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    ofuku530

    おふく@ofuku530です!
    五悠、伏宿伏などのお話を書いていきます!
    18歳以下(高校生を含む)の方は御遠慮下さい

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    ofuku530

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    こんばんは(*^^*)

    今回は珍しくエッチなし五悠です!本当はいれたかったのですが今回はやめました‪w
    番外編かな(๑-﹏-๑)有ればですが。
    読んでいただけたら幸いです。

    注意

    五条×呪詛悠仁
    ちょいちょいご都合呪物やご都合呪力などがあります。
    後半にグロいシーンが少しあり
    誤字脱字はスルーでお願いいたします。

    #五悠
    fiveYo

    大好きな君が持つ勿忘草「悠仁!おはよう」
    柔らかい声にマイマスクで隠された瞳がきっと細められていて口元は優しく円を描く、綺麗な銀色の髪が風に揺れていて、朝日で輝く。
    「おはよう!五条先生!」
    悠仁は一瞬驚くがすぐに花が咲いたような笑顔で五条に大きく手を振る。五条がゆっくり近づいてくると悠仁も駆け寄る。
    「うわぁ!」
    「悠仁は素直で可愛いな!2人も見習いなよ」
    抱き寄せられて頭を撫でられて悠仁は頬を赤くする。
    「はぁ?虎杖はあんたの恋人だから素直なんだよ!」
    「虎杖、趣味が悪い」
    「ちょっと恵!それは酷いよ!」
    自分を抜いて騒ぐ3人に悠仁は目の前の大きくて優しい体に抱きついた。
    「どうしたの悠仁?」
    悠仁はどこ寂しそうにはにかんだ。
    「五条先生!好きだぜ」
    「僕もだよ!悠仁」
    「はぁ・・・」
    「・・・・・」
    2人のやり取りに呆れる同級生達に悠仁は五条の体に顔を押し付ける。あと2週間で悠仁はここから居なくなる、そして高専の皆から、五条の記憶から高専の虎杖悠仁は居なくなり、呪詛師の虎杖悠仁に戻り敵対するのだ。

    月明かりの下、1級クラスの呪霊を祓う1人の青年に悠仁は目を奪われた。

    特級呪術師・五条悟

    無駄な動きの無いスマートな戦い方、悠仁はその呪霊を倒しに来た訳でわないのだがたまたま出くわして、邪魔だなと思い手を掛けようとしたら五条が現れた。出会ったら逃げろ、そう教わっていた。でも動けなかった、月夜に照らされる銀髪、アイマスクが外されて輝く宝石の様な青い瞳、柔らかそうな唇に引き締まった体付き。かっこいいと悠仁は素直に思った。
    「君はこんな所で何をしてるのかな?」
    「ふぇ?うわぁ!びっくりした!」
    悠仁は驚いて飛び上がると綺麗な顔が近づけられる。
    「ふっふふ!可愛ね?でも呪詛師かな?悪い事した帰りなら、お仕置きしないとね?」
    言葉は優しいのに彼から感じる気配はとてつもなく冷たくて悠仁は固まる。
    「今日はまだ悪い事して無い」
    「今日はまだか?」
    五条は顎の下に手を置くと考え始める。
    「いくつ?」
    「15」
    「中学生なの?」
    少し驚かれて悠仁はあははっと笑って見せた。
    「学校行ってたら高校生だよ」
    「行ってないの?」
    「うん!必要ないって」
    「誰が?」
    それには悠仁が笑って指を唇の前に置く。しーのジェスチャーに五条も笑う。
    「以外にしっかり知るね君」
    「五条さんが聞きたい情報なんて俺持ってねぇよ」
    「僕の名前知ってるんだ」
    嬉しそうな五条に悠仁はハニカム。
    「そりゃ有名人だもんな五条さんは」
    「それってフェアじゃ無いよね?君の名前は」
    「悠仁」
    「もう一声行ってみようか悠仁」
    悠仁の肩を抱きながら五条は揶揄う様に絡む。
    「これが限界かな」
    「う~ん残念だな」
    あははと笑う悠仁が五条を見て笑うのを辞める。
    「殺す?」
    「今日の任務は君を殺す事は入って無いよ、虎杖悠仁」
    「知ってんじゃん・・・」
    「まぁね・・僕最強だよ?」
    虎杖悠仁・・呪詛師の中でも有名な名前。双子の宿儺と共に呪詛師の両親をもち躊躇うことも無く非道に人も呪霊も殺す。危ない存在だと五条は聞いている・・・見つけ次第処刑。
    「・・・五条さんなら殺されてもいいよ」
    「また面白い事を言う子だね悠仁」
    「俺、好きで呪詛師してるわけじゃねぇし」
    何処か寂しげに悠仁は五条を見る。
    「うん?そうだ!悠仁、高校生してみない?」
    「いきなりなんよ?」
    「呪術高専来なよ!呪詛師辞めて、僕の生徒になろ?」
    「えっ?」
    「よし決まり!1週間後に此処にこの時間おいで♡」
    「無理に決まってんじゃん!」
    五条の提案に悠仁が固まる。
    「じゃ制服持って来るから」
    「ねぇ?話聞いてる?五条さん」
    「五条先生!はい決まったよ!来週ね」
    「だから!無理だってんんっ!」
    反論する悠仁の唇を五条の唇が塞ぐ。驚いて逃げようとする頭を抑えて五条は舌を口内に差し込み、くちゅくちゅと激しく舌を絡ませる。
    「んんっ!・・・んくぅ」
    唇が離されてお互いの唇を繋ぐ細い糸が切れると、五条から解放された悠仁はその場に座り込む。
    「必ず来いよ、いいね悠仁」
    「やぁ・・だから」
    渋る悠仁に五条は顔を近づけて口元を歪ませる。
    「はいかYESしか返事は無いんだよ?」
    「は・・はい」
    五条の言葉に悠仁は少し怯えながら答えた。五条はそれを聞いて悠仁から離れる。
    「楽しみにしてるよ悠仁」
    ひらひらと手を振り五条は悠仁の前から居なくなった。そして1週間後、五条は約束通り悠仁に制服を手渡して
    「1週間後に迎えに来るから、その間は人間殺しちゃ駄目だよ?良いね!」
    「お・・おう」
    その後悠仁は人を殺さず1週間を過ごした、五条が迎えに来る7日の朝、悠仁は自宅の蔵からある物を取り出す。1ヶ月間だけ人の記憶を弄れるそれは広い範囲で使え対象人物も選べる。悠仁はそれに自分の血を少し垂らして目を閉じる。

