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    藤 夜

    成人⬆️基本は夏五!書くのは夏五!!ほのぼのいちゃいちゃを日々妄想中^ ^

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    藤 夜

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    教師×教師の平和軸
    pixiv掲載『巡る季節 巡る想い』より6月
    お昼ご飯ぐらいひとりでゆっくり食べさせて欲しいと、いちやつくふたりにため息をつく七海視点のお話です。

    #夏五
    GeGo

    【水無月】 焼けたばかりの香ばしいパンの匂いと、香しいコーヒーの匂いに囲まれて、地元のFM放送が控えめに流れてくる。晴れた日には燦燦と陽射しが降り注ぐテーブル席と、奥まった場所に数席のカウンター。合せても両手足で事足りる客席のこの店は、販売がメインで、飲食コーナーは焼きたてを食べたい常連客の要望で出来上がったらしい。短時間で軽食を済まして席を立つ営業マンもいれば、パソコンを開いてそのまま仕事をしているスーツ姿も見受けられる。おしゃれと言うには、物足りないのだろうが、私には不要な要素だし、美味しくて好きに時間を過ごせるパン屋なので、気に入っている店のひとつだ。当然、パンの味はどれもいい。
     音を立てて降り出した雨に、パソコンもあるしもう暫くここで仕事をしようと鞄を手元に引き寄せた。
    「ひっどい雨だな」
    「だから傘がいるって言っただろう」
    「朝は晴れてたじゃん」
    「ゲリラ豪雨なんて、往々にしてそんなものだよ」
     聞き覚えのある声に、思わず顔を背けたが、狭い店内だ。
    「あれ、七海。どうしたの、こんなところで」
     能天気に店内に響く声に、顔を顰めて返事はせず、代わりにため息が出た。
     こちらの態度にはお構いなしで、空いている隣のスツールに腰を下ろされた。
    「七海もごはん」
    「人のテリトリー、荒らさないでください」
    「七海のテリトリーなんて知らないよ。どれ、おいしいの」
    「どれもおいしいから常連なんですよ」
    「だって。傑は何にする」
     再び席を立って店内を眺めはじめた。せっかく静かだったのにあの人と一緒にごはんとか、勘弁して欲しい。定時で終わる予定だった仕事に危うさが伴い始める。
     肩を並べてパンを選ぶふたりは、大雨の中を入ってきたわりに、殆ど濡れることなくさっぱりとしたものだ。
     来なくてもいいのに、再び隣に並んで座る五条さんの隣に、当然のように夏油さんも腰を下ろした。
    「お昼だし、雨宿りもできて、丁度よかったよ」
    「あなたは別に、雨宿りとか、必要ないでしょう」
    「僕はねー。でも、傑もいるし」
    「だから私は傘を取りにいくって言ったのに、悟が勝手に行っちゃうからだろ」
     そう言いながら、五条さんの取り皿に、ふたつ入りの卵サンドをひとつ乗せている。喧嘩しているのか、世話を焼くのか、どちらかにして欲しい。
    「マンゴーサンド、傑も食べたい」
    「私はいいいよ。あっ、でも少しは気になるな」
    「それじゃ、はい」
     右隣に体を向けて、手にしたサンドイッチをそのまま隣の口元に差し向けると、夏油さんのさらりと長い髪が流れて、サンドイッチが隠れた。
    「おいしいね、これ」
    「だろ。さっきのパインも甘酸っぱくてうまかったけど、マンゴーのとろっとした甘さの方が生クリームにあってる」
     わかっていたけれど、フルーツサンドはごはんじゃないです、五条さん。
    「卵も食べなよ。ツナもあるけど」
    「食べる。今食べてるのもうまそう」
    「ああ、生ハムとアボガドだけど」
     あーんと開けた口許にサンドイッチを寄せると、ぱくりと唇を這わせた。雛の餌付けじゃあるまいし。
    「夏油さんが濡れるからって理由にしても、降られていないようですね」
    「んっ、ああ。俺が手、繋いでたし」
     傑、と呼び掛けて掌を差し向けると、その上に夏油さんが掌を重ねた。そのまま、するりと指を絡めて手を繋ぐ。いや、再現してくれなくてもいいし、何故、指まで絡める必要があるのか。
    「だけど、傑が手を繋いでいるも、大雨なのに傘も差さず濡れてもいないのは目立つからって言うからさ」
    「当然です」
    「別に僕はさ」
    「ほら、七海だってこう言っているだろう」
    「まあ、おいしいマンゴーサンド、食べられたからいいけど。また来ような」
     頬を緩めてご満悦な様子に、思わずため息をついた。
    「私のテリトリーを荒らさないでください」
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    藤 夜

    DONE生徒たちのクリスマス会からの、ふたりだけで、一緒に過ごす、しあわせな時間。
    離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)
    キヨシキョシ 悟視点 
    【雪が融けるまで725秒】にあわせて支部に掲載したお話より再掲
    ◆五◆ 好き クリスマスケーキにシャンメリー、ケンタのチキンをメインにデリバリーのデリカが所狭しと並んでいる。悠仁と恵が飾り付けたのか、壁や天井に星を始めとした色とりどりのポップな装飾がなされ、楽しげな雰囲気満載だ。
    「先生も食べていけばいいのに」
     当然だと言わんばかりに声を掛けてくれるのは優しい悠仁ならではで、当然嬉しくもあるけれど、それはそれで少々困る時もある。
    「こういうのは学生だけの方が盛り上がるよ、ね、憂太」
    「ええっと、でも先生も」
    「気を遣うことないって。どうせこいつはさっさと帰りたいだけだろ」
     同じく優しさの塊と言いたいところではあるけれど言い切れない乙骨が、助けを乞うように視線を向け小首を傾げて微笑むと、隣にいた真希に、冷ややかな視線と共にばっさりと切り捨てられた。それでも目の奥が笑っているので、僕たちふたりの様子を見慣れた彼女たちは、またかと呆れているだけだろう。憂太に頷いて貰う前に角が立つことなく帰れるからいいけれど。
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    藤 夜

