思い出の宝物 「こっちのクローゼットの中身は全部ダンボールに詰めていいんだよね?」
「うん、細かいものとかもあると思うけどまとめて詰めてくれたら助かるよ」
「オッケー、任せて!」
見慣れたクローゼットの扉。シュウの部屋に来たことは何度もあるからこの扉は何度も見たことある。けれど、見るのは今日で最後になるんだ。
大学を卒業し、就職した会社でシュウとは出会った。とあるプロジェクトのメンバーに選ばれ、そこで初めて顔を合わせた日からもう4年。その後、同い年でゲームが好きっていう共通点もあり、仕事上だけではなくプライベートでも仲良くなっていった。そうして恋をして、恋人になってから2年。そして今日、俺たちは同棲を始める。
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