    -高専にいる間五条悟と俺は恋人、他の人は良好な関係-


    目を開けると底には小さな綺麗な玉がある。それを拾い上げて夜を待つと制服に腕を通した。ピッタリのサイズに喜んぶ悠仁。高専のマークのボタンを撫でで少し寂しくなる。1ヶ月後、悠仁は五条悟に殺される。真新しい靴を履いて誰にも見つからないように、屋敷を出ると待ち合わせの場所に向かう。この間の綺麗な満月はかけていて、青白く光る細い月を見ながら悠仁は木にもたれ掛かる。
    「やぁお待たせ」
    「本当に大丈夫なん?バレたら大変なんじゃねの?」
    「大丈夫!大丈夫まっかせなさい!」
    五条は悠仁の肩を抱くと歩き出す。悠仁の頬が少しだけ紅くなるのを見て、五条は口元を綻ばせる。わしゃわしゃと頭を撫でれば恨めしそうに見られて五条は楽しげに喉を鳴らして笑う。
    「悠仁は柴犬みたいだね」
    「なんで?」
    「柴犬ってね、飼い主以外に冷たいんだよ?」
    「へぇ・・だから何?」
    五条は手を繋ぐと悠仁の歩調に合わせる。
    「今はつんつんしときなよ」
    「・・・・懐くとはかぎらんじゃん」
    「そこは懐かせて五条先生って呼ばせてあげるよ」
    「・・・・・好きにしたら」
    悠仁は今は極力、興味のないふりをする。好きだと言う気持ちに蓋をして歩き森を抜け出ると側に1台の車があった。悠仁達はその車に乗ると静かに走り出した。呪詛師が思いつきで人を殺すことなどあまり無い。誰かを呪って欲しい消して欲しと頼まれ、多額のお金が動くのだ。虎杖家は呪術界でも名の知れた呪詛師の家だ。御三家でも度々名前が上がる程、噂が流れる。15年前に跡取りになる双子が生まれたのは五条も聞いていたが名前が上がるのは両面宿儺の力を受け継いだ宿儺で、冷酷非道な子供だとも。一方、双子の兄の悠仁は呪詛師には向いていなく、人を殺すのも呪うのも嫌がり泣いてばかりだと。それを聞いた時から五条は悠仁に興味があった。呪詛師で心優しい子供、そして出会って自分に殺されたいと願った子供。
    「可愛いねぇ、悠仁」
    「はぁ?五条さんいきなり何言い出すんだよ?」
    ドン引く振りをしながら照れる悠仁に五条はその頬に触れる。
    「五条先生って教えたよね?」
    「明日から呼ぶし」
    「今すぐ呼びな」
    「なんで?」
    「良いから呼べよ」
    キツめに伝えると悠仁は俯きながら少し照れて口を開く。
    「五条先生・・・」
    「色々教えたくなちゃうな悠仁」
    五条は悠仁をガバリ抱きしめる。
    「ぐぇ・・・」
    潰れた声を出す悠仁に五条は爆笑すると、ゆっくりと体を離した。そして悠仁達を乗せた車は悠仁の住む屋敷から離れて行くのだった。
    「ここが悠仁の部屋だよ!好きに使って」
    深夜に案内された部屋に大体のものが揃って居てい悠仁は驚いた。
    「なぁ?服とか生活品どうしたん?」
    「僕の好みで揃えちゃった」
    「揃えちゃったって、お金は?」
    悠仁は驚いて五条を見上げると五条はアイマスクをずらして悠仁を見下ろす。
    「そんなこと悠仁は気にしなくて良いんだよ」
    「でもさぁ」
    「良いから悠仁は今からの青春を楽しまなきゃ」
    その言葉に悠仁は黙ってしまう。それを見て五条は優しく頭を撫でた。
    「五条先生?」
    「うん?何悠仁?」
    「一晩だけ一緒に寝てい?」
    その言葉に五条は驚くが少し口の端をあげて、揶揄うでもなく笑うことも無く優しい声で
    「いいよおいで」
    悠仁の手を取りベッドに座る。
    「朝まで居てな」
    「はいはーい居るよちゃんと」
    狭いベッドに2人で転がると悠仁は五条の腕枕で目を閉じると寝たフリを始める。最初は五条に見つめられていたが、相手が寝たのか視線を感じなくなり、抱きしめられていた腕から力を感じなくなり、悠仁はゆっくりとベッドから抜け出し持って来た玉を床に落とした。
    カシュ
    音が鳴ると少し甘い匂いが広がり始めると悠仁は目を閉じる。そして、呪物に掛けた呪いをもう一度呟く。
    「高専にいる間五条悟と俺は恋人、他の人は良好な関係」
    そして更に小さく呟く。
    「していいのはキスまで」
    その瞬間、微かな金属音が響く。呪いが成功した音で悠仁は辛そうに笑うと五条の腕の中に戻る。
    「ちゃんと、終わったら俺を殺してな・・」
    悠仁は震えながら五条に抱きつくのだった。


