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    amei_ns

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    どうやってもカプに持ち込めそうになかったので供養

     寝付けない夜、というのは誰しもにあると思う。それは呂布にとっても例外ではなかった。その日がたまたま、トールの邸に泊まる日だったということである。
     いやに柔らかいベッドが悪いのか、それとも暖かい質のいい布団が悪いのか、肌触りのいいシーツが悪いのか。どれをとっても普通なら深い眠りに誘ってくるものだろうが、いまの呂布にとってはそのどれもが眠りを妨げるものに違いなかった。それならば床で寝るかとも思ったのだが、床で寝て万が一にも、ないとは思うが、体を壊しでもすれば、責任はトールにできてしまう。それだけは避けねばならなかった。ではどうしようかと考えて、呂布は持ってきていた人器を手に取り、中庭に出た。眠気がくるまで体を動かしていればいいだろう。そう思ったからであった。中庭に出たのは流石の呂布でも部屋の中で武器をぶん回すような常識のない真似はしないからであった。
     中庭の場所はわかっていた。たまに外で食事をするからである。トールの邸はそれなりに広いが、北欧最強の神というわりには狭かった。広くても使用人が増えて面倒なだけだ、とトールは言っていたのを聞いたことがあった。それで呂布は納得したものだ。人員が増えれば、それだけ細かく目を光らせなければならなくなるだけなのだから。ならば少数精鋭の方がいい。
     手に持った一本しか武器がないため、壊さないように鍛錬をするしかなかった。まあ遮蔽物の多い庭であまり力強く体を動かすとなにかしらを壊してしまうため、加減しなくてはならないのはそうなのだが。呂布でも他人の家ではそれなりに気を遣うのである。それが友の家ならばなおさらだ。
     方天戟を振る。呂布の鍛錬はシンプルかつ無駄がない。無心で振るった数を数えながら眠気がくるのを待つ。
     三百を数えた頃合で、なにやら気配がすることに気付いた。呂布は手を止め、その方を見やるとひとりの使用人が汗を拭くためであろうタオルと飲むための水を準備しているところだった。不要だ、という声をかけてもよかったが、こんな夜中に起きて客人のことを考えて行動したというのだからねぎらうべきだろうか。呂布が考えていると、その使用人はぺこりと頭を下げて帰ってしまった。
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