短編誰かが言い出した、ロシアンたこ焼きでハズレた奴が難易度高そうな男に声をかけてHOTELに誘う罰ゲーム。大学のサークルの飲み会で始まったゲームにその席から離れた場所で飲んでいた虎杖悠仁は呆れながら、目の前の仲良し2人と飲んでいた。
「またくだらない事やり始めたな」
同じテーブルで紅一点の釘崎野薔薇は呆れながらそっちのテーブルを見つめる。
「元々、ノリの集まりだからなあいつら」
釘崎の隣のイケメン、伏黒恵も呆れていた。ようやく飲めるようになった悠仁も参加する予定も無く目の前のグラスを煽る。
「女子になったら問題だよなあれ」
「そうね・・下手したら事件よ」
悠仁は目の前の唐揚げを摘むと立ち上がる。
「先輩~!それ男限定にしない?そっちの方が受けるって」
手を上げて提案する悠仁に何人かは賛成し、ガラの悪い数人が嫌そうな顔をする。
「イヤイヤ、ハイスペックな男を狙いから女の子居ても大丈夫だってーなぁー?」
悪ノリで誤魔化そうとする男に悠仁はニコリ笑い。
「でもそのハイスペックの女の子好み合致したら危なくない?それこそこのサークル無くなるし、もしかして何かあって同意って言われたら辛くなるの女の子だぜ?」
悠仁の言葉にその場にいた女の子が青ざめる。この国はまだそんな犯罪にはどうしても被害者にも非がある様に言い出す国だ。悠仁の言葉に周りも静かになり、何人かは舌打ちをしていた。
「仕込みね」
野薔薇の言葉に伏黒もため息をつく。
「最悪だな」
「・・・・・」
嫌そうな顔の伏黒に悠仁も黙るしか無かった。
「このサークルも終わりかな」
悠仁が座りなおすと再度唐揚げを摘む。
「虎杖唐揚げ食べ過ぎ」
「えっ?釘崎、ケチいいじゃんたくさんあるし」
「でも食い過ぎ」
伏黒と釘崎に注意されて悠仁は唇を尖らせる。
「虎杖、伏黒お前らも参加だからな!」
賛成していたメンバーに言われて断れない雰囲気に伏黒が舌打ちしていたが、女の子達は安心したように飲み始めた。
「悪ぃ伏黒~」
「いい・・胸糞悪くなるよりは」
2人で立ち上がりたこ焼きの前に座る。女子不参加に嫌がっていた奴らに当たれば良いのにと思いながら、伏黒と悠仁はたこ焼きの爪楊枝を選び丸ごと口に入れたのだった。
「はぁ~なんでぇ俺になるんだよ・・・」
情けない声に皆が声を殺して笑う。
「言い出しっぺの法則だな」
表情を崩さない伏黒を睨みながら悠仁は項垂れる。悠仁が引き当てたロシアンたこ焼きの罰ゲーム。ガラの悪い連中はさっさと帰って行ったので本当に罰ゲームを楽しむ子供の様なメンバーばかりだった。
「ねぇあの人は!」
一人の子が指さす先には高身長で身に付けているのはブランド物、綺麗な銀髪でサングラスはしているが見た感じ顔付きは整って居るのが分かる。
「ハードル高くないっスか?」
驚く悠仁に皆が罰ゲームだからと笑いながらいい、悠仁もあんなイケメンが男の自分に落ちる訳いと思いながら歩き出す。皆が楽しそうに笑うのを聞きながらやけくそになり、走り出して男性の前に立つ。
「あの!すいません」
「・・・・なに?」
突然現れた悠仁に男は嫌そうな表情を浮かべる。悠仁は苦笑いしながら柔らかなピンクブラウンの髪をくしゃくしゃとかいた。
「何か用?」
どこか甘い声は少し冷たい。
「あの・・一晩俺と遊んでくれん?」
「・・・君男だよね?」
眉間に皺を寄せる男性に悠仁はしゅんと無意識に項垂れた。
「ですよね?」
はっはっと乾いた笑いを受けながら、これで終わりと思い立ち去ろうとした瞬間、悠仁の手首が強い力で握られる。
「タチ?ネコ?」
「ふぇ?」
不意に言われた言葉に悠仁は戸惑いながら振り返る。
「・・・ち・・ネコ」
質問を繰り返した悠仁に男性はニンマリ微笑んだ。
「ネコなんだ、良いよじゃ行こうか?」
「・・・行くって?」
「ホテルだよ?僕さ、見た目からネコ頼まれるんだけど、バリバリタチだから君みたいな子が良くて」
不意に抱き寄せられた腰に悠仁の体が跳ねる。
「可愛い反応だね?慣れてないの?」
サングラス越しに見えた綺麗な青い瞳に悠仁は息を飲む。
「あの・・やっぱり辞めます」
「今更だよ?緊張してるの?可愛いね」
強く腰を引き寄せられて歩き出せば、悠仁は怖くなり皆の方を向く。
「何を見てるの?転ぶから前をみなよなよ」
「えっ・・はい」
暫く歩くと目の前に黒塗りの車が見えて来て悠仁はその車に押し込まれると、男も乗って来た。
「五条さん彼は?」