    「おはよう悠仁」
    悠仁が目を覚ますと柔らかい笑顔に見つめられていて驚く。
    「あっ・・おはよう五条先生」
    「まだ照れるんだ?可愛いね悠仁」
    甘やかすように額にキスをされ、悠仁の顔が更に熱くなる。
    「何か食べる?」
    「悠仁が作ってくれるならフレンチトーストがいいな」
    「良いけど、味が染み込まんよ?」
    悠仁の言葉に五条は悠仁を抱きしめる。
    「じゃ、目玉焼きで良いからもう少しこうしてよう?」
    「遅刻すっから」
    「遅れてもいいじゃん・・恵も野薔薇も気にしないよ」
    くすくす笑いながら五条は悠仁の胸にすりすりする。
    「俺がすんの!なぁ起きろって」
    初めて行く高校に悠仁はどきどきしながらはしゃぐ。その様子を見ながら五条は身体を起こしてベッドに座りアイマスクを着ける。それを見た悠仁は少し残念そうな顔をすると五条は唇にキスをする。
    「んっ」
    「もっとする?」
    にやにやする五条に悠仁は頷くと、五条に抱きしめられて膝に乗せられる。
    「重くねぇの?」
    「全然」
    ちゅうちゅうと音を立てキスを贈られ悠仁は擽ったそうに身体を震わせていると、五条の唇が首筋に滑るように落ちると舌先が首を舐める。
    「んっ・・五条先生?」
    「大丈夫キスしかしないからね」
    「あっ・・・ぅんやぁ」
    服でも隠せない所にきつく吸い付かれて悠仁は五条に抱きつくと身体が震える。五条のアイマスクで隠れた瞳が欲を絡んで見詰めているのも知らないでその背中にしがみつく。
    「可愛い・・・悠仁」
    「可愛くねぇ」
    頬を膨らませてふてる悠仁に五条は微笑む。ぎゅうっと抱きしめられて悠仁は五条の服を握る。
    「悠仁?」
    「あっ・・ごめん」
    「大丈夫だよ!ずっとそばに居るから」
    すりすりと頬を擦り付けられて悠仁は嬉しそうに笑い出す。
    「擽ったいって」
    「もっとしちゃおうかな」
    「だめだって!飯食おう?腹空いたら動けねぇもん」
    悠仁の笑顔に五条も微笑む。
    「仕方ない、悠仁が動けないのは困るからね」
    その言葉に悠仁はベッドから飛び降りると、小さ目のキッチンで朝食を作り2人で食べて身支度を終えて部屋を出た。五条と部屋を出ると黒髪の少年にバッティングをすると、凄く嫌そうな顔をされて悠仁は苦笑いをした。バレてはないはずと思いながらも五条を見上げた。
    「こら、挨拶がないぞ恵」
    「・・・・ちぃ」
    「おはよう!」
    悠仁がするとそれには、
    「あぁおはよう・・また一緒に居たのか?趣味悪いぞお前」
    「えっ?そんな事ねぇ」
    「こらこら、担任の僕にも挨拶しなよ?伏黒恵くん?小学生なの?」
    五条の言葉に伏黒と呼ばれた少年の眉間にはシワがより、溜息を着いて歩き出す。
    「行くぞ虎杖、五条先生と一緒に登校したらキレられるぞ釘崎に」
    「本当に・・野薔薇も恵も可愛くないよね」
    楽しそう笑う五条に悠仁は伏黒に向かって歩き出して後ろを振り返る。
    「後でな!五条先生」
    「うん!すぐに行くよ悠仁」
    手を振られて、悠仁は伏黒のそばに走って向かうと並ぶ。すると伏黒にチラリと見られて首筋を指される。
    「釘崎に見つかるなよ」
    「おう・・・」
    つい照れてしまった悠仁に伏黒は呆れながら寮を出るのだった。任務に向かう為に集まった校舎前に立つ少女が釘崎野薔薇なのだろうと悠仁は確認して片手をあげて、おはようと笑いかける。釘崎は
    「あぁ〜」
    と答えると寒そうに腕を胸の前で組んだ。
    「アイツは?」
    「五条先生ももうすぐ来る」
    「なんで分かんのよ?」
    釘崎の質問に伏黒はタブレットを見ながら答える。
    「今朝、虎杖の部屋から出てきたから」
    「なんで言うの?」
    「はぁ?爆ぜろやリア充」
    「酷くね!」
    「だからモテねんだろ?」
    「・・・・・・」
    「あぁ?」
    伏黒の言葉に釘崎がきれたように声をあげる。
    「アンタはモテるの?」
    「・・・・・」
    伏黒はチラリと悠仁を見るが、悠仁はキョトンとして2人を見返す。
    「残念見込み無し?」
    ぷぷぷっと笑われて伏黒が舌打ちをする。
    「ちょっと喧嘩すんなって」
    「ほっときなよ悠仁!」
    その声に弾かれたように悠仁は後ろ向いて笑顔になる。さっきまで一緒に居たのに名前を呼ばれただけで嬉しくなる。そして五条に向かって走り出した。
    「まるで犬だな」
    釘崎の言葉に悠仁は動きを止めて赤くなる。
    「柴犬見たいで可愛いよね」
    ぎゅうっと抱きしめられて悠仁はもぞもぞ動く。
    「五条先生離して」
    「なんでくっつきたい」
    「恥ずいって」
    「今更だろうが?」
    照れる悠仁に釘崎が揶揄うように言えば悠仁は五条の服を弱く握る。
    「悠仁?」
    五条に呼ばれて悠仁ははっとして身体を離した。五条は優しく手を繋ぐと自分の背中に隠す様にもって行く。
    「今日の任務は恵と野薔薇で行って来るんだよ」
    「・・・」
    「あぁ?虎杖は?」
    「悠仁は僕と一緒に行くんだよ」
    釘崎の質問に五条は笑いながら答える。3人は五条を見上げると、口元を緩ませる。
    「呪霊の発動条件がね、キスなんだよね」
    五条は悠仁を見つめるように顔を傾けて笑う。
    「恵は僕とキスなんて嫌でしょう?」
    「死んでも嫌ですよ」
    「それは酷いね、でも僕も。だからって野薔薇にしたら殺されそだしね」
    その言葉に釘崎が溜息を着くと行け行けと手を振る。
    「悠仁とはずっーとキスしてたいな」
    「・・・・おぅ」
    真っ赤になる悠仁に同級生の2人はため息を着く。
    「趣味、悪いな」
    「嫌なら断れ虎杖」
    釘崎と伏黒に言われて悠仁はチラリと五条を見てハニカム。
    「俺以外選んだら別れる所だよな」
    「けっ」
    「・・・・・」
    悠仁の言葉にまた2人は嫌そうな顔をして歩き出した。
    「頼んだよ!2人とも」
    「こんなの楽勝ですよ」
    「1人でも構わないわよ」
    そう行って歩き出す2人を見つめながら、悠仁は2人共と任務に行きたかったと少し思う。そんな悠仁は知ってか知らずか、五条は悠仁の手を引き歩き出した。
    「行こうか悠仁?」
    「おう!五条先生!」
    手を繋いだまま歩く悠仁と五条は車に向かう。そんな中、五条が小さく何かを呟いた。
    「気をつけなよ」
    「分かってるし」
    「そう、じゃ大丈夫だね」
    一瞬驚いた五条だが、口元をを緩めて微笑むと悠仁の手を強めに握った。



