兄と弟~if Halloween~ 夜の帳が下りた町はライトアップされた装飾品や街灯でキラキラと輝いていた。
仮装をした子供達の声が楽しげに夜の町に響き渡る。
十月三十一日。今日はハロウィンだ。
しかし、陽気に走り回る子供達とは対照的にクロードの表情は暗かった。
クロードはぐっと唇を噛みしめる。
どうしてこんな事になってしまったのかと。
この世の終わりのような顔をするクロードを見て、メロルドはにこやかに、それはもう苛立ちを覚えるぐらいの笑顔を浮かべながら、クロードの頬をつんと突いた。
「もう、クジ引きで決まったんだからいい加減腹くくりなよ~。せっかく可愛い格好してるんだからさ」
「……うるさい」
ぱし、とメロルドの手を払う。
メロルドの言う可愛い格好。
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