじゃなくてもキツいわなそんなの。
「…兎に角、理由がわかっただけも一安心だ!相談に乗ってくれてありがとう!彰人!──今日もはなさ……こ、恋人の!両親は不在のようでな。今日にでもこのことを話しておこうと思う。それで、今後のソウイウ事情について、色々どうするかを決め出なばな!」
「いいと思いますよ。そういうの。花里のことだし、そういうのはちゃんとわかってくれると思いますよ。」
「うむ!………って、なにぃな、何故彰人が花里のことを…俺の恋人が花里だという事を知って…」
「やっべ、てか司センパイ…あれで本気で隠せているつもりだったんすか?花里知ってるやつだったら即バレでしたよ。」
「なんだとこの俺の完璧な演技が崩れるとは…!これが恋の力というのか恐ろしい…!」
「ふはっ、んだよそれ……」
そこからは他愛もない話ばかりをして、途中から合流してきた冬弥や神代センパイも混じって、さっきまでしていた話こそ出さなかったものの、普通の高校生男子みてぇに普通に馬鹿みたいに笑って、残りの昼休みの時間を潰した。
だからそんな平和な第一部の終幕を経て、誰が翌日にあんなことにあると想像できただろうか。
「うううぅ……!どうしようこはねちゃん…!どうしよう〜!!!」
とある日の朝。私は私が来た数分後に教室に入ってきたみのりちゃんに「おはよう」と、いつものように笑顔で挨拶をした時、みのりちゃんは突然目に涙を浮かべて、席に座っていた私に抱きついてきました。
「わっ!ど、どうしたのみのりちゃん…?」
「どうしよう…どうしよう私…!どうしよう〜!!」
「え、えーっとみのりちゃん、まずはどうしたのか説明してくれないかな…?」
よほど混乱しているのか、「どうしよう」という言葉だけを繰り返すみのりちゃんに少し困りながら宥めるように聞き返すと、暫くしてから少しは落ち着いたのか、みのりちゃんはまた口を開く。
「え、えぇっと…じつは、私のおうち、昨日は仕事でお父さんもお母さんもいなくて…」
「へぇ…それは大変だったね……あ、もしかして、それで色々家事ができなくてへましちゃったとか…」
「ううん!そんなんじゃないの!」
じゃあどうしたの?と聞くと、今度はなぜか顔を真っ赤にするみのりちゃん。
急にもじもじしだした表情に、やっぱりみのりちゃんはアイドル目指してるだけあって可愛いなぁと呑気思っていた時、衝撃的な言葉が飛んできた。
「実は私、つ…司さんと付き合ってる、んだけど……」
「「え!?!?!?!?」」
まさかの言葉に私が大声を上げると、ちょうど近くを通っていて聞こえてしまったらしい志歩ちゃんも一緒に大きな声を上げる。
「ちょ…こはねちゃん志歩ちゃん!声が大きいよ〜!」
「え、いや待ってみのり今の話どういうことえ、司さんってあの……」
「フェニランで座長さんとしてショーしてて、咲希ちゃんのお兄さんのあの司さん…のこと?」
「う…うん……!」
顔を真っ赤にしながら頷くみのりちゃんに、私と志歩ちゃんは思わず驚きで顔を見合ってしまった。
私もかなり驚いているけど、小さい頃から司さんと知り合いだった志歩ちゃんは私よりもずっと驚いている様子で、逆に私はなんか落ち着いてきちゃった。
「えっと、とりあえず…おめでとう!みのりちゃん、前からよく司さんのことかっこいいって話してたしね。」
「…正直今驚きのが勝っちゃってるんだけど…よかったね。みのり。…ちなみにどれくらい前から付き合ってたの?」
「え…えへへ……ありがとう、ふたりとも!つ、付き合い始めたのは、私が一ヶ月前くらいに告白して、無事にオッケーもらえちゃって…!」
「もらえちゃってって、変な言い方。…で、なんで今その話振り出したの?みのりは。」
志歩ちゃんが弱く微笑みながら聞いた時、みのりちゃんは元々赤く染まっていた更にボンッ!と真っ赤にて、先程以上におぼつかない口で話します。
「あ…のね、実は昨日、せっかくの祝日だったしで、司さんと一緒に遊びに行った…んですよ。」
「なんで敬語なってるわけ?まぁ良かったじゃん、デートでしょ?それ。」