    DONE離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)
    教師if 伏黒視点 
    例年別々に過ごすイブを、珍しく伏黒姉弟と一緒にケーキ作りをする夏五のお話
    【雪が融けるまで725秒】にあわせて支部に掲載したお話より再掲
    ◆三◆ スカイブルー「それじゃ、僕と一緒に恵たちとケーキ作ろうぜ」
     故あって保護者の真似事のようなことをしている姉妹が私にはいて、毎年クリスマスには彼女たちと一緒にケーキを作ってささやかなクリスマス会をし、サンタクロースの真似事をしていた。それが今年は、
    「私たちだけで作ったケーキを夏油様に食べて貰いたいから準備ができるまで他所のお家で遊んできて」
     と言われてしまった。成長が喜ばしくもあり、寂しくもあり、ならば非常勤として働いている高専で事務仕事を片付けようと思っていた所に、悟に声を掛けられた。
     彼にも保護者と言うより後見人として面倒を見ている姉弟がいる。こちらはクリスマスに一緒にいても鋭い目つきで邪険にされるそうだが、それは表面上だけで、それなりに楽しんでくれているみたいだから、と毎年ケーキやらプレゼントやらを携えていそいそと出掛けていく。紆余曲折があった上でクリスマスは一緒に過ごしたい間柄になったにも関わらず、優先すべき相手がいることに互いに不満を言うことはない。私はそんな悟だからこそ大切だし、悟だって私のことは承知している。それでも世の浮かれたカップルを見れば羨ましくなるのは当然で、イブじゃなくてクリスマスに一緒に過ごすようになった。
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    藤 夜

    DONE離反ifのクリスマス短編集、テーマはキスのひとりアンソロです(笑)
    教師×教師 虎杖視点 
    クリスマスプレゼントにまつわる惚気のひと幕

    【雪が融けるまで725秒】の開催、おめでとうございます&ありがとうございます♪
    ひと足先にサンプルがわりに第1話を掲載します^^
    ◆一◆ 久遠「しょうがない、伏黒が迎えに来るまではここで寝てなよ」
     そう言って家入は空いているベッドを指差した。申し訳なさに仕事は、と問えば、
    「仕事納めはまだ先だから、私のことは気にしなくてもいいよ」
     積み上がった書類の奥で目元を細めて頷かれた。閉じたカーテンの向こう側にあるベッドに寝転ぶと、冷えたシーツが火照った肌に心地よく、横たわれば楽になった体に、疲れていたのだと実感した。
     クリスマス明け、最後の任務に出掛けたところでやけに暑いと感じたら、伏黒に思いっきりどやされた。どうやら珍しく風邪を引いたらしい。ただ、風邪なのか、呪霊に中てられたのか、イマイチ判断がつきかねるからと、怒鳴った伏黒に連れられてやってきた医務室で様子見と相成った。まあ、伏黒が俺の代わりにまとめて報告書を作成して、提出してくるまでの間、寝て待っていろ。と言うのが正しいのだろう。年末だから年内に提出しとけって言うなら、こんな年の瀬に駆り出さなくてもと思わなくもないけれど、年の瀬だからこそ、刈り取れる危険は摘んでおけと言う理屈も当然理解はできる。猶予があるからとクリスマスに予定を入れられなかっただけで、御の字なのだろう。
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    sausage_pasta

    DOODLE夏五夏 我咒你生生世世
    夏油杰火化if
    夏油杰死得很干净,烧起来也和普通人一样快捷,只需半小时就可以去挑拣遗骨了。
    他家远房亲戚一个未接,全当他们一家三口是宇宙灾星,五条悟一通电话打去,对面直接拔了电话线,过两天估计连整个座机都会彻底换掉。没办法,五条认命,他自己去挑骨头。夏油杰,你不要怨我啊,五条说,我第一次给人拣骨头,还得给你收拾烂摊子,等你到阿鼻地狱,记得向阎罗王多说点我的好话。骨感夏油杰不吭声,在他面前裸露两根大腿骨,五条张嘴就打了一个喷嚏,吹掉数点夏油杰。还是算了,五条说,你闻着好呛啊,你死了都想呛死我。我要给你选一块最便宜的墓碑,挑最简单的葬礼套餐,把你插到东京最不值钱的墓园里,十年只看你一次,余下给你置办下葬的钱用来买好多香蕉巧克力可丽饼,我一个人吃不完就和我的学生一起吃,没想到吧夏油杰,我有好多可爱的学生哦。
    五条悟第一次嫌弃安静。一年后五条扫墓,遥想夏油杰死前惨状,他没了半边身子也要扯着笑,五条好反胃,他想夏油杰说自己没有真心笑过,那你有没有真心哭过。
    夏油杰说这样吧,我们给彼此下咒,然后你就可以为我收尸。
    夏油杰说我咒你生生世世……
    五条翻起白眼,在墓前吃完一整盒上生果子,给墓碑浇一整瓶矿泉水,看碑上夏油 1680