    2人が怪我をしたと聞いた時悠仁は気が気では無かった。車の中でカタカタ震えて五条にしがみついていた。別に2人が死ぬ程の怪我を訳でも無い、傷は五条の同期の家入が治した。悠仁を震えさせたのは2人を襲った呪詛師が虎杖宿儺で悠仁の双子の兄弟だと言う事。
    「悠仁大丈夫だよ・・・」
    「・・・うん・・」
    安心させる言葉に悠仁は更に五条に抱きつく。優しく抱き込まれて悠仁は奥歯を噛み締める。
    「あいつ絶対に許さん」
    小さく小さく悠仁は呟いて目を閉じる。学校に帰り、2人の居る部屋に五条と向かう。悠仁が戸を開けて部屋に飛び込むと顔や腕に絆創膏やガーゼが張り付いている2人の不機嫌そうな顔があった。
    「2人共、大丈夫?」
    「また派手にやれたね?」
    心配する悠仁とは別に五条は何時もの軽いノリで2人に声を掛ける。
    「呪詛師が居るなんて聞いてないわよ?」
    「同感です」
    その言葉に悠仁の体が跳ねた。
    「それにアンタに似てたし・・・名前も虎杖とか」
    「っう・・・」
    その言葉に悠仁は目を見開くと五条が悠仁の頭を撫でて少し前に出る。
    「うん・・ごめんね、2人には内緒にしてたんだけど、悠仁はその呪詛師の親類にあたる子なんだよね」
    「はぁぁぁぁ?」
    「聞いてませんけど」
    五条は腕を組壁にもたれ掛かると溜息をつく。
    「色々あってね、悠仁は幼い頃御三家に預けられたの、内緒で僕の遠縁の者か育てて此処に入学させたんだよね」
    その言葉に2人が悠仁を見つめてきて悠仁の体が跳ねる。五条の記憶の操作ではそうなって居るのかと思いながら少し怖くなり掌を握った。
    「まぁ・・親戚だからって虎杖が呪術師なのは変わんないし」
    「確かに、過去がどうであれ虎杖は虎杖で今は呪術師だからなアイツはとは関係ない・・気にするなよ虎杖」
    「・・・・おぅ」
    2人の言葉に悠仁が小さく呟くとばんぁん!っと大きな音が響く。
    「声が小さいのよ!気にすんなって言ってのよバカ杖!」
    「お!おう!」
    それを見て五条は微笑むと悠仁の頭を撫でる。
    「五条先生?」
    「良かったね悠仁」
    「・・・うん」
    わしわしと頭を撫でられて悠仁は安心した様に笑う。
    「でも、アイツ面白い呪術に掛かってるって言ってた気がします。」
    伏黒の言葉に悠仁はズボンを握り込む。
    「そんなのに呪われてた僕や硝子が気付くでしょ?」
    「それもそうですね」
    五条の言葉に伏黒も頷いた。その様子を悠仁はただ呆然と眺めるのだった。


    寝返りをうって不意に目を覚ますと悠仁はその気配にベッドから飛び降り部屋の窓を開けて飛び出した。
    「なんでいんだよ?」
    悠仁の問に少し離れた所に立つ、瓜二つの少年は面白そうに口元を歪める。
    「宿儺・・・」
    「ケヒ・・楽しそうだな愚兄」
    月に照らされた、虎杖宿儺は悠仁を小馬鹿にしたように笑うと、腕を組み冷たく悠仁を見つめる
    「テメェ!伏黒と釘崎に何をしたんだよ!」
    「なに、お前がお世話になっておる礼だな」
    「うんな事頼んでねぇだろ!」
    「そうギャンギャン騒ぐな、貴様は犬か?仮染の友達とやらが起きてくるぞ?」
    その言葉に悠仁は黙ると握りこぶしを握る。
    「クックク」
    「何が面白いんだよ!」
    「分からぬか?呪詛師側でも未熟で非道にもなれぬ邪魔者が、呪術師になって何ができる?よもや人を助けたいとでも?」
    「っう・・・」
    その言葉に悠仁は目を見開くと唇を噛み締める。
    「そう言えば貴様の友だと言ったあの2人には妙な呪術が掛かっていて、家の蔵からも1つ呪物が消えていた」
    妙だと呟きながら宿儺は悠仁を面白そうに見つめる。
    「仮染の時間が切れた時には彼奴の見る目は敵として、友ではあるまい」
    「だからなんだよ・・・」
    「呪詛師として使えぬ裏切り者、呪術師としても世の中に害をなす者・・・死にたがりの貴様に都合が良いな」
    「うるせえ・・」
    「ふん」
    宿儺は悠仁の肩を叩いてすれ違う。
    「五条悟に惚れたか?最後を奴に託すか?」
    悠仁はその言葉に目を見開くと宿儺を見つめる。
    「ヒケ!だがその望みも俺がお前を殺すことで消してやろ?」
    ぽんぽんと肩を叩くと宿儺は体を離していく。
    「貴様が歩んだ道が赤色に染まっておるのに?望みが叶うとでも」
    「・・・・・・」
    「まぁ精々楽しむがいい」
    宿儺は顔を振り返らせる。
    「貴様は裏切り者として処刑対象だ、その呪物の効力が無くなり次第、殺しにくる」
    「そりゃどうも」
    「口の減らぬ奴よ」
    そう言い残すと宿儺の気配が消えた。悠仁も部屋の中に入りベッドに座ると頭から布団被り膝を抱える。
    「先生・・五条先生、会いてぇ」