志歩ちゃんがからかうような口調で言った言葉に、これはまたみのりちゃん照れちゃうなぁと思いながらみのりちゃんに向き直ると、みのりちゃんは照れこそしていたものの、私達がいつものみのりちゃんから想像するようなわたわたした感じじゃなくて、小さな声で「うん……」と発したことに志歩ちゃんと一緒に、どうしたんだろう、とまた顔を向け合う。
その時、みのりちゃんは小さく口を開いて、本日二回目の衝撃的なことを告げてきた。
「実はそのあと、私のうち…に、泊まることになったんです。私と司さんの二人っきり……で。」
「「へぇー………えぇっ!?!?!?!??!!」」
みのりちゃんがひゃ〜っと、火照る頬を冷ますように仰いでいるけど、私達の頭の中も沸騰しそうなほどに、その衝撃で熱を帯びていた。
だって、さっきみのりちゃんから聞いた昨日はみのりちゃんのお父さんもお母さんもお家にいなかったという事実、そしてそんな日に、付き合っている健全な高校生男女の二人が二人だけで彼女の家でお泊りをしたという事実。
そこからその時にナニをしたかを想像するのなんて、今を生きる女子高生の二人には容易なことだった。
いや、でも、あの司さんと、あのみのりちゃんが…アレを……?
私と思ったことは同じなのか、志歩ちゃんはみのりの言い方の語弊であれと願うように、動揺しつつもいつものような調子を装ってみのりちゃんに向けて口を開く。
「えと、みのり……その、その言い方だと、ちょっと誤解が生まれちゃうみたいな……ほら、今の言い方だと、まるでみのりが司さんとソウイウ……」
「……ソウイウ行為を、しようとしました………」
ガターン!!!
「わっ日野森さん大丈夫って、わぁああ!?!日野森さんが白目向いて気絶しちゃってる!!」
「ちょ…誰か保健室!日野森さん保健室に連れてってあげて!!」
「はわわ…!志歩ちゃん大丈夫ど、どうして……」
「いや…多分、というか確実に今の話の流れですっごいびっくりしちゃったんだと思う……えっと、わ、私達が志歩ちゃんのこと保健室連れてってくるから、先生が来たら事情の説明お願いしていい…かな?」
私達が倒れた志歩ちゃんの体を支えると、近くにいたクラスメイトの子たちは困惑しながらも「う、うん、わかった…」「ひ、日野森さんお大事にー!」と、声を上げてくれた。
私達のせいでざわざわとどよめいてしまった教室から二人揃って志歩ちゃんの肩を支えて、逃げるように出ていく。
保健室についた時にはちょうどホームルーム開始のチャイムが鳴ってしまい、保健室の先生がいなかったから勝手にベッドを借りて志歩ちゃんの体を寝かせる。
その時に、ベッドといえば、と、先程の会話の内容でみのりちゃんと司さんが致したことを思い出して、また私の顔に熱が戻る。
「え、えーっと…みのりちゃん、こんな時だけど…さっきの話の続きって、聞いていい…?」
私が聞くと、みのりちゃんは先程まで志歩ちゃんの心配で染まっていた顔を私同様にボンッ!と赤く戻して、「う、うん…いいよ……!」と、意を決したように頷いてくれた。
「えっと、実は、その……司さんといざ、その…ソレをしようとしたときに、なんか…つ、司さん…のが、た、たたなくって……!」
みのりちゃんは話しながら顔の紅潮が止まることはなく、このまま話続けたらトマトみたいになっちゃうんじゃないかなってくらい真っ赤っかだ。
そして私もみのりちゃんの放った言葉につられて顔を赤くしちゃう。
「えっと…その、司さんの……って…あ、アレ……のこと?」
「う、うん……!」
「そ、そっかぁ……ぇっ…っと、み、みのりちゃんたちはその……ど、どこまでシたの?」
「? どこまでって……」
「えっと、その司さんの……を、た、たたせるために。」
「えっ、あっ!え、えっと……そ、その…ま、まず、私の体を見て、司さんがしてたんだけど……そ、それでもだめで、私の手とか…く、くちとか、つかって……!」
「ふぇっそ、そんなことまで……」
慣れないその手の