運転席から声がして彼の名前一部がわかった。サングラスが外されて以外に広い車のシートに押し倒される。
「あっ・・離して」
相手の体を押せばその手を握られて顔を覗きこまれ
「七海、暫く遊ぶから気にしなくて良いよ」
その言葉に悠仁は青ざめる。
「やだぁ離せ、下ろせって」
「自分から誘ったんだろ?何騒いでんの?」
ちゅうとキスされて服の中に手が入ってくる。そして胸の辺りを撫でられて、確実に相手のしたいことを理解した悠仁は、怖くて体が動かなくなる。
「そうそういい子にしてたら気持ちよくしてあげる、虎杖悠仁君」
くすくす笑いながら五条に唇を重ねられて震えるてで相手の体を押すがピクトもしない、それどころかキスをされて力が抜け。
「名前・・なんでぇ・・・やだぁさわるなぁ」
「うん?お店で女の子物色させてたら、君が邪魔したんだよ悠仁」
キスから解放されて顔を背けると耳にキスをされて体を抱くようにきゅうと丸々。
「あのまま女の子を渡してたら悠仁は、男の子で居れたのに」
何処か楽しそうな五条に悠仁はぎゅうと目を閉じる。今まで喧嘩に負けたことも無いし、体力だって十分にあるのに怖くて動けない。
「勇敢な悠仁を評して優しく処女もらってあげるね」
「いやだ!やだぁぁ!」
「抵抗されるともえるね・・可愛いよ悠仁」
「やだ!やだやだやだやだやだやだ」
楽しげに笑う五条は目の前の悠仁を限界まで犯すのだった。
あの後悠仁が目を覚ましたのは知らない部屋だった。高級そうなベットに寝ている時分は服を着ておらず、その上左耳にじんじんする痛み。手を伸ばして触れてみると
ピアスがはめられていた。
「おはよう!悠仁」
昨日と打って変わった様な甘い声に悠仁は起き上がろうとするが体が動かない。
「あれだけしたら、流石に動けないよ」
楽しそうな男は五条悟、この辺のやばい職業の跡取りらしい。
「ゔぅぅ・・」
「あはぁ!声も出ないか?あんだけ抱かれたらそうか」
ギシッとベッドが軋み五条は悠仁を見下ろす。
「僕さぁ悠仁が気に入ったんだ、だから恋人にしてるあげるね」
悠仁の体から薄手の掛け布団をどけると五条は悠仁に覆い被さる。何をされるか理解した悠仁は逃げようとするが体は動かない。
「ほら恋人にしてやるんだから喜べよ?それとも性欲処理になりたいの?」
その言葉に悠仁は首を左右にふる。
「恋人になれて嬉しい?」
その言葉に悠仁はこくこくと頷く。すると五条は悠仁に優しくキスをする。
「いい子の悠仁は大好きだよ」
「・・・・あっ」
左の耳朶を触られて悠仁はそこに手を伸ばす。
「ピアス、僕の瞳と同じ色の石だよ」
そう言われて悠仁は相手の右耳に手を伸ばす、綺麗な青色の石
「悠仁と同じピアス、ずっと一緒に居ようね悠仁」
再度重なる唇を悠仁は素直に受け止めるのだった。そして虎杖悠仁は大学からも世間からも消えた。警察の捜索も家でと片付けられた。
「お母さん」
「・・・んっ」
あれから数年、悠仁の目の前に5歳ぐらいと2歳ぐらいの子供が立って居て後ろにバツの悪そうな五条がいた。
「悟さん隠し子居たんだ」
「違う!俺の子だけど俺の子じゃない」
じっとりと睨まれて五条は焦り出す。幼い奥さんに五条は頭が上がらない。可愛くて仕方ない悠仁に睨まれて泣きそうにな顔になり、もうすぐ頭になるのにと思いながら吹き出した。
「知ってる夏油さんから聞いた」
「言っとくけど女には触れてないから」
「うん!俺のためだよね?」
「悠仁が居るのに触りたくないよ」
ちゅうとキスをしながら五条は悠仁を抱きしめた。悠仁を嫁にする条件に五条は子供を残すしかなく、そこら辺女に金を払い人工で妊娠させた。悠仁は五条から体を離して子供に目線を合わせる。
「えないな、お母さんって呼べるんだ」
その言葉に2人はこくんと頷いた。悠仁はニコリと笑い五条を見上げる。
「可愛いね!悟さんに似てる」
「そう良かった」
「お父さんにご挨拶した?」
「お父さん?」
「うさん?」
悠仁の言葉に子供が振り返る、五条は戸惑いながら見下ろす。
「こんにちは」
「ちは」
そう言われて五条は悠仁を見つめた。
「ゆっくり家族になればいいんじゃない?」
「そうだね」
五条は大きな子供を抱っこして、悠仁は小さな子の手を引いた。
「服でも買いに行こうか?」
「いいな俺、外食したい!」
五条の提案に悠仁も甘える、数年後この兄弟にピンクブラウンの髪の妹が増え、五条と兄弟が溺愛するのであった。