    「悠仁~!」
    「五条先生!」
    両手を広げられて悠仁はその大きな腕の中に飛び込むと大好きな香りに包まれる。
    「ただいま」
    「おかえりなさい!今日は鍋にしようぜ!」
    悠仁が高専に来てもう明日で1ヶ月が来る。五条が仕事ない時はいつも一緒に居る。今も徹夜明けだろうに部屋にも寄らずに悠仁に会い来たことが素直に嬉しくて、甘えるように胸に飛び込んだ。
    「あぁ・・悠仁の匂いだ」
    スンスンと耳の当たりを嗅がれて悠仁は真っ赤になると
    「ひゃ!五条先生」
    「好きなんだよね・・落ち着く」
    強く抱き込まれると耳元や首筋にキスをされて、耳朶を吸い上げられた。
    「んっ!ちょっ!五条先生」
    「んっ?いい匂い」
    悠仁の腰にまわった腕がやんわりとそこを撫でたした瞬間。
    「おいこら!淫行教師」
    釘崎の低い声に、五条の動きが止まる。
    「野薔薇~嫉妬しないでよ?」
    「誰がするか!目障りなんだよ!」
    「右に同じく」
    同級生の言葉に悠仁は離れようとじたばたする。任務だと呼び出されていた3人を指定の場所に居たのだった。
    「モテないからって、怒らない怒らない」
    じたばたする悠仁を抱き込みながら五条は微笑むと、何か思い出したように、2人に笑って見せた。
    「そうだ言い忘れてた」
    五条は楽しげに3人を見つめるとウインクをして笑う。
    「今日の任務は中止になりました!」
    「「はぁぁぁぁ」」
    「本当だ」
    伏黒と釘崎が大きな声で叫ぶと悠仁はスマホの画面を見つめる、底には伊地知から連絡事項が入っていて急遽無くなったと。
    「なんで急に?」
    「さぁ・・急に消えたらしいよ」
    喉を鳴らして笑う五条に伏黒は呆れたように、溜息をつく。
    「あんた・・まさか」
    「うん?何かな恵?」
    「いえ、なんでもありません」
    五条の腕で幸せそうに笑っている同期に伏黒は口を紡ぐと歩き出す。
    「寝る」
    「虎杖!あんた荷物もち手伝いなさいよ!」
    「えっ?今日はやだ」
    釘崎の誘いに悠仁は弱い力で五条の服を握る。
    「なんでよ?ラーメン奢ってやるから」
    「今日は五条先生と居たい」
    「うんなの、いつでも居られんだろ?」
    「・・・・・」
    釘崎の言葉に悠仁小さく息を飲むと五条を見上げる、優しく笑われて頭を撫でられた。五条とも居たい、でも最初で最後の友達とも遊びたい。明日には悠仁はこの世には居ないのだからと悩む。
    「おい!釘崎・・俺が行くから五条先生とデートさせてやれ」
    「まぁ、あんたでも良いか」
    「ごめんな釘崎・・・」
    悠仁の言葉に釘崎は振り返り指を伸ばしてニコリと笑う。
    「その代わり、次はそいつより私を優先しなさいよ」
    「・・・おう!」
    悠仁は寂しげな笑顔で釘崎に頷く。その顔に釘崎が何か言いかけるが、伏黒に肩を叩かれて歩き出す。それを悠仁は見送りながら来ない約束に知らずに五条が服を握って居た。
    「五条先生?鍋でいい?」
    ぱぁぁと笑顔を向けながら悠仁は五条を見つめる。
    「いいね!悠仁の手作りかな?」
    「まっかせて!美味しいのつくちゃる!」
    悠仁から手を繋いで歩き出すと少し驚いた五条が手を握り返す。
    「悠仁から握ってくれるなんて珍しいね?」
    「たまにはいいじゃん」
    はにかむ悠仁を五条は優しく見つめるのだった。




    「五条先生!できたよ!」
    「美味しそうだね!」
    「そうじゃねからな!美味しんだよ!伏黒のお墨付き」
    その言葉に五条は唇を尖らせると不満げに悠仁を見つめる。
    「どったの先生?」
    「彼氏より先に違う男が食べたの?」
    「たかが鍋じゃん」
    「鍋でも初めては僕が良いに決まってる」
    ムスッとする五条に悠仁が苦笑いをする。喧嘩別れが嫌で悠仁は五条のそばにいき綺麗な顔を見つめる。
    「だって、五条先生には美味しいもの食べて欲しかった」
    「その言い方狡いよね?」
    「ホントの事だしな」
    「何?恵はお毒味役?」
    その言葉に悠仁が吹き出した。
    「それ伏黒が怒んから言わんでね?」
    「どうしようかな?」
    五条は悩むふりをしながら唇を尖らせる。
    「頼むよ五条先生!」
    「仕方ないな・・・悠仁からキスしてくれたら許してあげる」
    「本当に?」
    「本当、本当でーす」
    五条は両手を広げて悠仁を誘うと悠仁は五条の膝を跨いで座り唇を重ねる。ちゅ、ちゅと軽く触れるキスをする度に悠仁は笑顔になる。
    「許してくれる?」
    「もう、可愛から許すよ悠仁」
    「あんがとう五条先生、大好き」
    五条はきつく抱きしめると悠仁は嬉しそうに笑う。
    「口開いてキスしよう?」
    「エッチなやつじゃん」
    「エッチなキスがしたい、なんならその先も」
    苦笑いした五条に悠仁は俯く。一応、卒業するまでしないと悠仁がいつも断っているのだが
    「いいよ」
    「いや無理しなくて」
    「俺がしたい、その代わり鍋たらふく食ってお腹出ても萎えんでよ?」
    その言葉に五条は吹き出して髪を撫でる。
    「どんな悠仁でも愛してるよ」
    「最高の彼氏じゃん」
    「最強で最高って凄いよ」
    「五条先生はずっとすげーよ」
    もう一度キスをすると2人で笑い合い、鍋を食べ始めた。


