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    基本倉庫。i:騙々氏

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    🎈ブラアキ。AVパロ本後日談。
    2023/05/03 SHA2023の無配です。

    ##ブラアキ

    AVパロ後日談 ブラッドとの撮影後、アキラはポルノ男優を引退した。正確には『させられた』が正しい。
     ブラッドがアキラの万引きを止めに入った男だったこと、それからしばらくしてインターネットにアップロードされているアキラの動画を見つけたこと、その後ポルノ男優になったと知ったこと、申し訳なさを抱きながらもアキラの動画を何度もオカズにしていたこと。そして、アキラが他の男とセックスすることに強い嫉妬を覚えて、これが恋心だと知ったこと。
     行為後、疲労で思考がまとまらないときに一度に説明され「俺が責任をもってお前の将来を援助する」と告げたブラッドに、意識を飛ばしかけていたアキラは早く寝たくて「分かった」と安易に返事したのが悪かった。気付けばアキラは男優から足を洗うことになっており、何故か一人暮らししていたアパートは解約されて、ブラッドの高級タワーマンションで一緒に暮らす流れになっていた。
     それから数ヶ月。色々ありつつもお互い気持ちを確認し、アキラも花屋でバイトをしながらブラッドとの同棲生活をそれなりに楽しんでいた。

     ――のだが。
    「ただいま帰った」
    「……おかえり」
     リビングに現れた恋人に、アキラは気まずそうな視線を向けた。ブラッドはそんなアキラの様子に首を傾げていたが、足元に置かれているボックスを見つけて近付いてくる。
    「最初に言っておくが、隠していたつもりはない」
    「いや、聞いてたし持ってても不思議じゃねーけどよ」
     ブラッドの言葉に、アキラはそうじゃないと首を振った。自室には好きに入っていいと言われている。だから、暇つぶしに本を借りるだけのつもりだった。本棚の下、やたら大きなボックス。気になって開ければ、中には自分の出演していたポルノビデオ。堂々と本棚に並べているよりはマシだろう。気になったのは、その中身のことで。
     アキラはボックスを開き、並んだ背表紙を指さしてジト目を向ける。
    「なんでご丁寧に三本ずつ買ってんだよ」
    「お前が出演しているからだ。観賞用、保存用、予備用だな」
    「いや、意味分かんねぇ」
     同じビデオを何本も持つ必要があるのだろうか。ため息をつけば、ブラッドはしゃがみ込んで並んだタイトルを懐かしそうに眺め始めた。
    「……全部持ってるってことは、見たんだよな」
    「そうだな。全部見た」
    「……ってことは俺が他の男とシてんのも」
    「仕事なら仕方ないだろう」
    「うぅ~」
     アキラの様子がおかしい理由に気付いたようだ。ブラッドは小さく笑って首を傾げる。
    「なんだ、気にしているのか」
     アキラは気恥ずかしいのか、視線を逸らしながら答えた。
    「まあ、一応、コイビト……だし」
     アキラがブラッドへ特別な感情を芽生えさせたのは、ごく最近のことである。男との消費的なセックスしかしてこなかった彼にとって、初めて生まれた恋愛感情は慣れないものだった。だから何かあるたびに、こうして気持ちを確認し、戸惑いながらもブラッドに歩み寄ろうとする。
    「大丈夫だ。複数人を相手する際に性器を二本咥えながら『早くこの太いのをケツに入れてめちゃくちゃにして欲しい』と強請ったり、生徒役をした際に『先生のおちんちん甘くて美味しい』としゃぶりついたり、アナルプラグを挿入されて何度も射精する姿を見せつけていたとしても、それが仕事なら俺は割り切っている」
    「全然割り切れてないだろ、それ」
     事細かに覚えているブラッドにアキラは思わずジト目を向けた。それだけで何度も見返していたことが分かる。
     ブラッドは呆れるアキラを引き寄せると、抱きしめながら臀部へ指を這わせた。
    「ん」
    「いま、この場所が俺だけのものなら、それでいい」
     こめかみに唇が落ちる。そのまま顔に降ってくる口付けの雨を受け止めながら、アキラは恥ずかしさに唇を尖らせた。
    (そーゆーのをサラッと言っちまうからずりィんだよ)
     こちらはまだ恋愛初心者なのだ。そんな彼に、どんな言葉を返していいか分からない。
     口付けはやがて唇に落ちてきた。何度か啄むようなそれは、やがて深いものになっていく。
    「う、あ」
     じくじくと腰が疼き始める。酔いしれていると、唇を離したブラッドがアキラの耳元で囁いた。
    「それで、自分の作品で自慰をした感想は?」
    「っ!? な、なんで分かっ……!」
     アキラは慌てて顔をあげた。胸を押して距離を取ろうとするが、離さないとばかりに腰に手を回したブラッドは、アキラとの密着を深くさせる。股間に押しつけられる膝。ブラッドは、顔を近付けると小さく鼻で笑った。
    「ふ。知られたくないなら、終わったあとは換気をするべきだ」
    「ぐ、ぬ」
     言い逃れは出来ない。悔しげに唇を噛めば、ブラッドは「歯を立てるな」とアキラの下唇を摘んだ。そのままふにふにと遊ばれる。マゼンタが楽しそうな色を見せる。次の言葉は予想がついた。
    「感想は?」
    「相手がブラッドだったら……って思いながら、シた、ら……すっげえ興奮した」
     耳が熱い。いま自分の顔は、トマトのように真っ赤になっているだろう。それでも彼に嘘はつけない。そう教え込まれたからだ。
     アキラが素直に答えれば、ブラッドは嬉しそうに目を細めた。
    「そうか。なら、一つずつ試していこう」
     背中をつ、と指が伝った。それだけで甘い声をあげてしまう自分の短絡さに呆れるが、どろどろに溶けるほど甘やかされるのは、悪くない気分だった。
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