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    なりひさ

    @Narihisa99

    二次創作の小説倉庫

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    なりひさ

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    マトポプ。こういうマトポプ好きやんっていうやつ

    #マトポプ
    matopopu.

    おかえり ふと目を覚ますと、いつの間にか来ていた弟子がベッドの隅に顔を伏せていた。いなくなった勇者を探すのだと飛び出していった弟子の消沈した様子に、また手掛かりもなかったのだとわかる。
     マトリフは布団から手を出すとポップの頭を撫でた。この弟子にしてやれることの少なさに歯痒く思う。
    「ポップ」
     ポップは返事をせずに鼻を啜った。泣き顔は見せたくないらしい。まだここが泣ける場所であることに安堵を覚える。弱さを克服した弟子が、どこでも泣けなくなってしまえば、いずれどこかで折れるときがくる。
    「よく無事に帰ってきたな」
    「おれが無事で帰ってきたって、ダイが見つからなきゃ意味ねえよ」
     友を思う気持ちがわからないわけではない。もし自分の力で救えるなら何だってする。だが、ポップのことを大切に思う者がいることを忘れてほしくはなかった。
    「ちっとくらい休んでいけ。そんなんじゃ頭も回らねえぞ」
     撫でる頭に回復呪文を唱える。多少の疲労回復にはなるだろう。するとポップがそろりと顔を上げた。
    「一緒に寝ていい?」
    「ばぁか。狭ぇよ」
     言いながらもマトリフは端につめた。ポップはベッドに上がるとマトリフに抱きついてきた。その跳ね返った頭を胸に抱く。
     何処へも行かずここにいろとは言えず、本音は胸へと仕舞い込んだ。
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    kisaragi_hotaru

    MAIKINGガンマトとハドポプが混在している世界線のお話の続きです。マトポプは師弟愛です。ひたすらしゃべってるだけです。
    ダイ大原作と獄炎のネタバレを含んでおりますので、閲覧の際には十分にご注意くださいませ。
    捏造と妄想がかなり激しいです。いわゆる、何でも許せる人向け、となっております。
    このシリーズは一旦ここで完結という形を取らせていただこうと思います。続きを待ってくれておりましたなら申し訳ないです……。
    大魔道士のカミングアウト 5 「――ハドラー様は10年前の大戦にて亡くなられたと聞き及んでいたのだが」

     本日二度目のガラスの割れる音を聞いた後、ガンガディアから至って冷静に尋ねられたポップは一瞬逡巡して、ゆっくりと頷いた。

     「ああ、死んだよ。跡形もなく消えちまった」

     さすがにこのまま放置しておくのは危ないからと、二人が割ってしまったコップの残骸を箒で一箇所に掻き集めたポップは片方の指先にメラを、もう片方の指先にヒャドを作り出し、ちょんと両方を突き合わせた。途端にスパークしたそれは眩い閃光を放ち、ガラスの残骸は一瞬で消滅した。

     「そうか……ハドラー様は君のメドローアで……」

     なんともいえない顔でガンガディアはそう言ったが、ポップは「は?」と怪訝な顔をして振り返った。
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    kisaragi_hotaru

    DONE無自覚のままであろうとした両片想いガンマトが自覚させられるお話。欠損描写がありますが最終的には治りますけれど苦手な方はご注意くださいませ。謎時空なので深く突っ込んではいけない系です。魔王は祈りの間にて引きこもり中です。
     乱戦状態だった。一人ずつ探して回復していったのでは間に合わない。マトリフは冷静さを保ちながら素早く周囲を見回して、次いで傍らでモンスターを殴り飛ばしたブロキーナに視線を向ける。最近習得したばかりの回復呪文を使うにしても発動中は無防備になってしまう。詠唱のための時間稼ぎも必要だ。
     「よお大将! 全員を一気に回復させてやっからちょっくらザコどもの相手を頼むぜ」
     「いいよん」
     モンスターの大群相手にしながらもブロキーナは軽いノリで請け負った。
     そんな二人の会話を聞いていた一体のモンスターが不満をありありと孕んだ声色でもって割り込んだ。
     「ほう。君の言うザコとは私のことも含まれているのかな?」
     トロルの群れの向こう側から青色の肌をしたさらに巨大な体躯が現れた。眼鏡を中指の鋭利な爪で押し込んで歩み寄ってくるその理知的な動作とは裏腹に額には幾つもの血管が盛り上がっていた。
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    なりひさ

    DONEガンマト「時の砂」その後の蛇足。弟子に会いたくて未来へ来ちゃったバルゴート
    なにこれ修羅場じゃん ポップは焼きたてのパイを持ってルーラで降り立った。アバンの料理教室で作った自信作である。折角なのでマトリフと一緒に食べようと温かいうちに持ってきた。
    「師匠ぉ〜ガンガディアのおっさん〜お邪魔するぜ」
     呼びかけながら入り口をくぐる。しかしいつもなら返ってくる返事がなかった。人の気配はするのに返事が無いとは、来るタイミングが悪かったのだろうか。ポップはそろりと奥を覗く。
    「えっと、これどういう状況?」
     ポップは目の前の光景に頭にハテナをいくつも浮かべながら訊ねた。
     まずガンガディアがマトリフの肩を抱いている。優しく、というより、まるで取られまいとするようにきつく掴んでいた。ガンガディアは額に血管を浮かべてガチギレ五秒前といった雰囲気だ。そのガンガディアに肩を抱かれたマトリフは諦念の表情で遠くを見ている。そしてその二人と向かい合うように老人が座っていた。ポップが驚いたのはその姿だ。その老人はマトリフと同じ法衣を着ている。かなりやんちゃな髭を生やしており、片目は布で覆われていた。その老人がポップへと視線をやると立ち上がった。
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