    蒼白い月が微かに外を照らしている。悠仁は瞼をゆっくりと持ち上げると、隣で眠る愛しい人に微笑み静かに身体を起こした。
    「大好きだよ五条先生」
    床に散らばる五条に貰った制服を身につけると気持ち良さそうに寝息を立てる五条の唇にキスをした。
    「今度会う時は敵だね・・ちゃんと殺せよ五条先生」
    悠仁は寂しげに呟きベランダから外に出ると、目を見開いて顔をあげて前を睨む。そこには今は会いたくない人物が居た。
    「12時ちょうどかよ」
    「仮初が覚めた貴様との約束を守ってやろ」
    「約束なんか守った事ねぇくせに」
    悠仁は手を握りしめると走り出して宿儺を目掛けて腕を伸ばすが、ひらりとかわされる。
    「当たらぬ・・」
    「るっせぇ!」
    何度も繰り出すパンチをヒラヒラとかわしながら宿儺はくすりと笑い、片脚を軸に利き足を振り上げて悠仁の横腹を蹴り吹き飛ばす。
    「ぐっう!」
    ばんと背中が木にぶつかると悠仁は痛みに顔を歪ませる。ジャリっと近づく足音に顔を上げるとその顔をも軽く蹴られて口の中が切れる。広がる独特の香りに眉間に皺がよる。
    「弱い弱い・・・本当に弱くてつまらない奴よ」
    「っう!」
    悠仁は怒りで顔を赤くして睨むと宿儺は目線を合わせるようにしゃがみ顎に指をかけて微笑む。
    「死ね愚兄・・裏切り者目が」
    宿儺が呪力を込めた腕を振り上げた瞬間、悠仁は目を閉じて小さくつぶやく。
    「五条先生が良かったな」
    「じゃ僕にしたらいいんじゃない?」
    悠仁の呟きに返された返答に2人が驚いた瞬間、パッシュと音が鳴ると同時に宿儺が悠仁の前から退けて、五条の呪力を避ける。
    「う〜ん避けちゃうか?流石だね」
    「五条先生?」
    「君に五条先生と呼ばれるの良いね!」
    その言葉に悠仁は今はもう五条に記憶が無いのだと思い出して立ち上がる。
    「仲間割れ?兄弟喧嘩?どちらにしてもこんなところ迄来てする?面白いね君達」
    「最初から兄弟だと思って居らぬ」
    「冷たいね宿儺は」
    悠仁が五条から身体を離そうとした瞬間、長い手に抱き寄せられて悠仁は固まる。
    「五条せ・・さん?」
    「えっ?悠仁?なんでさんって言うの?五条先生にしなよ!それか悟さんでもいいよ!」
    名前を呼ばせようとする五条に悠仁は顔を赤くして首をふる。不謹慎だが先程の行為で名前を呼ばされた事を思い出して五条を見あげる。
    「可愛いね悠仁」
    「可愛いくねぇし、離せよ」
    「やだ、離したら逃げるよね?お前」
    五条に問われて悠仁は顔をあげる。
    「そりゃ敵だかんね、逃げるでしょう?五条悟と戦わんよ」
    「じゃ駄目」
    にんまりと笑う五条に悠仁は身体をびくつかせる。口元は笑って居るのに、感じる視線に纏う雰囲気は怖くて悠仁は身体を離そうとする。
    「逃げるな」
    五条は片腕て悠仁の腰を抱いて自分の身体に寄せる。
    「犯すよ悠仁」
    そのまま悠仁の顔を捉えると五条は荒々しくキスをして悠仁を見つめる。
    「うんっ・・くっ」
    身体を離そうと五条の胸を押していた悠仁の腕がだらりと落ちると五条が唇を離す。
    「可愛いねぇ悠仁」
    優しく微笑んだ瞬間、五条は相手いる手で顔の前で現れた拳を受け止めて投げ飛ばす。
    「当たらないの知ってるだろ?」
    「ちっ・・変態が」
    「失礼だね悠仁だけだよ」
    そう言って五条は悠仁を抱え直すと体勢を直し攻撃を繰り出してくる宿儺を煽るように避けると、不意に地を蹴り宿儺の目の前に顔を出す。
    「残念だけど宿儺には盛ることは無いかな」
    ニコリと笑うと利き手ではない方の腕で宿儺を殴り蹴り飛ばす。
    「っう!」
    どんっと音が立つと同時に木が揺れる葉がカサカサと擦れ合う。
    「うそ!宿儺が飛ばされた」
    「本気じゃないよね宿儺?悠仁が気になるの?」
    揶揄う様に言えば宿儺は舌打ちをして少し赤くなった唾液をプッと地面に飛ばす
    「その様な落ちこぼれに用などのい」
    「じゃこのまま悠仁を置いて帰りなよ?」
    「はぁ?裏切り者は死に値するかなら」
    「そう?なら全力でお前を潰すしかないね?」
    くすくす笑いながら五条は悠仁を隣に下ろす。
    「貴様を目の前で倒してそいつを壊すのも楽しそうだ」
    「ははは・・舐めんなよ餓鬼、お前如きに本気にすらならないよ」
    一気に周りの空気が重くなると五条はにこりと笑う。悠仁は隣の彼を見あげる。
    「なんで?俺達敵同士だから、アンタには俺がどうなろうと関係無いよね?」
    「んっ?だって僕達、恋人だよ」
    「えっ?だって忘れてるはず」
    「悠仁って馬鹿で可愛よね?僕にあんなの効くと思ったの?」
    頭を撫でながら五条は続ける。
    「離すわけ無いでしょう?良いから少し待って」
    「五条さん?」
    「大丈夫、僕最強だから、それに五条先生だよ悠仁?」
    その言葉に悠仁は目を見開くと少し驚きそして笑う。
    「五条先生!俺、五条先生が好き」
    「悠仁?」
    悠仁はそう言って五条を突き飛ばす、五条は驚いて悠仁を見ると寂しげに微笑んだ。
    「潔がいいな小僧」
    宿儺の言葉に悠仁は目を閉じると口元を緩ませる。仮初の1ヶ月を思い出して五条を見つめると
    -バイバイ-
    と口を動かして悠仁は五条を見つめて微笑む。
    「悠仁?」
    五条は体勢を立て直して走り出すが、宿儺はくすりと笑って見て悠仁の胸に向けて呪力の篭った腕を振り下ろす。
    「かはぁ!」
    「悠仁!!!」
    「哀れよな五条悟」
    五条の目の前で崩れ落ちる悠仁を抱きしめると、力の入ってない悠仁を見つめる。
    「悠仁?なんで?」
    「死にたがりだからな・・そ奴には丁度いい事だ」
    ジャリと音を鳴らして宿儺は2人に近づく、五条はそんな宿儺を見つめると片腕をあげて相手に向けるのだった。

