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    96noScull

    @96noScull
    まいたけメイン武受けスキーですがかっこいいみっちも好きなのでたけまいになることもあります

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    96noScull

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    何番煎じかのうす~いヴァンパイアみっち(先祖返り)設定です。え?明日みつやくん誕?しゃーない書きかけ放置のヴァンパイアパロを…という次第です(ひどい)
    リープ繰り返した末の謎平和軸。もうどうとでもなーれという境地(;´∀`)

    #みつ武
    #マイ武

    みつやくん誕(フライング) それは情事のようだった。
     さらけ出した喉に貪りつく。時折甘い吐息が洩れ、互いに縋り付く。
     集会後、姿を消した二人を探してそれを目撃してしまったマイキー達はギョッとして固まった。
     が、
    「タケミっち何してんの!?」
     いち早く正気に戻ったマイキーが二人を引き離した。

     ばつが悪そうな武道と涼しい顔の三ツ谷。
    武道が噛みついていた首筋には絆創膏が貼られている。
     デキていますが何か、みたいな優越感を隠さない三ツ谷の態度にマイキーを筆頭に若干イラっとしていた。
    「オレ、実は先祖返りの吸血鬼で…」
     武道はいきさつをぽつぽつと語りだした。
     事の始まりはとある満月の夜、コンビニに買い物に行ったら不良ではなく通り魔に出くわしてしまった。フードを被った男はナイフを突き出し武道に向かって駆け出してくる。
     それを横から殴り飛ばし守ったのは三ツ谷だった。
    「三ツ谷くん!」
     武道が思わず叫ぶと、三ツ谷は大丈夫と言うように手を振ったがナイフがかすったようで切れていた。
     男はコンビニから飛び出てきた男性客らに取り押さえられ、警察を待つ間三ツ谷のケガを手当てをしようと近づく。
     しかし三ツ谷はギョッとして、
    「タケミっち、お前その目」
    「は…」
     いつもはきれいな蒼い目が、赤く光っていた。
     先祖返りは急に起きた。
     今まで喧嘩の中、いくらでも血は見て来たのに三ツ谷の血の匂いに酔って。
     あぁ、自制が利かなくなる。
     武道はパニックになって、気が付いたら家に帰りついていた。
     息子の異変に気が付いた親が、あっけらかんと先祖のことを話したのがその時である。
     身内でもそういない。曾祖父がそうだった、とかそんな感じである。
     なので対処法はなく、人を襲いさえしなければ普通に暮らしていけるんだとか。
     そんな『ちょっと変わってるけど大丈夫』で済むんだろうか。
     悩む武道に心配してメールをくれたのも三ツ谷だった。
     他の人間にはバラさないことを約束してくれたので、武道も親から聞いたことをそのまま伝えた。
    「試しにオレの血吸ってみる?」
     からかいを含んだ誘いに、思わず乗ってしまった。

    「ずるい」
     マイキーが唇を尖らせる。
    「ずるいって…」
    「三ツ谷ばっかりずるい!!
    オレも血をあげる!!」
     首筋を晒しながらぐいぐい武道を抱きしめるマイキー。だが、
    「あのですね…マイキー君の血の匂いって、甘すぎるんです。
    三ツ谷くんは食生活がちゃんとしてるだけあって、ちゃんとおいしいというか」
     申し訳なさそうに、しかしばっさりと切り捨てる武道に、マイキーはどんどん不機嫌を募らせ「帰る」とバブに乗って去っていった。本来はファミレスに誘おうと探していたにもかかわらずだ。
     残された面々で現地解散を余儀なくされた。
     ドラケンは付き合いの長い三ツ谷の思惑を見透かしていたようで、「知らねぇぞ」とぼやいていた。千冬に至っては「オレは!?オレのは駄目なのか相棒!!」と武道を揺さぶっている。ほんのりペヤングの味がしそうと言われ「ハッ!?場地さんと同じ血脈ということ…!?」と言い出すくらいには錯乱しているらしかった。

