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    fjko915

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    6/24みつ武ワンドロのお題をお借りしました!
    武道くんお誕生日おめでとう🎉🎂🎊

    君の欲しいものを教えて6月25日、渋谷ロフトにて。
    三ツ谷は武道の欲しいものがわからずため息をついていた。

    武道とは三ツ谷の愛しい恋人である。
    つい先日、6月12日に付き合ったばかりであった。
    そう、三ツ谷自身の誕生日だ。

    誕生日なんスか?欲しいモンあったら言ってください!という武道にお前が欲しいとゴリ押しをして付き合った。
    それは…と躊躇う武道にちょっとガンも飛ばした。返事はヒィ!わかりました…だった。
    正直なところ力技だったことは否めない。

    だからこそ、武道の誕生日はバッチリ決めたいと思っている。
    だがいかんせん情報が足りなかった。

    趣味はジグソーパズル。
    お菓子はポテチが好きで、好きな味は鬼コンソメパンチ。嫌いなものは…知らない。

    こんな情報は少しでも関わりがあるやつなら皆知ってる。
    付き合ってからまだ2週間弱。デートも一度きり。付き合う前は2人で遊ぶことなんて無かったから、ゆっくり武道の嗜好を聞くチャンスなどなかった。

    はぁ、とまた深いため息をついて手に持っている二つのジグソーパズルを眺める。
    ひとつは難易度MAXの白10000ピースで、二つ目は無難にバイクの写真が使われているものだ。
    どちらを選んでも喜んでくれるだろうが、他にもパズルをあげるヤツがいそうで気が乗らない。というより絶対にいる。

    (もっと早くから準備できればなぁ……)

    まさか本当に誕生日はお前が欲しい作戦で付き合えるとは思っていなかったのだ。
    なにせ武道は皆のヒーローなので。
    だから恋人としてのプレゼントを準備する発想がなかった。実は、こんなミラクルを起こしていなければ、コーディネート券などと言ってデートにこぎつけようとしていたくらいだ。

    「はぁ……」

    せめてひと月あれば服の一つでも作ってやれたのに。
    誕生日が近い故の事故だった。
    既成の服を買ってもいいけれど、予算が潤沢なわけでもないし、微妙な服をやるくらいなら得意ジャンルであるファッションとは別物の方がいい。

    「クソ……」

    三ツ谷はもう何度目かもわからないため息をついた。
    今日の夜、集会を終えた後(多分その後武道の誕生日を皆で祝うことになるのでそのさらに後になるだろうが)2人で会おうと約束できたのに、集会に向かう時間になっても結局なにも思いつかなかった。


    ーーーーーーー


    「三ツ谷くん」

    特攻服の肘あたりをちょんと引っ張られ、耳元にくすぐったい感触がした。
    集会が終わった後、やはり仲の良いメンバーで武道の誕生日を祝い、もう0時から何時間か経った真夜中。
    ぼちぼち帰るかぁ、とマイキーが欠伸したのを合図に各々が帰路に着こうとした時だった。

    首だけ動かして振り向けば、武道がしーっと人差し指を立てる。

    「約束、してましたよね?」

    不安げにこちらを見つめる瞳に、うんうんと首をまっすぐに振って肯定してやると、ぱっと表情が華やぐ。
    武道も楽しみにしていてくれたのがわかり、ずくりと胸が沸き立った。
    送るかー?と武道に声をかける面々を制して、三ツ谷が送っていくと宣言する。
    全員が立ち去ったのを確認したあと、武道の手に自身の掌を絡めた。

    「誕生日おめでとう、タケミっち」
    「へへ、あざっす!さっきも言ってもらったのに」
    「いや、さっきは東卍の弍番隊隊長として。今のは彼氏として…ってことで。ハハ、ちょっとダセェか?」

    口に出した後で、引かれるかも、なんて思ったけれど武道は目をうるうるさせてこちらをみていて思ったより感触は悪くない。
    きゅ、と握っていた掌を強く握り返されて心臓が跳ねた。
    もしかしてこれって、キスのタイミングなのでは….

    「……っと危ねぇ、」
    「三ツ谷くん?どしたんスか?」
    「あのさ、言いづれぇんだけど、」

    2人きりになった途端甘えたモードに入った武道につい流されそうになったが、きちんと言わなければならないことを思い出した。
    言い淀んでいると、武道はむうと不満げに眉を寄せる。

    「……なんスか?」
    「悪りぃ、プレゼント、用意できてないんだ」

    結局何も買えずにこの時を迎えてしまった情けなさに、繋いでいない方の拳を握った。
    武道は、ぽかんと口を開けてこちらを見つめている。

    「え?オレの誕生日には三ツ谷くんをくれるんじゃないンすか?」
    「ハ!?」
    「だって…三ツ谷くんの誕生日にはオレをあげたのに、くれないんすか?」

    酷い、詐欺だ、と武道が涙目で訴える。

    「イヤ、オレはもうとっくに……タケミっちに全部あげてたつもりなんだけど」

    好きな相手に、自分が欲しいと言われて嬉しくないはずがない。
    かーっと顔に熱が集まるのを自覚しながらも、目を逸らさないで素直な気持ちを告げると、武道も同じくらい顔を赤くした。
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