    「転校生を紹介しゃーす!」
    テンションの高い担任に伏黒と釘崎は鬱陶しそうに五条を見つめる。
    「あぁ?こんな時期にかよ?」
    「この学校に時期とか関係無いだろ?」
    釘崎の言葉に伏黒が突っ込むと険悪な雰囲気になる。五条はため息を着くと頬をかいた。
    「まぁ恵と野薔薇には転校生じゃないんだけどね」
    その言葉に2人は五条を見あげる。
    「悠仁!入っておいで」
    五条の呼び掛けに戸がスライドすると、元気そうな笑顔にふわりと揺れるピンクアッシュの髪。
    「虎杖悠仁!好きな女性のタイプは」
    「「虎杖!!!!!」」
    二人の大きな声に驚いて思わず悠仁は五条の側による。
    「えっ?なんで?俺怒られそうな勢いなん?」
    「う~ん♡僕が事前に教えてて悠仁を驚かせようとしたんだよ。驚いた?」
    「びっくりするじゃん!悟さん」
    悪戯に驚いた悠仁は改めて二人を見ると人懐っこい笑顔を作る。
    「改めて宜しくお願いがしゃす!えっと」
    「こっちが伏黒恵でこっちが釘崎野薔薇だよ」
    「伏黒と釘崎だな」
    五条に確かめるように聞きながら悠仁は楽しそうに、2人を見つめる。
    「悠仁は記憶が無いんだよね。その上呪力もあるし僕が引き取って面倒見てるんだよ。遠い親戚なんだよ」
    「はぁ!?何言ってんの虎杖は!」
    釘崎が声を出して悠仁を指さすと伏黒がその手を下ろす。悠仁は釘崎を見て少し目を輝かせた。
    「俺の事知ってんの?教えてよ!全然覚えてなくてさぁ」
    悠仁の言葉に顔をあげる釘崎に五条は首を小さく左右に振った。
    「悠仁大丈夫だよ・・そのうち思い出すかもって硝子言ってたよね?」
    「そうなんだけど」
    少し俯き寂しげな表情を浮かべる。
    「まぁアンタがどこの誰だろうと私には関係無いから」
    「確かに、過去がどうであれ虎杖は虎杖で呪術師・・気にするなよ虎杖」
    釘崎がため息を着いて頭を搔くと悠仁に笑って見せて、伏黒もどこか笑って居た。
    「足でまといにはなんじゃないわよ」
    「それは大丈夫!だって悟さんが稽古してくれてるし!」
    悠仁が言うと五条の腕が肩に周り抱き寄せる。
    「僕の婚約者で恋人が弱い訳無いでしょう!」
    「悟さんにはかなわんけど」
    「まぁ僕最強だし」
    「かっけぇー」
    目を輝かせる悠仁に釘崎がその頭を叩く。
    「たぁ!」
    「爆ぜろこのりや充が!あぁ!虎杖の歓迎会兼ねて!アンタの奢りでシースー行くわよ五条先生?」
    「なんで?シースー?そこは俺の意見じゃねぇの?」
    「馬鹿なのレディーファーストって言葉知らないのかよ?」
    その言葉に悠仁が固まり伏黒が目線を逸らした。
    「何よ?なんかあんのかよ?」
    「レディーファーストされる様には見えん」
    「同感」
    「あぁ?死にたいの?あんた達?」
    釘崎はピコピコハンマーを取り出して悠仁を追いかけ始める。
    「なんで俺だけなん?伏黒も」
    「あいつは今度高いもん奢らせるんだよ!待てよ虎杖!」
    走り回る2人を見ながら微笑む五条に伏黒はため息を着く。
    「虎杖は呪詛師で処刑対象ですよね?それに1ヶ月前の記憶操作の」
    「呪詛師の虎杖悠仁は死んだんだよ・・・」
    「はぁ?あれは」
    「あの子は僕の遠い親戚で婚約者の普通の呪術師の虎杖悠仁でお前達の同僚だよ」
    その言葉に伏黒が2人を見つめる。
    「悠仁がここに居るの許せない?」
    「いやあいつは俺の友達ですよ」
    「伏黒!助けろって」
    悠仁の言葉に伏黒が歩き出す。その状況を見ながら五条はため息を着くと静かに目を閉じあの日を思い出す。


