〇〇しないと出られない部屋の話「ほう、これが噂の……」
「ついに来てしまった、ってことかな。とりあえず押してみたけど……うん、開かないや」
「源くんの打撃で不可能ならば、僕たちも無理だろうねえ。さて、どうしたものか……」
目の前の扉を容赦なく殴った清麿と、四隅を念入りに調べた南海は顔を見合わせて考える。どこか別のところから出られないか、せめて部屋の外にある筈の本丸と連絡が取れないかどうか。
「……やっぱり、〝これ〟をやらないと外へは出られないんじゃないかな?」
二振りはおもむろに扉の上に貼られた紙を読み上げた。
「「授乳手コキをしないと出られない部屋」」
しん、と部屋の中が静まる。二振りは首を傾げ、深く息を吐いた。
「……朝尊くん、わかる?」
1809