    「マイキー今日どうしたの?
    サラダ食べるなんてめずらし…」
     いつもならばファミレスで何かしらを食べて帰ってくるのに、帰って早々作り置きしていたサラダを貪るマイキーに驚きを隠せないエマ。
    「タケミっちにおいしい血をあげんの!!」
     意味不明ながらも、武道絡みなら仕方ないかと母親のような境地のエマだった。

    「うまくいきましたかねぇ三ツ谷くん」
    「行ったと思うぜ、ありがとなタケミっち」
     マイキーの不健康な食生活を改めさせる。
     三ツ谷が武道に協力を仰いだ建前だ。実際甘味の摂りすぎだし、年頃の男子らしく野菜を嫌う。未来の青白いマイキーを知る武道としても否やはなかった。
     武道に執着しているマイキーの前で、武道が三ツ谷の血を吸えば絶対に嫉妬する。
     先祖返りしたとはいえ、血を吸わなければ生きていけないというわけではない。普通の食事で大丈夫だし、血をおいしく感じてしまうという程度だ。
     コウモリに変身したり異常に身体能力が上がったわけでもなかった。
     陽ざしをきつく感じたり、少し五感の性能が上がったかもしれない。嗅覚で人の体調が分かる。夜目が利き、人間に聞こえにくい音域が聞こえる。そんな感じだ。
     もともとしぶとい性質である。それに少しばかりバフがかかったくらいのものだ。
     しかし吸血される方はどうだろう。
     吸われる血は舐める程度だが、実は彼の唾液から快感や多幸感を与える物質が送り込まれている。
     蚊が血を吸うために凝固しないように分泌する物質と似たものだ。
     武道に血を吸われると気持ちいい。
     それを知っているのは今のところ三ツ谷だけなのだ。
     おおよそ自分は理性的な人間だと思っている三ツ谷は、喧嘩の時以外の高揚感に戸惑い、溺れまいとしていた。
     だけれど、その相手が武道ならいいんじゃないか、と何かが囁いてくる。
     なつっこくてバカワイイ、時折見せる気迫と漢気に誰もが惹きつけられる年下のこの男に。
     本当に、オレの血なしじゃ生きられなくなったらいいのに。
     自分が武道の一番になれる可能性が目の前にぶら下がっている。ならばとことん利用してやろう。ライバルは多いし、きっとタイムリミットは近い。
     

     後日、食生活を改めたマイキーと献血好きのイヌピーに血を吸えと追い掛け回される武道がいたとか。

    おわり

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    96noScull

    DONE最近こちらに投稿してなかったなぁと思って。表向きビデオ屋裏でころしややってる記憶なしみっちとそんなみっちを愛しく思うまいきの話が読みたい…とついったでぼやいて悶々考えた末に出来た産物。まちるだ、せいへきゆがむよね…
    マチルダは微笑む「花垣く~ん?
    またDVDの中身が違うと苦情が来たんですが洋画のコーナーは君担当でしたよねぇ~?」
    答えなくてもわかっていると言わんばかりに年下の店長がねっとりした口調で責め立てる。
    愛想笑いしながらすみません、と頭を下げれば「はいまた口だけぇ~」とあてこすられる。
    謝る以外に道がないが、謝らなければ謝らないで「どうしたんですかぁ~その口は飾りですかぁ~考える脳みそないんですかぁ~」と嫌味が倍増すること請け合いである。
    なんでこんなところにいるんだろ。バイトならいくらでもあるのに。
    でもなぜだかここから離れられない。若い店長は使えない年上のバイトなんかさっさとクビにしたいみたいだが。
    いつも店に最後まで残るのは武道だ。DVDの中身のチェックを終えると一番最後に見るものがある。お気に入りの洋画。腕利きの殺し屋がアパートの隣人の少女を汚職警官から庇い、共に過ごしていくうちに絆が芽生えるストーリー。端的に言えばハッピーエンドではない。殺し屋なんて生業である以上、主人公は幸せになるべきではないんだろう。少女に金を遺し、自分は少女の家族の仇を道連れに死ぬ。
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