    「今、俺を攻撃すればそ奴をすぐに殺すぞ?」
    虫の息の悠仁を見下ろしながら宿儺を口許を歪ませて笑う。
    「僕の腕の中だお前がが触れれることは無い」
    低い反論に宿儺も面白そうに喉を鳴らして笑う。
    「そいつ自身に込めたもを爆発させれば良いだけの事よ」
    「何をしたのかな?本気で殺すよ?」
    五条が呪力を指先に集め始めた瞬間、手に何かが触れそちらを見る。赤く染る愛しい手が震えながら自分の手を撫でる。
    「悠仁・・大人しくしてて」
    「五条・・・せんせぇ」
    ヒューヒューと息がなる悠仁を優しく見つめる五条。
    「喋るな・・休んでて」
    「あんな・・・俺を宿儺に・・・わたしてぇ」
    「なんでだよ!なんでそんなに死にたがるの」
    その言葉に悠仁は優しく笑うと五条の頬を撫でる。
    「死なんよ・・五条先生の事好きだから・・・でも死んじゃうんかな?」
    「生きてよ!好きなら生きろよ悠仁」
    ぎゅうと抱きしめられて悠仁は綺麗な髪を撫でる。
    「汚れ・・・ちゃうね・・・・」
    「いいよ・・・たくさん触って」
    「うん・・・いいよ」
    めいっぱいの笑顔で答える悠仁に五条は唇を噛み締める。
    「おい愚兄・・茶番はいい・・・本当に殺すぞ」
    「あはは・・ごめん、五条先生・・俺を宿儺に」
    イライラする宿儺を指さしながら悠仁は言う。
    「死なねぇから・・絶対に・・・」
    「悠仁・・・」
    「その代わり・・・さぁ・・・どんな俺でも・・・愛してね」
    喋るのも辛いのか悠仁の顔が歪み言葉も切れ切れになる。
    「分かったよ・・・」
    「ちゅう・・・して・・そしたらがんばる・・・からぁ」
    その言葉に五条は悠仁にキスを送ると優しく抱き上げて宿儺に近づく。
    「少しでも変なことしたら殺すよ」
    「ふん・・元々こいつのせいで狂ったのだ、自業自得よ」
    五条はゆっくりと悠仁を地面に置いた、息も小さくなり目を閉じて意識が無くなりかけている悠仁の胸に宿儺は掌を当てると力を込める。
    「うぁぁぁぁぁ!!!!」
    既に力も残っていない筈の悠仁の口から痛みに耐えるような声が上がるとズブズブと宿儺の手が悠仁の体の中に入りこみ何かを探す。
    「宿儺!お前」
    「来るな!来れば此奴を殺すぞ」
    「うぁぁ・・・」
    五条が近寄ろうとすると宿儺が声をあげて牽制す。ヌチュッヌチュッと中を掻き回すような音が響いて五条は腕を伸ばす、その時
    「有ったか」
    そう呟くと宿儺は悠仁の体から玉を取り出して月の光に翳す。
    「ぅっ・・・」
    悠仁は痛みが解放されて小さな声をあげて動かなくなり、五条は急いで駆け寄るとその体を抱き上げた。
    「悠仁?悠仁!」
    「大丈夫だついでに治しておいた」
    宿儺の言葉の通り悠仁の身体の傷はなくなり息も安定している。
    「だが、あの呪物のせいでソイツには虎杖悠仁として育った記憶も貴様と恋仲だった記憶も何も残らない」
    「そんな事、僕には関係無い・・・悠仁は悠仁だ」
    五条は眠る悠仁にキスをする。安定した寝息に五条はその頬を撫でる。
    「なんで殺さない?」
    五条は悠仁を抱き上げて立ち上がる、すると宿儺は先程取り出したオレンジ色の玉を見せて飲み干す。その瞬間宿儺の身体に呪力がます。
    「ふん・・・その馬鹿が生きていないとこれが使えんからな」
    「どうゆう事?」
    宿儺は面倒そうに息を吐くと口を開いた。
    「そいつとは双子等ではない・・たまたま同じ日に産まれた異母兄弟、俺が引き継ぐ筈の力を半分奪われていたから返さしてもらった」
    そいつが死んだら力も消えると面倒くさそうにいい、宿儺は少し考え込む。
    「五条悟、縛りを交わさぬか?」
    「えっ嫌に決まってるだろ、なんの得になるのその縛り」
    警戒が無くなり五条も何時ものおちゃらけた雰囲気になる。
    「なに、貴様が虎杖家の当主になった俺の邪魔をしないなら、今後その馬鹿に一切関わらぬ、一族全てな」
    「悪さを見逃せって」
    「貴様なら簡単な事」
    「まぁね・・そりゃ簡単だよ?でも僕以外は行くんじゃない?ほら禅院家とか加茂家とか?」
    「貴様以外、屁でもないわ」
    その言葉にそりゃそうだろうと思いながら五条はすぐに答えた。
    「いいよ、悠仁が僕のいない所で居なくなるのは困るからね」
    「決まりだ違えるな」
    「君の方が心配だけどね」
    「ふん!」
    そう言って宿儺は闇に消えて行った。五条は部屋に悠仁を連れて帰るとゆっくりとベッドに休ませて、起きるのを待った。やがて愛しい琥珀色の瞳がゆっくりと開く。
    「おはよう、悠仁」
    「あんた誰?ここは?・・・っうか俺ってだれ」
    困惑する悠仁の前に五条は膝まづいて手を優しく握る。
    「よく聞いてね悠仁、君は虎杖悠仁、15歳。僕は五条悟で28歳、君は僕の遠い親戚で、恋人で婚約者なんだよ」
    「へぇ?」
    五条は少しサングラスをし焦らして綺麗な瞳を見せると悠仁の瞳が輝いた。
    「そして君は呪術師であって、僕の教え子で少し呪われてしまって記憶が無いんだ」
    「?????記憶喪失なの?」
    困惑する悠仁に五条は頷く。
    「特殊な環境だから僕とゆっくりやって行こうか?」
    「えっ?うん」
    「まずは私生活が先だね・・・悠仁」
    優しく頬を撫でると、少し驚くが悠仁がその手に擦り寄った。
    「あんたの手安心する」
    「よかったよ。ゆっくり慣れよっか悠仁」
    その言葉に悠仁は頷いて笑うのだった。


    「五条先生!?助けて」
    愛しい子が自分の後ろに周り大きな身体を小さくさせる。
    「んっ?悠仁?」
    「そいつを渡してください!五条先生」
    「そうよそうよ!早く出せやごらぁ」
    「あれ?なんで恵と野薔薇がたっく組んでんの?」
    「「こいつと付き合ってるだろってぬかすから!」」
    互いに指をさしながら声をあげる2人の言葉に五条が考えて悠仁を見つめ「あっ」と声を出してガッテンと手を叩く。
    「ごめんごめん!悠仁に2人が好意を寄せても気にしないように僕が教えた」
    「てめぇ」
    「あんたな」
    「「1回痛い目みろ!」」
    「やだ」
    五条は悠仁を抱きしめて笑う。
    「五条先生腹減った」
    「五条先生って呼んでくれるんだ」
    「だって学校ではそうすんだろ?今2人に教えてもらった!悟さんは家とデートの時だけって」
    嬉しそうに抱きついてくる悠仁の頭を撫でると嬉しそうにする?
    「まるで犬ね」
    「可愛いだろ?犬」
    釘崎の言葉に伏黒が返せば釘崎はケッと横をむく。
    「無自覚かよ・・・っうか女居るのにそこかよ」
    「だからって僕達は嫌でしょう?」
    その言葉に釘崎は考えるふりをしながら悠仁を見つめた。
    「虎杖だったら考えるかも」
    釘崎の言葉に悠仁以外が固まりピシッと何かが割れるような音がするのだった。
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